誰もが〈助かる〉社会

まちづくりに織り込む防災・減災

災害時の「助ける-助けられる」関係は責任の所在や役割の明確化を迫り、活動の複雑化と一部への負担増を生む。本書はまちづくりに防災・減災を織り込むことで発想を転換。誰もが「あぁ、助かった」といえる社会をつくるための実践ガイドと事例集。

* 推薦 室﨑益輝氏(兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科長・教授/地区防災計画学会 会長)
  「地域コミュニティと丁寧に向き合うなかで生みだされた “まちづくりに織り込む” という手法。
    心ある防災・減災の原点である“誰もが〈助かる〉社会”への手引きである。」
はじめに (渥美公秀・石塚裕子)

序 章 誰もが〈助かる〉社会に向けて (渥美公秀)
 1 着想の背景/2 議論すべき論点/3 実践編の読み方

Ⅰ 理論編――発想の現実的転換

第1章 防災・減災活動の転換 (渥美公秀)
 1 従来の防災・減災活動/2 従来の防災・減災活動の限界/3 防災・減災3.0 ――既存のまちづくりに防災・減災を織り込む/4 防災・減災3.0を支える理論的基盤/5 防災・減災3.0に参画する外部者

考えを深めるコラム1 減災サイクル (村井雅清)

第2章 インクルーシブを問いなおす (宮本 匠)
 1 インクルーシブは誰を包摂しようとしているのか/2 「存在論的ひきこもり」論から/3 「する自己」と「ある自己」/4 「お酒おいしいの?」――「人として」の支援/5 インクルーシブな防災・減災の実践

考えを深めるコラム2 避難行動要支援者名簿等の課題 (福島真司)

第3章 〈助かる〉社会に向けての諸課題
 1 当事者から視てみる (石塚裕子・福島真司)/2 災害と障害 (石塚裕子)/3 災害と子ども――一緒に遊ぶことからはじめよう (寺本弘伸)/4 災害とペット (加藤謙介)

考えを深めるコラム3 災害時の備えとなるユニバーサルツーリズム (鞍本長利)

第4章 「助かった」とはどういうことか? (矢守克也)
 1 「助かった」と口走るとき/2 「津波てんでんこ」/3 「全体的スローダウン」/4 「助からなかった」の受容

考えを深めるコラム4 くらしの自律生活圏 (小林郁雄)

Ⅱ 実践編――〈助かる〉社会への運動

第5章 まちづくりに防災・減災を織り込む――兵庫県上郡町赤松地区との協働実践
 1 なぜ上郡町赤松地区なのか?/2 地域を診断する――防災と言わない集落調査/3 地域で取り組みたいことを考える――村づくりの夢マップ/4 一番取り組みたいことに+ プラスアルファα (防災・減災)して実行する――みんなが〈参加できる〉白旗城まつりプロジェクト/5 活動の記録として地区防災計画をつくる/6 翌年の白旗城まつり――さらに誰もが〈参加できる〉工夫/7 「まちづくりに防災・減災を織り込む」方法とは (以上、石塚裕子)/8 誰もが〈助かる〉社会像 (小林郁雄)

第6章 〈助かる〉活動事例集――各地の協働実践に学ぶ
 1 防災マップづくり――兵庫県尼崎市武庫地区 (檜垣龍樹)/2 多様な人が主体的にかかわるしくみづくり――神戸市長田区真陽地区 (室﨑千重)/3 防災・減災実践への多様な「参加」――高知県黒潮町 (加藤謙介)/4 村内での二地域居住による暮らしの継続――奈良県十津川村 (室﨑千重)/5 未来への森づくり――兵庫県丹波市北岡本地区 (石塚裕子)

おわりに (石塚裕子・渥美公秀)

付 録 (石塚裕子)
 1 災害後に発信された要望・提言(要約・一部抜粋)一覧
 2 誰もが〈助かる〉まちづくりガイドライン
索 引
執筆者紹介

装釘=臼井新太郎
花の絵=石塚裕子

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(本体1,800円+税)

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