「アイドルの国」の性暴力

著者 内藤 千珠子
ジャンル 文学・エッセイ
出版年月日 2021/08/05
ISBN 9784788517349
判型・ページ数 4-6・288ページ
定価 3,190円(本体2,900円+税)
在庫 在庫あり
現代日本の性暴力は、ナショナリズムとジェンダーの複合した形で現われている。具体的には、「アイドル」と「慰安婦」問題を中心に、戦時と現代に共通する「性の商品化」「身体の経済化」の問題として、文学作品や風俗のなかに鮮やかに浮き彫りにする。

* 現代の日本にはびこる「見えない暴力」のルーツを近代日本の歴史、文学のなかに暴く。
*「おやじ的権力」と「アイドル」「慰安婦」そして結婚制度内の女性の関係を
「見える化」する。
はじめに

  第一部 アイドルとナショナリズム
第一章 アイドルと戦争の風景
   1 アイドル国家としての日本 
   2 地下アイドルと「ふつう」の女の子
   3 公然の秘密としての「戦争」
   4 代理される「僕たち」の物語
第二章 アイドルとJKの間
   1 「娼婦」の身体とナショナリズム
   2 「帝国的性暴力」の論理
   3 JKビジネスと少女の身体――桐野夏生『路上のX』
   4 奪いあう関係の先へ
   5 伏字のアイドル――松田青子『持続可能な魂の利用』
   6 「××」が遂行する革命
第三章 ポルノグラフィと傷
   1 他者の傷への依存
   2 「経済化」される身体とポルノグラフィ
   3 視線が切り取る裸体――横田創『残念な乳首』 
   4 人魚の死体を悔いる、クィアな撮影法
   5 「残念な写真」による沈黙への応答
第四章 革命とジェンダー
   1 恋愛を疑う
   2 金子文子と瀬戸内晴美――『余白の春』が描くヒロイン
   3 脱恋愛化する「私」の言葉――獄中から語ること
   4 物語の擬態がもつ罠
   5 共鳴のフレーム

  第二部 「慰安婦」をめぐる想像力
第五章 「慰安婦」と情動
   1 「アイドル」と「慰安婦」が象徴するもの
   2 帝国的性暴力をめぐる学術的な論点
   3 「証言の時代」の後で
   4 「恥辱」の情動
   5 文学的想像力と「娼婦」――徳田秋聲『縮図』
第六章 戦争と恋愛のトリック
   1 敗戦小説としての林芙美子『浮雲』
   2 戦場の女性作家 
   3 『浮雲』の両義性とヒロインの身体
   4 恋愛の物語と傷の表象
   5 「女の死」という結末
第七章 記憶のなかの戦時性暴力
   1 対立する記憶と敵の言葉
   2 「慰安婦」の物語化
   3 夢のなかの戦争と女――中島京子『FUTON』
   4 証言をめぐる否定の図式
   5 物語の傷
   6 未完成の絵
  
註 / あとがき / 索引
    
          装幀――難波園子

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