超デジタル時代の「学び」

よいかげんな知の復権をめざして

著者 渡部 信一
ジャンル 心理学・認知科学・臨床 > 学習・知能
出版年月日 2012/02/10
ISBN 9784788512672
判型・ページ数 4-6・264ページ
定価 2,970円(本体2,700円+税)
在庫 在庫あり
あいまいで複雑な人間的側面にアプローチできるまでに進歩した「超デジタル」時代の技術がひらく,新しい「学び」の可能性。「eカウンセリング」「伝統芸能デジタル化」「師匠の思いデジタル化」など7つのプロジェクトの実践をとおして,その具体像を呈示。
超デジタル時代の「学び」――目次

はじめに

序章 「超デジタル」な時代がやってきた

    テクノロジーにワクワクした頃
    コンピュータとの出会い、そしてデジタル時代
    デジタル時代の行き詰まり
    モノやコトが記号化した時代
    アナログな「知」の情報量
    デジタル時代の教育とその崩壊
    「超デジタル」な時代がやってきた
    「超デジタル」な時代の新しい「学び」
    「超デジタル」な学びを探求する7つのプロジェクト


第・部 「超デジタル」な学びとは何か

1・1 デジタルな学習、そして「超デジタル」な学び
    人生すべてを保存する
    「完全記憶」のメリットとデメリット
    「記録」と「記憶」
    「きちんとした知」から「よいかげんな知」へ
    デジタル時代における学習の常識
    学習者が置かれた状況や文脈の無視
    「学習」から「学び」へ
    日本の母親は「しみ込み型」育児
    教育における「教え込み型」と「しみ込み型」
1・2 複雑な日常に「やわらかな態度」で向かう
    あいまいで複雑な日常生活の中で
    「うどんの中にネギを入れる」のは簡単か?
    予期しなかった出来事
    マクドナルドでチーズバーガーを買おう
    ロボット開発における行き詰まり
    「認知科学」の誕生
    複雑な対象には「やわらかな態度」をとるという考え方
    「eカウンセリング」プロジェクトの背景にあるもの
    肩の力を抜いたとき発揮される力
1・3 「しみ込み型の学び」とは何か
    伝統芸能はどのように継承されるか
    伝統芸能継承の「場」
    お囃子と舞のあいまいな関係
    分けることができない師弟関係
    日本文化に生きる「しみ込み型の学び」
    師匠の「思い」をCGで再現する
    師匠から弟子に伝わるもの
    複雑な対象を複雑なままに扱う
1・4 「しみ込み型の学び」をテクノロジーで支援する
    シャノン
    人から人へ「きちんと伝える」
    子ども集団の中にある「学び」
    「ありがとう」とコミュニケーションの基本的な関係
    デジタルテクノロジーによる学習支援
    「学び」に対するテクノロジーの役割
    複雑な対象に対する能動的な態度
1・5 複雑な対象を捉える「よいかげんな知」
    「間違うこと」は悪いことか
    状況に合わせて「手を抜く」
    「よいかげんな知」とは何か
    複雑な対象を複雑なままに捉える
    熟達者だけが持つ能力とは?
    「複雑な対象」を捉えるのは「よいかげんな知」の力
    「意味」を捉える「よいかげんな知」
    役者養成所における重要なしくみ
1・6 「超デジタル」な時代の大学教育
    ISTUプロジェクトにおける本当の意義
    テクノロジー発展の可能性
    大学における学習の「強制力」
    「しみ込み型の学び」はアメリカにもあった
    eラーニング、対面講義、そして「日常」の学び
    大学における教養教育とは何か
    「よいかげんな知」と教養教育
    「リアリティ」ある知識をじっくり学ぶ
1・7 例えば、「妖怪は存在する」という知
    「きちんとした知」の拡大と「よいかげんな知」の衰退
    「妖怪」とは何か?
    「妖怪の存在」と人間の認識
    「妖怪は存在する」という知と豊かな精神世界
    人間にとっての「妖怪は存在する」という知
    超デジタル的存在としての鉄腕アトム
    妖怪とデジタルの間を埋めてゆく


第・部 「超デジタル」な学びプロジェクト

2・1 「eカウンセリング」プロジェクト
    「eカウンセリング」プロジェクト始動
    4つのレベルで行うカウンセリング
    最先端のテクノロジーと「ほっとブース」
    バーチャルカウンセリングへの挑戦
2・2 「東北大学インターネットスクール」プロジェクト
    「eラーニング・バブル」の中で
    「東北大学インターネットスクール」開設前夜
    「eラーニング・バブル」の状況
    「インターネットスクール」の実際と現在
    「インターネットスクール」の発展
    ISTUプロジェクトは、私に何をもたらしたか
2・3 「伝統芸能デジタル化」プロジェクト
    プロジェクトにおける2つの目的
    子どもたちに受け継がれる300年の伝統
    八戸法霊神楽のモーションキャプチャ
    モーションキャプチャの実際
    完成したデジタル教材
2・4 「師匠の思いデジタル化」プロジェクト
    継承の「場」をデジタル化する
    バーチャル神楽殿の制作
    CGに対する神楽士の反応
    衣装と江戸時代の八戸を再現する
    CG神楽殿の上で師匠のCGを踊らせる
    2010年、「3D立体視」の試み
2・5 「ミュージカル俳優養成」プロジェクト
    わらび座DAFと養成所
    モーションキャプチャの実際
    「津軽じょんがら節」のモーションキャプチャ
    データのフィードバック
    「デジタル」の利点
2・6 「鉄腕アトム&自閉症」プロジェクト
    「デジタル感覚」を持つ自閉症児
    ロボットと自閉症を一緒に考える
    自らコミュニケーションを始めた晋平
    「指書」出現その後
    本プロジェクトにおける2つの特徴
2・7 「超デジタルな学びの創発」プロジェクト
    CG制作による「学び」の創発
    プライバシー保護のためのCG化
    3DCG映像のメリットとデメリット
    小山自身に生じた変化
    「観察者=制作者」の視点
    もうひとつの3DCG制作の試み
あとがき
プロジェクトの概要

文献

  装幀=桂川 潤

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