『陸軍将校たちの戦後史 』書評が毎日新聞に掲載されました - 2024.04.08
絵本がひらく心理臨床の世界
こころをめぐる冒険へ
著者 | 前川 あさ美 著 田中 健夫 著 |
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ジャンル | 心理学・認知科学・臨床 > 臨床 |
出版年月日 | 2020/10/02 |
ISBN | 9784788516946 |
判型・ページ数 | A5・176ページ |
定価 | 2,420円(本体2,200円+税) |
在庫 | 在庫あり |
*絵本でこころを解き放つ!
*80冊以上の絵本を紹介。図版多数。
Part I 絵本の可能性
1章 自分の視点、他者の視点
桃太郎と浦島太郎 / 一人称の絵本 / 支援に必要な内的照合枠への理解
2章 想像力が生み出すもの
拡散的思考で絵本に参加:三匹の物語 / 三匹はこぶただけではない /
ステレオタイプな思考に挑む / 思い込みからの解放
3章 こころは閉じている
閉鎖システムとしてのこころ / 意識できないこころ /
開かれた問いをもつために / 耳を傾けるあり方の訓練
4章 「ゆとり」の効用
日常性を超えたゆとり / 日常のなかに生まれるゆとり /
行き来のなかで生まれるゆとり / うっとり / きっちり
Part II 子どものこころにふれる
5章 すぐそこにある「不思議」
現実のとなりにある不思議 / 閉じ込められた部屋のなかで
魔法という力 / 意味不明に漂えるこころ
6章 子どもとおばけ、親にとってのおばけ
子どもの世界とおばけ / 波長合わせとずらし / ねないこはわたし /
親の不安を“抱える”絵本
7章 万能感と好奇心の冒険
万能感が満たされる体験 / 子どもの身体感覚との共鳴 / 後悔と納得、はたまた諦め? /
人生は無限に続く足踏み水車 / 好奇心を生かし続ける
8章 「きょうだい」という社会
私のものを弟妹と共有する:上の子の気持ち / 下の子の気持ち /
きょうだい固有のつながり
9章 おおいなるものとの交流
びゅんびゅんごまをめぐる生活体験 / おおいなるものを感じる /
やりきろうとする自分を支える権威 / トリックスター的な存在:くによ /
運動場と“あそびば”
Part III 人生を生きぬく力
10章 ひとりぼっちの時間
孤立と孤独 / イマジナリーコンパニオン / 目を背けてはいけない孤独 /
孤独と成長 / 自然と孤独
11章 ひとりを生きることと世代継承性
“ひとり”を生きること / 世代継承性について / 生き方の転回
12章 老年期の生きる力
豊かな知恵 / ゆるやかな時間 / 高齢者からの愛のカタチ
語り継ぐこと / 人生は巡り巡って
13章 喪失に向きあう
喪失からの回復過程:他の人とのつながり / 喪失からの回復過程:思い出 /
子どもにとっての死
Part IV 傷ついたこころの回復
14章 トラウマとレジリエンス
東日本大震災を語り継ぐ / 虐待というトラウマ / 苦しみも幸せもウェルカム!
15章 いじめ加害のこころ
読者に主人公の心情は手渡される / 思春期心性について / やさしさのさざなみ
後悔し、考え続ける主人公 /
マデラインのこころの作業を見守る読者 / 加害者がもつ被害者意識
16章 怒りという感情
怒りの破壊力:怒りの表出とその影響 / 怒りの変形と解消 /
心の澱を流す:怒りと悲しみ / 歪んだ怒り:怒りとのつきあい方
Part V 「あたりまえ」とは何か?
17章 問いかけることの意味
幼児期の問い / 問うとともに、問われる私たち / 問われることで開かれる世界
18章 「らしさ」と多様性
男らしさ・女らしさ / 性自認ということ:トランスジェンダー /
性指向ということ:同性愛 / 家族の多様性
19章 アイデンティティとしての「色」
色とこころ / 「自分の色」を探して / アイデンティティの確立
20章 発達障害と生きること
生きにくさを抱える子どもたち / 「傾聴」と「寄り添い」 / ギフテッドという多様性
21章 父と子が通じあうとき
おおらかさとおおきさ / 日常性からの跳躍 / 思春期の子どもとの緊張感 /
待ち、見守る
終章 母なる存在
あとがき/作品/索引/事項・人名索引/コラム
装幀 臼井新太郎装画 市村 譲