書評ファイルから

小社発行の出版物のうち、各誌書評でお取り上げいただいたものを集めてみました。

書籍をお選びになる際の参考に御覧下さいませ。

また、おとりあげ下さいました評者の先生方、紙誌御担当者さまに深くお礼申しあげます。

2002年12月


イーワルド著『病原体進化論』

進化の視点で
2002/12/15付日本経済新聞、長野 敬氏評

小熊英二著『〈民主〉と〈愛国〉』

「公共性の思想を再発見」
「・・・・・・戦後思想を縦覧した著者は、原論の根底に、言葉にならない信条を発見する。国家が解体した以上は、自己が自己のまま他者と共存する公共性を構想したい。それが「民族」「国民」と呼ばれた。本書は、〈民主〉〈愛国〉をキーワードに、戦後の時代が模索した公共性の思想を再発見したのである」2003年12月22日日本経済新聞、橋爪大三郎氏評。

刮目すべき戦後思想史
「敗戦後の日本人を規定した「戦後思想」とは、いかなるものだったのか。綿密にして体系的、丹念にしてダイナミックにその本質に迫った、思想史分野における近年もっとも刮目すべき作品である。戦後思想における言葉の持つ意味を確認するうえで避けて通れぬ文献になっている。・・・・・・」2002/12/8付讀賣新聞、橋本五郎氏評
讀賣新聞ホームページ → 讀賣新聞・BOOKSTAND

「思想としての「戦後民主主義」の歴史」
「・・・・・・僕と同世代の著者によるこの本は、まさにこの「戦後」、ことに最近評判の悪い「戦後民主主義」の意義を「歴史」として測定し、その多面的な全容を明らかにしようという壮大な試みです。・・・・・・」2003年WINTER号「SIGHT」、稲葉振一郎氏評。

2002年11月


小熊英二著『〈民主〉と〈愛国〉』

井上ひさしの読書眼鏡
不毛な言葉争いに終止符
「・・・・・・なによりも面白いのは、全編の各所にちりばめられた、戦後思想を牽引した人たち(丸山眞男、竹内好、吉本隆明、江藤淳、鶴見俊輔、小田実)の小さな伝記群です。これらの人たちの小伝を拾い読みするだけでも充分にモトがとれます。さらに牽引者たちの伝記が、じつは同じ世代の何百万人もの人たちの伝記としても通用する仕掛けは、見事な工夫でした。「世代論は不毛」というのが常識ですが、しかしわたしたちのだれもが時代の子である以上、世代論でしか解けない問題もあるはず。著者はそう覚悟を決めて、<戦争の記憶からの距離>を基に新しい世代論を展開しています。そこから見えてくるのは、・・・・・・」2002/11/24讀賣新聞、井上ひさし氏評

小熊英二著『<日本人>の境界』

本屋さんに行こう
建築家 磯崎 新氏
「・・・・・・最後は、日本人とは何かを歴史的に考察した『<日本人>の境界』。日本の歴史的建築と文芸を評論家の福田和也氏と論じた対談「空間の行間」(「論座」連載)を、単行本にする佐合の資料だ。「この著者の前著『単一民族神話の起源』は面白かった。今度も期待できるかな」・・・・・・」2002/11/3朝日新聞掲載

小熊英二著『<民主>と<愛国>』

本屋の本ネ
「・・・・・先に進むのが楽しみでもあり、もったいない気もするという意味では、たとえが適切でないことを承知で言うと京極夏彦の「妖怪シリーズ」に匹敵する。・・・・・・お薦めします。」2002/11/22東京新聞夕刊掲載

2002年10月


ダニエル・ネトル、スザンヌ・ロメイン著『消えゆく言語たち』

本屋さんに行こう
美術作家 やなぎ みわさん
「・・・・・・やなぎさんは、高齢の女性に自分の祖母の記憶を語ってもらう「Granddaughiters」という映像作品を制作したことがある。その経験から、「個人が死ぬとその人が持っていた世界が失われる」ことと「言語の消滅と世界の喪失」を重ね合わせてみたいという。・・・・・・」2002/10/20朝日新聞

先日購入した雑誌にやなぎみわさんのインタヴューが掲載されていました。エレベーターガールシリーズからプロジェクト「My Grndmothers」へとつながる、作家の源流を短いながらも伝えてくれます。
雑誌「Stage」→ http://homepage2.nifty.com/stage/
開催中の個展「My Grndmothers」はKPOキリンプラザ大阪にて、11月2日まで開催中。(N)

2002年9月


林 香里著『マスメディアの周縁、ジャーナリズムの核心』

著者自薦
「公共性」を問い直す
「本書では、日本の新聞の「家庭面」、ドイツの新聞『タッツ』、「パブリック・ジャーナリズム」運動を推進する米国の中小地方紙を扱った。それらは、「個人的」「日常的」かつ「ささやかなこと」と見なされてきた問題について積極的に取り上げている。・・・・・・私はこれらの周縁的ジャーナリズムの事例が、実は「公共性」の意義を追求することで現代の民主主義を支え、ジャーナリズム精神の核心を秘めていることを理論的に明らかにしようと試みた。地道な努力に本書からささやかなエールを送ることができれば、と願っている」「週刊金曜日」2002/9/13号掲載


2002年7月


グロデック&野間俊一 著『エスとの対話』

「松岡正剛の千夜千冊」第582夜
グロデック再評価
「グロデックについての関心をいっこうにもたない日本で、やっと本格的グロデック批評の書物があらわれたので、書店で目にしてすぐに入手した・・・・・・」

→「松岡正剛の千夜千冊」ホームページ

2002年6月


藤澤伸介著『ごまかし勉強』

2002年6月21日付・日本教育新聞
安易な教材やテストに警鐘
「・・・・・・現実には安易な教材やテストが学校にも塾にも広まり、「ごまかし勉強生成システム」ができあがってしまっている。それをどう脱却するかの提言に耳を傾けたい方はぜひ一読されたい。学力論争にも一石を投じるものになるはずだ」(市川伸一氏評)

藤澤伸介著『ごまかし勉強』

東京新聞2002年6月3日夕刊、藤澤氏のエッセイ
学校週5日制に寄せて------『ごまかし勉強』横行
「・・・・・・例えば、70年代までの中学生は自分で参考書を選び、詳しい解説で内容を理解し、試験前は自分で暗記項目を抜き出して覚えるという、主体的な学習をしていました。ところが、80年代になると教科書準拠の宅配教材が普及し、学習方針を自分で考えなくても済むようになってきます。参考書も、出題個所を教えたり暗記材料を提供するような即効薬タイプが中心になり、手抜きが進行します。つまり、学校の授業での動機づけに基づき、学習内容を家庭で発展、深化させ、さらに記憶に定着させるという正当派の学習は、もはや少数派になり、試験が終われば何も残らない「ごまかし勉強」が今は主流なのです・・・・・・簡単に上位の成績が取れても意味が分かっていなければすぐに忘れてしまい、身につかないので、実は学ぶ喜びを味わうことができません。かくして学力が低下します。しかし、世間の関心は、もっぱらテストの得点や学習時間といった学習の量的側面に向けられていて、このような学習の質的低下現象はあまり気づかれていないのです・・・・・・」

2002年5月


山口節郎著『現代社会のゆらぎとリスク』

讀賣新聞2002年5月26日付
社会批判的な観点から犀利に分析されたリスク論
「・・・・・・自然災害だけでなく、人工的な技術的破局の可能性を抱えた社会で、彼は一般人の危険意識を蔑ろにしない専門家養成に向けての提言をきちんとしようとする。好感が持てる」(評者 金森 修氏)

2002年4月


山田広昭著『三点確保』

「週刊朝日」2002年5月3日-10日号
ヴァレリーの考察から得た第三の視座 ロマン主義が生んだ近代ナショナリズム
「・・・・・・本書で提起された問題はきわめて多岐にわたるが、ロマン主義こそが近代のナショナリズムを生んだ、という分析のあざやかさがとくに印象的であった」(評者 松本健一氏)

→山田広昭氏エッセイ

2002年2月


ジェイスン・エプスタイン著『出版、わが天職』

「論座」2002年3月号
素晴らしい速さで翻訳刊行された出版人必読の書
「・・・・・・実際、一読したら、その熱意が伝わってくるアクチュアルな作品だった・・・・・・」と、坪内祐三氏の「雑読系」にておとりあげいただきました。

2002年1月


飯島吉晴著『一つ目小僧と瓢箪』

1月20日付・朝日新聞
失われた民俗・伝承の意味探る
「・・・・・・この国の現在を見つめ直していくうえでも、志賀直哉が「清兵衛と瓢箪」で描いているが、人間を生みだす卵や宇宙に見立てられる瓢箪を清兵衛が丹精を込めて磨いたように、フォークロアの世界にゆとりを持ってゆったりと浸ってみることが求められよう」(川村邦光氏・評)。
朝日新聞社ホームページ・BOOK


ジェイスン・エプスタイン著『出版、わが天職』

1月13日付・朝日新聞
絶望ひっくり返す不適な73歳
「本の文化が崩れかけている。でも、それを支えなおす力は、もうわれわれの出版産業にはない。1年まえ、アメリカ出版界の長老エプスタインが痛恨の思いをこめてそう断じて、大きな反響をよんだ。その日本語版。翻訳の速さに日本の出版人のあせりが反映している。・・・・・・」(津野海太郎氏・評)。
朝日新聞社ホームページ・BOOK


山田広昭著『三点確保』

2002年2月号「現代詩手帳」
ロマン派、宣長、ヴァレリー
「・・・・・・ヴァレリーとマラルメ。フランスのサンボリスムを代表とする著者の視点は、彼らの文学「作品」に内在する研究オタクのそれではなく、ヨーロッパ論として鋭いのである・・・・・・」(陣野俊史氏・評)。

     

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