『発達障害の就労とキャリア発達』、2023年度日本コミュニティ心理学会出版賞受賞 - 2024.03.25
消費者の信頼を築く
安全な製品と取引のための消費者問題ハンドブック
著者 | 谷 みどり 著 |
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ジャンル | 環境・震災・都市・地域社会 |
出版年月日 | 2012/04/27 |
ISBN | 9784788512870 |
判型・ページ数 | 4-6・212ページ |
定価 | 2,090円(本体1,900円+税) |
在庫 | 在庫あり |
はじめに
序 章 消費市場の問題
1 消費者相談に見るトラブルの傾向
(1)地方自治体の消費生活センターの相談から
(2)経済産業省の消費者相談から
・今世紀に入り増えた相談
・あまり伝わらなかった製品事故情報
・販売方法の新たな問題
2 問題の背景
3 対策の主体と対象
4 規範の作り方と守り方
(1)強制
・協力しやすい構造を作る
・共通知識を作る
・適切な行動を促す
(2)圧力
・共通知識を作る
・合意を促す
・適切な行動を促す
(3)良心
・情報を提供する
・共通知識を作る
・切磋琢磨する
5 まとめ
第1章 製品安全
1 製品事故は増えているか
(1)製品事故の増加要因
・製品数や使用時間が増えた
・複雑になった
・高機能で小型になった
・使い方を覚えにくくなった
・使う人が変わった
・古くなって劣化した
・価格が下がった
・売り方が悪かった
(2)安全な製品を売れない市場
2 強制
(1)協力しやすい構造を作る
・事業者名の表示
・重大な製品事故の報告、公表
(2)共通知識を作る
・強制規格
・長期使用製品の点検・表示
(3)適切な行動を促す
・損害賠償
・製品の回収命令
3 圧力
(1)共通知識を作る
・JISマーク
・SGマーク
(2)合意を促す
・PLセンターのあっせん、調停
・消費生活センターや消費者団体のあっせん
(3)適切な行動を促す
・法による圧力
・企業行動憲章
・消費者団体の働きかけ
・優良企業表彰
4 良心
(1)情報を提供する
・製品事故の公表
・事故防止に役立つ情報提供
(2)共通知識を作る
・表示を伴わない規格
・リスク評価の考え方の共有
・製品安全に関する教育
・意思確認
・自主行動計画の推進
(3)切磋琢磨する
・企業の消費者関連部門で働く人の集まり
・学会と事業者・消費者の集まり
5 まとめ
第2章 取引の問題
1 どんな取引が問題となるか
(1)処分や相談の事例から
・目的を隠して近づく
・性能や効果を偽る
・インターネットの無名性を悪用する
・クレジットを悪用する
・善意につけこむ
・向上心を悪用し「もうかる」と断言する
・職場でのまじめさにつけこむ
・雰囲気を盛り上げてだます
・強引に長時間勧誘する
(2)悪質商法と市場の規範低下の悪循環
2 強制
(1)協力しやすい構造を作る
・長期間・高額の契約の規制
・クレジット事業者による悪質商法の排除
・広告メールの規制
・「不招請勧誘」の規制
(2)共通知識を作る
通信販売の返品ルール
(3)適切な行動を促す
・行政処分
・刑事罰
・民事訴訟
3 圧力
(1)共通知識を作る
・日本訪問販売協会
・日本通信販売協会
・日本クレジット協会
・日本商品先物協会
・日本広告審査機構
(2)合意を促す
・消費生活センターなどのあっせん
・行政以外の裁判外紛争解決手続
(3)適切な行動を促す
・消費者契約法の努力義務
・割賦販売法の努力義務
・消費者団体の働きかけ
4 良心
(1)情報を提供する
・行政処分や消費者相談、逮捕等の周知
・消費者啓発
(2)共通知識を作る
・消費者教育
・電子商取引に関係する法解釈
・事業者団体の活動
(3)切磋琢磨する
・学会
・消費者団体
5 まとめ
第3章 海外に関係する対策
1 海外の動きから学ぶ
(1)消費者政策の体制・全体像
・オランダの消費者庁
・韓国の消費者行政
・オーストラリアの消費者法
・ベトナムの消費者保護法
(2)個別の対策
・欧州の製品安全に関する警報システム(RAPEX)
・米国の電話勧誘禁止登録簿
・米国の商品先物取引の自主規制団体
・欧州の消費者センターのネットワーク
・欧州の集団訴訟に関する意見集約
2 国際的に協力する
(1)製品安全当局の協力
・日本と米国、中国との協力合意
・欧州・米国・カナダの協力
・欧州・米国・中国の協力
・多国間の協力
(2)取引の取締当局の協力
(3)全体的な協力
・国際機関による協力
・消費者団体の協力
3 国際的な規範を作る
(1)国際規格
(2)OECDのガイドライン
・電子商取引について
・多国籍企業について
(3)国際商業会議所のコード
4 まとめ
終 章 信頼できる消費市場とは
1 大昔の規範
(1)規範はどうやってできたか
(2)古代の国は何をしたか
・論語が語る強制と良心
・西洋の民事法と東洋の行政法
2 日本の伝統的な市場
(1)繰返し取引で育まれた良心
(2)相互監視がもたらした圧力
3 現代の日本の消費市場
(1)繰返し取引の減少
(2)相互監視の弱まり
(3)意思疎通の変化
(4)所属する集団の変化
4 変化した市場への対応
(1)製品安全
・被害が小さく確率が高い
・被害が大きく確率が高い
・被害が小さく確率が低い
・被害が大きく確率が低い
(2)取引の問題
5 市場の規範がもたらすもの
(1)経済の繁栄
(2)国の発展
(3)国際的な規範
6 まとめ
注
索引
装幀=気流舎図案室