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四六判並製416頁

定価:本体1800円+税

発売日 2018年5月5日

ISBN 978-4-7885-1564-2





立岩真也 著

増補新版 人間の条件 そんなものない
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 〈できる〉か〈できない〉かで人間の価値が決まる。できれば「多くとれる」。そういう考えは、まったく正しくない。それはなぜか──人間がそのままの姿で生きている、そのことの価値と意味を、さまざまな運動の歴史と深い思索の数々を丁寧に参照しながら、論理的に解き起します。成果主義、能力主義、自己決定、尊厳死、介護、格差、貧困、税。それらはいままさにその内実を再検証され、この国に生きる人々とシェアされるべきでしょう。著者の生涯をかけたテーマがマンガやイラスト交え、易しく描かれます。憲法二十五条をめぐるインタビュー「健康で文化的な最低限度?」を増補。

増補新版 人間の条件 そんなものない 目次

増補新版 人間の条件 そんなものない 終わりに

ためし読み



他の「よりみちパン!セ」シリーズ



増補新版 人間の条件 そんなものない 目次

簡単で別な姿の世界、を歌えないなら、字を書く



1 できなくてなんだ

2 ならどうならよいか・1

3 しかしこの世のしくみ――私たちの社会は変だ

4 でも社会はそうじゃないかという話

5 人は違うものを信じている

6 差は仕方がない、必要だというお話について

7 「機会の平等」というお話がいけてない話

8 むしろ差は大きくなる

9 文句の言い方

10 世界の分け方

11 違いへの応じ方

12 材料も仕事も分ける

補・1 教科書に書いたこと

補・2 三人の人と話してみた

補・3 健康で文化的な最低限度?

本の紹介
終わりに
装幀=祖父江 慎+ 根本 匠(cozfish)


増補新版 人間の条件 そんなものない 終わりに

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 そして時が経ち、本書、というか「よりみちパン!セ」シリーズが今度は新曜社で再刊・再開されることになった。それでついでだから、と少し加筆して、第二版(増補新版)とすることにした。といっても、イラストとルビがきっちり入った本体はほぼまったくそのままということで、二〇〇九年に出版された『生存権――いまを生きるあなたに』に収録されていた「「目指すは最低限度」じゃないでしょう?」を補・3として加えた(二段組ということもあり、ここは総ルビではない)・この出版の経緯もまた不思議であったこと等はその冒頭で説明している。他には、初版の後に出た本のリストを置いたぐらいだだから第二版といっても、『私的所有論』(現在第二版)や『生の技法』(現在第三版)のような大きな増補をしたのではない。

 私のこれからのつもりについて簡単に。「本の紹介」にあげた『自由の平等』『ALS』は第二版を用意したいと思っている。2005年から『現代思想』での連載を続けさせてもらっていて、そこから7冊ほどの本ができたが、まだ半分以上は本になっていない。そこで、「生の現代のために」という続きものをここしばらくしていた、それとその後に書いている部分とを、理論篇・歴史篇(の1)という具合に仕立てなおして、まず二〇一八年に二冊の本にする。

 また本書の本編の最後12に書いたことは、一つに、とくに「人間は足りている」という話。このことをかなりの回数、いろいろなところで書いているのだが、なかなか信じてもらえない。誰か数が数えられ、お金の計算ができるような人の助けを借りてになるか、あまり長くない本を出したいと思っている。もうひとつ、「材料(知識を含む)を分ける」というのは「資本」の所有をどうするかということでもあって、これは普通の意味での分配論とはまた少し異なる「体制論」にもなる。「そのうちなにか書きたい」と書いた(99ページ)それを、そのうち書ければと思う。このごろ時々呟いており、一度さきの『現代思想』連載でも書いたことのある「素朴唯物論を支持する」という話は、その二つともに関わる。
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