性格を科学する心理学のはなし

血液型性格判断に別れを告げよう

著者 小塩 真司
ジャンル 心理学・認知科学・臨床 > 教養・読みもの
出版年月日 2011/10/08
ISBN 9784788512535
判型・ページ数 4-6・196ページ
定価 2,420円(本体2,200円+税)
在庫 在庫あり
血液型から性格を判断できないのはなぜ? 人の性格に関する身近な疑問を探求しながら,パーソナリティ心理学の基礎知識や科学的な視点を学ぶことができる,知的冒険の書。科学的・論理的に物事を考えることが好きな,すべての読者へ。

◆書評
2012年2月1日、日経広告研究所報 261号、久保田進彦氏評
性格を科学する心理学のはなし――目次



まえがき
序 章 なぜ血液型と性格の関連を信じることに反対なのか
血液型性格判断と占いとのちがいは/遺伝とイメージとの結びつき/B型の悪いイメージ/ブラッドタイプ・ハラスメント/暗黙の知能観/血液型による相性判断は固定的知能観/血液型と性格に関連はあるのか
第一章 性格はどこにあるのか パーソナリティ心理学とは
特殊な能力/面接試験にて/「性格の明るさ」ってなに?/性格をみることと行動をみること/性格を言い表すさまざまな英単語/翻訳の難しさ/言い回しの問題?/性格はどこに/パーソナリティ心理学とは

第二章 心理ゲームは深層心理を当てるのか 信頼性と妥当性
測定するということ /運動能力を考える /目に見えないものを測定するには /内容に注目 /関連に注目 /概念に注目 /テストの目的も重要 /妥当性に注目すると…… /測定に不可欠なもうひとつの視点 /誤差を分ける /信頼できる体重計・信頼できない体重計 /信頼性と妥当性の関係 /ある心理ゲームを例に /信頼性を検討する /妥当性を検討する /「深層心理」の妥当性とは /心理ゲームの妥当性は検証されているのか /完全に当てるゲームは危険?

第三章 人間はいくつの種類に分けられるのか 性格の類型論
類型論と特性論 /四体液説・四気質説 /現代につながる四気質説 /クレッチマーの体格-気質関連説 /人々のイメージに残るクレッチマー説 /類型論の問題点 /長い歴史の中で /類型モデルから次元モデルへ /コンピュータの発展とともに

第四章 人間にはいくつの性格があるのか 性格の特性論
ゲームの登場キャラクターの表現方法 /人間の性格を特性として理解する /語彙研究 /因子分析を使って性格次元を探す /ビッグファイブ /五因子理論 /性格を五次元で記述するということ /ビッグファイブの下位特性 /ビッグファイブから就活をみると /五つでは足りないか /五つでは多すぎる? /現代の心理学では

第五章 「三つ子の魂百まで」はほんとうか 横断的研究と縦断的研究
性格は変化しないという説 /赤ちゃんの気質にみられる三つのタイプ /横断的研究と縦断的研究/コーホート研究 /「三つ子の魂百まで」ってほんとう? /メタ分析から /研究からわかること /大人になっても性格は変化しつづけるのか /世代別・性別に性格を比べたアメリカとカナダの研究 /イギリス人とドイツ人の性格を世代別に比べた研究 /日本では

第六章 子どもの性格は親に似るのか 遺伝子の確率的な影響
似ているか、似ていないかという問題 /相関係数に注目 /親子の相関係数は /性格以外では /遺伝の影響を調べるには /多因子形質 /遺伝子が性格に及ぼす影響力とは /遺伝子の確率的な影響は
第七章 性格は遺伝と環境どちらで決まるのか ゲノムワイド関連解析と双生児研究
遺伝優勢か環境優勢か 126/こう思っていませんか /連続的な個人差として /遺伝と環境の影響力をイメージすると /影響力の切り分け /原因の追究は簡単ではない /ゲノムワイド関連解析 /職業経験も影響を及ぼす /双生児研究 /知能指数の双子間相関からわかること /ビッグファイブでは /環境を分解する /影響力の推定値は /家庭環境は性格の形成に不要なのか /不可欠な視点
終 章 血液型から性格を判断できないのはなぜか
「ないこと」は証明できない /性格のある場所 /血液型性格判断という類型論 /血液型と性格の遺伝 /因果関係の連鎖は正しいのか /それでもなお反論したくなる /統計と体験のちがい /どちらかの視点をとる /コミュニケーションの不成立 /どうすればよいのか /良し悪しの判断とは /まじめな性格の良し悪し /ナルシストの良し悪し /良し悪しは変わるもの

あとがき
文  献
事項索引
人名索引

装幀 銀山宏子

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