江種満子著
『大庭みな子の世界』
| ||
四六判320頁 定価:本体3500円+税 発売日 01.10.20 ISBN 4-7885-0780-3 目次 |
◆内と外から日本の近代を問う◆ 女性作家・大庭みな子氏がアラスカ在住中に日本の文学界へデビューを果たしたのは一九六八年、三八歳の時でした。ゆきずりの男と一夜を過ごし平然と朝帰りする主婦を、アラスカの自然を背景に描いた『三匹の蟹』は、七〇年代ウーマン・リブとフェミニズムの嵐を予告する衝撃的な作品でした。その後一転してヒロシマ、新潟へ創作の視点を移し、被爆と小作争議という史実を踏まえ、戦争を女性の立場から鋭く描いた小説『浦島草』で頂点をきわめた大庭氏は、その後も旺盛な創作活動を続けて現在に至っています(代表作は講談社学術文庫に収録)。本書はネイティヴ・ジェンダー・セクシュアリティを読解の軸にすえて、二〇世紀後半の日本女性文学の最高峰というべき大庭文学のフェミニズム的世界を鮮やかに開示しています。 | |
|