社会の解読力〈文化編〉

生成する文化からの反照

著者 出口 剛司 編著
武田 俊輔 編著
ジャンル 社会学
出版年月日 2022/03/19
ISBN 9784788517585
判型・ページ数 A5・256ページ
定価 3,520円(本体3,200円+税)
在庫 在庫あり
文化的事象を細部にわたり分析しながら、それがいかなる社会的背景・文脈のもとにどのような実践として生成しているのかを描き出す文化社会学。そのコンセプトのもと、多様なテーマに取り組んだ著者たちの成果を一冊に凝縮。

* 狭義の文化に限らず、身体や政治、学問にいたるまで、広義の「文化」を通して、その当時の社会的文脈を逆照射する。
 序に代えて――文化社会学の力  佐藤健二
 凡例

第1章 振る舞いの近代――背負うという身振りの消失  中筋由紀子
  1 背負うという身振りと日本文化
  2 身体技法の型
  3 背負うという人との関わり
  4 負い目をおって生きる
  5 背負うという身振りの消失
  6 身体技法の近代――選択可能なものとしての身振り
  7 自己表現としての近代の身体技法
  8 近代の身体技法の孤独と競争
  9 終わりにかえて

第2章 宝塚少女歌劇と日本におけるオペラの模索  宮本直美
  1 宝塚少女歌劇の始まり――唱歌から歌劇へ
  2 宝塚音楽学校と小林の「国民劇」構想
  3 オペラの模索
  4 実験としての少女歌劇
  5 オペラ上演における宝塚少女歌劇の意義

第3章 待つこととメディア――メディアと日常性の再考に向けて  光岡寿郎
  1 待つことへの回帰
  2 待つことを対象化する
  3 待つこととメディア
  4 待つことと日常性――無駄の研究としてのメディア研究

第4章 国策映画と動員政治
     ―― 一九七〇年代韓国における映画統制と生徒の映画団体観覧  鄭仁善
  1 序論
  2 少年者の映画観覧――国策映画と団体観覧の同盟
  3 映画行政の混乱期と目的を失った生徒団体観覧
  4 不完全な資源掌握と「安保映画」――国策と利潤の拮抗
  5 映画国策化と挫折した団体観覧の制度化
  6 国家主義に包摂されない実践としての団体観覧
  7 まとめ

第5章 NPOの歴史的位置
     ――NPO法制定・改正過程における主体性の変遷に着目して  原田峻
  1 はじめに――NPOと段階論批判
  2 佐藤健二の歴史社会学とNPO
  3 NPO法で規定された主体性の七つの特質
  4 NPO法改正過程における、市民・情報公開・活動分野をめぐるせめぎ合い
  5 おわりに――NPO法という未完のプロジェクト

第6章 栗原彬における言語政治学の構想
     ――啓蒙的理性からコミュニカティヴな民衆理性へ  出口剛司
  1 問題の所在
  2 言語政治学の構想と構造
  3 管理社会のメカニズム
  4 コミュニカティヴな民衆理性へ

第7章 方法としての社会運動論
     ――佐藤健二の「社会運動研究における「大衆運動」モデル再検討の射程」から  富永京子
  1 はじめに
  2 佐藤の指摘する大衆運動論・集合行動論の二側面
  3 佐藤の提示する「方法的」社会運動論

第8章 尾高邦雄はなぜ職業社会学を維持できなかったか――もうひとつの職業概念に向けて  武岡暢
  1 本稿の目的と背景
  2 『職業社会学』で提示された構想
  3 構想と実践の分岐
  4 画期としての調査?

第9章 災害社会学の方法史的検討――山口弥一郎の『津波と村』を事例にして  三浦倫平
  1 はじめに
  2 日本の災害社会学研究の特質
  3 日本の災害社会学の歴史的整理
  4 山口の歩みと構想
  5 結論

第10章 地方都市社会論の構築に向けて――「伝統消費型都市」概念再考  武田俊輔
  1 はじめに――地方都市社会研究の空白
  2 「伝統消費型都市」類型と「聚落的家連合」論――都市社会学の失われた分析枠組み
  3 全体的相互給付関係を維持させるメカニズム
  4 社会的ネットワーク拡大の駆動因としての全体的相互給付関係
  5 おわりに――地方都市社会論の構築に向けて

 あとがき  出口剛司・武田俊輔
 索引

          装幀――新曜社デザイン室

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