認知哲学

心と脳のエピステモロジー

著者 山口 裕之
ジャンル ワードマップ
科学・科学論
シリーズ ワードマップ
出版年月日 2009/09/04
ISBN 9784788511743
判型・ページ数 4-6・306ページ
定価 3,080円(本体2,800円+税)
在庫 在庫あり
「脳は高度な情報処理機関」という発想は,心を解明するために有効か? 科学全体を支える基礎概念から問い直すことで,この問いに迫る。「意識の科学」の提出する驚くべき成果を読みほどき,脳科学の哲学的基礎を考えるしなやかな認知哲学の入門書。
◆ワードマップ 認知哲学――目次

《はじめに》「意識の科学」はなぜ困難なのか  そもそも「科学」とはなんだろうか?
 心身問題  「意識の科学」をめぐる古典的難問
 科学の対象としての意識  科学は「一般性」を捉える
 アナロジー  よく知っているものにたとえることで理解する

Ⅰ 心をコンピュータにたとえる 計算機は心を持つか?
 コンピュータはなぜ「計算している」といえるのか  計算機の思想と基本的な仕組み
 中国語の部屋  コンピュータは「意味づけ」をしない
 計算の複雑さと意識  「中国語の部屋」へのいくつかの反論とその検討
 ●ソライティーズ・パラドックス  連続的に変化するものに記号を当てはめる
 記号を相手取る行動  言語は単なる推論の手段ではない
 総合判断  日常的な思考は単なる計算ではない
 ニューラルネット  神経系をモデルにした計算機
 ロボット  コンピュータに身体を与える
 チューリングテスト  意識を持っているように見えるものは本当に意識を持っている?
 フレーム問題  人間は状況を枚挙しない
 動物  自分自身のために存在している機械
 ●進化の視点と個体の視点

Ⅱ 心の仕組みと脳の仕組み 脳は計算機か?
 観念連合説  近代経験論哲学の(負の?)遺産
 ●感覚sensationと知覚perceptionという言葉について  観念連合説の多義性
 認知心理学  心はプログラム
 知覚は計算か  『生態学的視覚論』と『視覚の計算理論』
 ●ギブソンのいう「直接」とはどういう意味か
 骨相学と失語症  「脳の機能局在説」前史
 ニューロイメージング  作業中の脳を観察する
 生得性再考  機能局在説とコネクショニズム
 神経細胞の電気的反応  電気生理学と脳への電気刺激実験
 結びつけ問題  知覚の統一性と意識の統一性
 ばらばらの意識  デネットの「多元的草稿モデル」
 おばあちゃん細胞説  世界は神経細胞の組み合わせでできている?
 クオリア問題  個別性はいかにして認識できるか
 チャーマーズの「ゾンビ論法」  現代版心身二元論
 心の理論  どのようなものが意識を持っているように見えるのか

Ⅲ 決定論と自由意志 自由意志は幻想か?
 皇帝の新しい心  自由意志は量子力学と関係があるか
 動機を与える感情  「自由意志」は不自由なものとして到来し、必然的に決定される
 ●感情と倫理  思い通りにならない感情と付き合う
 ●「感情」にかかわる言葉について  日本語の「感情」は英語で何と言う?
 感情の哲学  デカルトとロックの感情論
 感情研究の近年の展開  「感情の科学」さまざま
 我々は〇・五秒遅れて生きている  自由意志は錯覚か?
 ●触覚の時間と視覚の時間
 ●どんな場合に人は意志的に決断しなくてはならないか  意志は対人関係のために
 心と脳の因果関係  心はどのようにして身体に影響を及ぼすのか
 「意識の科学」の発生論  科学の有効性と限界を知る

 おわりに エピステモロジーの立場
 参考文献
 事項索引
 人名索引

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