触発するゴフマン

やりとりの秩序の社会学

著者 中河 伸俊
渡辺 克典
ジャンル 社会学
出版年月日 2015/05/22
ISBN 9784788514317
判型・ページ数 4-6・304ページ
定価 3,080円(本体2,800円+税)
在庫 在庫あり
ビジネス・看護といった新たな現場での質的調査が増加する近年。医療・ジェンダーなど多分野のやりとりの秩序を活写した先人ゴフマンの視点と経験を今後の経験的研究に活かすには? 人類学者や言語学者も参加したゴフマンを「使う」ための論文集。

◆書評
2015年10月17日、図書新聞、木村雅史氏評
触発するゴフマン――目次

はじめに
――触発し続けるゴフマン 渡辺克典・中河伸俊
1 本書のねらいと特色
2 本書の構成
3 訳語について

第1章 アーヴィング・ゴフマンの社会学
――理論内在的分析と現代的展開 速水奈名子
1 はじめに ゴフマン社会学の成立
2 古典社会学とゴフマン理論
3 「捉えがたい」ゴフマン理論の全体像
4 ゴフマン理論研究の動向
  ――内在的・総合的分析をめざして
5 ゴフマン理論を巡る新たな展開
  ――「身体の社会学」と「アーカイブス調査」を中心に
6 おわりに

第2章 ゴフマネスク・エスノグラフィー 渡辺克典
1 相互行為という研究課題とアプローチ
2 ゴフマンの記述スタイル
3 シカゴ学派と社会調査
4 実験室との対比としての日常生活
5 反事実的な分析
6 「科学的営為」としてのゴフマネスク

第3章 自己に生まれてくる隙間
――ゴフマン理論から読み解く自己の構成 芦川 晋
1 自己はどこにいる?
2 自己が棲みつく隙間――2つの自己をめぐって
3 人物(人格)であるということ――パーソナル・アイデンティティ
4 生活誌の書き換えと社会的アイデンティティ
5 施設や組織への順応と役割距離
6 個人が人格(人物)であることと役割距離

第4章 「他者の性別がわかる」という,もうひとつの相互行為秩序
――FtXの生きづらさに焦点を当てて 鶴田幸恵
1 はじめに
2 PassingからDoing Genderへ
  ――相互行為における性別に関する研究
3 情報伝達と秩序に関するゴフマンの議論
4 女/男に分かれているという外見の秩序からはみ出た存在であるFtXの生きがたさ
5 おわりに 性別判断の記述におけるゴフマン概念の使い勝手
  ――「性別を見る」という相互行為秩序の特性をとらえる

第5章 会話分析の「トピック」としてのゴフマン社会学 平本 毅
1 はじめに
2 ゴフマン社会学と会話分析
3 ゴフマン社会学と会話分析の近年の展開
4 おわりに

第6章 フレーム分析はどこまで実用的か 中河伸俊
1 フレーム分析の基本的な論点再訪
2 フレーム分析の使われ方と使い方――難点と可能性

第7章 引用発話・再演・リハーサル
――フレームの複合性と経験の自在性 南 保輔
1 はじめに
2 引用発話――M.グッドウィンの少女の口論研究
3 再演――トークショウにおける引用発話
4 事前演技――プレスカンファランスフレーム
5 むすび

第8章 「ふつうの外見」と監視社会 永井良和
1 「儀礼的無関心」と「ふつうの外見」
2 「ふつうの外見」の更新と普及
3 つくられる「ふつうの外見」と操作の可能性
4 盗み見る技術
5 機械化と,都市的文明の衰退

第9章 修理屋モデル=医学モデルへのハマらなさこそが極限状況を招く
――アイデンティティの機能的差異をも論じたゴフマン 天田城介
1 「世界の様々な亀裂」をもたらす機能的差異
  ――『アサイラム』最終論文の問い
2 『アサイラム』の三論文
  ――極限状況で耐え難きを耐え,忍び難きを忍ぶ
3 危うく脆くとも社会秩序を可能にする魔術的機能
4 ゴフマンの方法論の使い方

第10章 ゴフマンと言語研究
――ポライトネスをめぐって 滝浦真人
1 メジャーでないゴフマン
2 B&Lのポライトネス理論
3 自己―他者―自己……
4 ネガティブ―ポジティブ
5 上―下――関係の非対称
6 これからのゴフマン

第11章 ゴフマンのクラフトワーク
――その言語人類学における遺産 高田 明
1 はじめに
2 社会的状況(social situation)
3 関わり(engagement)
4 参与枠組み(participation framework)
5 まとめ

文献表
あとがき
索引
  装幀=加藤賢一

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