『〈民主〉と〈愛国〉』

小熊英二さんの待望の新刊。校正刷を1章ずつ借りて読んでいったので、山のような紙の束をよくもこんなにコンパクトにパッケージできるもんだなと、出来あがった本をみて感心してしまいました。1.3キログラムという重さはおそろしいものがありますが。

6300円という値段もあるので、『単一民族神話の起源』『〈日本人〉の境界』のように、じっくり売れてくれれば。そんな予想に反して、かなり好調な売行きで、重版いたしました。12月に入り、書評・紹介も各紙誌に掲載されはじめました。


 本書を読んで、鶴見俊輔さんのものが読みたくなり、文庫を3冊購入、計3500円(税別)。本書のほんとうにおそろしいところは、6300円の出費では終わらないところかもしれません(笑)。2003年2月20日現在4刷10000部。

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(2002.11.10.)


『剣の精神誌』

「復活の陰に古武術あり 古武術・甲野善紀氏…… 桑田真澄(上)」 の記事が朝日新聞土曜版に連載されました。巨人軍桑田真澄投手といえば、今年度プロ野球セリーグの防御率トップに輝き、巨人ファンならずとも、その復活をたたえてしまいます。その投球ホームの改造には、「古武術」が生かされていた、というこのエピソードは、シーズン中にも多くのスポーツ紙にも紹介され、その師である甲野氏の著作の問い合わせが殺到しており、このたび復刊することになりました。11月15日出来次第、出荷いたします。

こうの・よしのり 49年、東京都生まれ。78年、武術稽古研究会を設立し、松聲館道場を開く。他の流儀や異分野と交流しながら、古武術の術理を研究している。著書に『剣の精神誌』(新曜社)など。解剖学者、養老孟司さんとの共著に『自分の頭と体で考える』(PHP文庫)などがある。

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(2002.11.10.)


『<民主>と<愛国>』

朝日新聞広告にて11月1日発売でお知らせいたしました『<民主>と<愛国>』、10月31日に各販売会社に納品いたしました。しかし、トーハン帳合の書店さまより商品未着の問い合わせを多く寄せられ、本日トーハンさまに問い合わせたところ、月末の書籍が多く、まだ倉庫から出荷されておらず、8日には書店さまに到着する予定、とのことです。(九州・北海道は11日) 関連書店さま、読者の方々には、深くお詫び申しあげます。(中山)
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(2002.11.10.)


『マスメディアの周縁、ジャーナリズムの核心』

インターネット上にあふれかえる個人のホームページ。そのほとんどは日記の類で、そんなものわざわざ公開してなにが面白いのだろうか。まあただの日記が数百年後に文学として残ることもありますから、一概に否定はしませんが・・・・・・。
 こんな私の考えを改めたのは、今回紹介いたしました『マスメディアの周縁、ジャーナリズムの核心』の著者林香里氏のエッセイ(2001年9月22日付、朝日新聞家庭面「ひととき」欄)を読んでからです。女性に限定され、女性ゆえの苦労話や喜び、日常生活の発見などを日記風に綴った一般にこうした家庭面がジャーナリズムであるという見方はほとんどなされません。しかし鶴見俊輔氏のことばをひきつつ、こうした日記が、じつは市民の生活に寄り添う、共有財産となるジャーナリズムを実現する可能性があるのだと氏は言います。ジャーナリズムとは市民が毎日つける日記、その記録活動全体の中にジャーナリズムの新しい根を見いだすべきなのだと。

 あやしげな法案が国会で審議されるなか、林氏のいう市民発のジャーナリズムについて考える今日この頃です。(N)
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6月10日発売いたしました本書を、武田 徹氏にご紹介いただきました(「タブロイドについて」)。どうぞご覧下さい。
武田 徹氏のホームページ →
http://162.teacup.com/sinopy/bbs>

(2002.06.10.)


間違いだらけの学習論

完全学校週5日制の下で[生きる力]をはぐくむ新しい学校教育を目指すという目標のもと、2002年4月より新しい学習指導要領が実施されます。授業が減って、子どもを塾にやってお父さんがたの懐が寒くなるのは少々せつない気がします。冗談はさておき、学習指導要領が変わるたびに教科書が薄くなるのは、習う対象が少なければ少ないほどやさしく、繰り返し経験すればするほどできるようになるという考えがそこにあるからだと思われます。この「定説」にたいして、本書『間違いだらけの学習論』(94年5月刊)は、認知心理学、学習論、認識論などの知見や実験をふまえつつ、「教科書は厚いほうがいい」と述べています。どういうことでしょうか。本書に出てくる、こんな例を一つ。

  問 次のものを年代の古い順に並べてください
@ 懇田永年私財法
A 三世一身法
B 荘園の成立
C 班田収授法
 ここで重要なのは「懇田永年私財法」「三世一身法」「荘園の成立」「班田収授法」の年代をやみくもに覚えるということではなく、これらの出来事を「公地公民といった古代土地制度の規制が緩やかになり、徐々に崩れていって荘園制が成立した」という過程の中でのそれぞれの出来事として捉えるということなのだ、と著者は言います。学習材料の量を減らすことよりも、項目間の関係をつける、有意味化することのほうが、学習を効果的に効率的にするうえでずっと大切なことではないかと主張します。「教科書は厚いほうがいい」というのは、この関係づけ、有意味化する情報量をふやすことを示しています。
 子どもに限らず、大人たちもふたたび学びたくなるような学習へのヒントが本書には満ちています。(N)


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