これから出る本

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発達科学ハンドブック シリーズ(日本発達心理学会 編)



◆シリーズの構成◆

いまや発達心理学は、隣接の学問分野から影響を受けつつその領域を広げ、発達的視点を中核においた「発達科学」として発展しつつある。1989年の発達心理学会発足以降およそ20年間の研究の動向を展望し、今後の新たな研究への足がかりとなるシリーズを目指します。読者対象は卒論執筆者から大学院生、研究者、専門的実践家まで。

第1巻:発達心理学と隣接領域の理論・方法論 書影 第2巻:研究法と尺度 書影 第3巻:時間と人間 書影 第4巻:発達の基盤:身体、認知、情動 書影 第5巻:社会・文化に生きる人間 書影 第6巻:発達と支援 書影 災害・危機と人間 書影 脳の発達科学 書影

*「発達科学ハンドブック」の概要(A5判上製・各巻約300〜400頁)

田島信元・南 徹弘 編
第1巻:発達心理学と隣接領域の理論・方法論

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発達心理学の歴史的変遷、理論的基盤と方法論の潮流をたどり、進化心理学・文化人類学・社会学などさまざまな隣接領域の特徴と、発達心理学にもたらした影響を概括・展望する。



岩立志津夫・西野泰広 編
第2巻:研究法と尺度

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実験、観察、質問紙、面接といった研究法の基本と実例を詳述し、統計法や研究パラダイムなど多様な切り口から研究法にアプローチする。論文の書き方、発達指標など資料編も充実。



子安増生・白井利明 編
第3巻:時間と人間

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発達研究では「時間とともに何が変わるか」をテーマとしてきたが、本書では、発達期による時間認識、物理的時間と心理的時間の違い、社会的時間と個人的時間が与え合う影響、時間的展望の発達など、時間という観点から発達をとらえ、時間と人間について幅広く考える。



根ヶ山光一・仲真紀子 編
第4巻:発達の基盤:身体、認知、情動

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発達の基盤となるものとは? 脳科学や生命科学をはじめとする各領域の先端的知見を紹介し、生物学的、認知的、情動的側面から、近未来のあるべき発達心理学のゆくえを示唆する。



氏家達夫・遠藤利彦 編
第5巻:社会・文化に生きる人間

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発達が起こる場としての「社会・文化」と、それ自体が発達するものとしての「社会・文化」。大きくこの二つの視点から、社会と文化の中に生きる人間の発達のかたちを描き出す。



無藤 隆・長崎 勤 編
第6巻:発達と支援

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現場のニーズに応えるには、教育・臨床心理学、発達臨床・障害科学、保育・教育学など学際的な知識が欠かせない。研究と実践の相互関係を視野に入れた発達支援のあり方を論じる。


矢守克也・前川あさ美 編
第7巻:災害・危機と人間

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自然災害、汚染物質、戦争、虐待といった危機的状況が、個人、家族、社会・文化に与える影響を発達科学の観点から検証し理論・方法論と実践的視点から災害社会を生き抜く道を探る。


榊原洋一・米田英嗣 編
第8巻:脳の発達科学

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脳機能イメージングなどの手法の進歩は、発達研究をどう変えたのか?発達脳科学の基礎・方法論から、知覚・言語・記憶・臨床・発達障害など各分野の第一線の科学者による最先端の研究成果まで。




『発達科学ハンドブック』発刊にあたって

 日本発達心理学会は発足以来,すでに20年以上を経て,会員数も当初の400名台から約10倍の4,200名台に至るまでになりました。会員も当初の研究者中心であったのが,有能な実践家,臨床家の方々の参加も得て,その研究活動も基礎研究から実践研究まで大きく展望を広げてきたところです。今や学会員は研究・実践において社会的責務も大いに高まってきているのが現状であります。

 それだけに,それらの諸研究を遂行するうえで基盤となる諸理論の吟味,あるいは先行諸研究の概念化を行うことの重要性がますます求められていると同時に,広範になってきた諸領域の展望を行うことの難しさも痛感されるところであります。

 そこで,学会としては2007年に理事長諮問の検討会(後に,出版企画委員会に昇格)を設けて,学会員に寄与し得る発達心理学研究の展望をどう行えばよいか吟味を重ねてきました。その結果,1989年の学会発足の記念として多数の有志で編纂した福村出版刊『発達心理学ハンドブック』を基盤に,それ以降のおよそ20年間における発達心理学研究の動向を中心に展望すること,しかし,単に情報の追加をするのではなく,この間の発達心理学研究の発展を反映した新たな発想を提起すべく,『発達科学ハンドブック』として,新構想のもとに新たに編纂し直すことになりました。

 新名称に込められた意図には,学会設立の大きな要因ともなった隣接諸領域との積極的交流を通しての「発達学」構築への気運と模索が,この20年において世界的展開を見せ始め,「発達科学」として統合化され始めているということがあります(第1巻序章参照)。当学会としても,発達心理学を「発達科学」の重要な位置を占めるものとしてその方向性を明示していくことで総合科学である「発達科学」への貢献を目指していきたいとの願いを本書の新構想に込めており,それが以下のような本ハンドブックの構成の特徴となって現れています。

(1)本ハンドブックを,当学会が責任をもって編集にあたることで,日本および世界の発達心理学,発達科学領域の研究と実践の動向を展望するだけでなく,新たな動向を創造していくことを目指した経常的な学会活動へと転化させる媒体として位置づける。

(2)上記の意図を実行に移すために,本ハンドブックは複数巻で構成することとし,総論の2巻を頭に据えて,3巻以降は進化し続ける米国のHandbook of Child Psychology(Wiley刊)のようなテーマ領域ごとに展望する巻として,今後の研究動向の進展に基づき随時追加していくことができる構成とした。

   具体的には,総論の2巻においては,〈理論・方法論概説〉(第1巻)と〈研究法概説〉(第2巻)から成っており,発達心理学および発達心理学に影響を及ぼした隣接諸領域の理論的,方法論的基盤をもとに発達科学への道筋について概説を行うことに焦点を絞った。

   3巻以降のテーマ領域ごとの展望巻では,今回は比較的広範なテーマを扱う4領域を選択,〈発達研究における時間の扱い方〉(第3巻),〈発達の認知的,情動的,生物学的(生命科学的,脳科学的)側面〉(第4巻),〈発達の社会・文化的側面〉(第5巻),〈発達を支援する発達臨床・障害科学論,保育・教育論〉(第6巻)から構成されている。

(3)今後はおよそ10年ごとに既存巻の構成・内容を改訂していくとともに,経常的に新企画巻を追加していくことで,定期的展望を意欲的に進めることとする。

(4)さらに,本ハンドブックの内容から,詳細な展開が必要と思われるジャンルについて単行本発刊を企画・提案していく。

(5)そのため,毎年の年次大会において出版企画委員会主催の展望シンポジウムを企画したり,機関誌『発達心理学研究』の特集テーマを機関誌編集委員会と共同提案しながら,各ジャンルについての経常的な研究動向の展望を通して,それらを10年ごとの改訂,あるいは適当な時期に新領域についてハンドブック化していくといった方法論をとっていく。

2011年2月吉日
日本発達心理学会
       
日本発達心理学会出版企画委員会
 


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