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A5判並製220頁

定価:本体1900円+税

発売日 2018年9月14日

ISBN 978-4-7885-1592-5





小川博司・樫田美雄・栗田宣義・好井裕明・三浦耕吉郎 編

新社会学研究 2018年 第3号
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社会学的思考の実験と実践!

 着々と存在感を増す社会学学術誌が今年も新たな切り口に挑みます。特集「ファン文化の社会学」では、Kポップの製作サイドとファン、男性アイドルグループの「同担拒否」研究史、さらに2・5次元ミュージカルのファン研究の3論考を所収。公募特集は「今、地域を考える」がテーマ。強制撤去させられるインフォーマル居住者の実践。「社会に包摂される芸術」モデルへ移行するアートプロジェクト。炭鉱閉山後の地域とその後始末に関わった人々の生の変動。難病と共に生きる人にとっての資源としての地域。それぞれの「地域の生」を視る査読論文4篇に加え、映画・看取り・査読・ファッション・ビデオ調査等の連載など、新たな社会学を希求する実践が満載です。


新社会学研究 2018年 第3号 目次

新社会学研究 2018年 第3号 編集後記

ためし読み



◆関連本
新社会学研究 2016年 1号
新社会学研究 2017年 2号


新社会学研究 2018年 第3号 目次

巻頭エッセイ 社会学的に考えることの実践としての『新社会学研究』
─社会学的思考を促す仕組みとしての公募特集とその査読  樫田美雄

特集
ファン文化の社会学
特集 ファン文化の社会学によせて  小川博司
送り手とファンの相互作用
─K−POPの女性ファン文化  吉光正絵
「同担拒否」再考
─アイドルとファンの関係、ファン・コミュニティ  辻泉
2・5次元ミュージカルのファン  田中東子

読者の声 『現代社会学』等と『新社会学研究』
─新雑誌の意義の確認と将来展望  宮本孝二

連載
くまじろーのシネマ社会学③ 『沖縄決戦』からみえてくるもの  好井裕明
極私的社会学②
グループホームで父を看取る(2)
─介護スタッフの実践から見えてくる〈本人の意思〉  三浦耕吉郎
論文投稿と査読のホントのところ③
学会をブランディングするための装置としての論文査読システム  査読ア太郎
ネコタロウに聞け!  社会学者スーパースター列伝④
テンニエス  栗田宣義

公募特集
今、地域を考える
公募特集によせて  好井裕明
うわさと「疑いの世界」
─マニラにおけるインフォーマル居住者の強制撤去と展開過程  石岡丈昇
社会と関わる芸術にとっての地域
─対立から包摂へ  髙橋かおり
炭鉱の閉山を巡って交錯するリアリティ
─「後始末」に携わった人々の半生から  坂田勝彦
住むことも住まないことも資源にする
─未確定希少難病患者の移住に関する一事例研究  上野彩

連載
ネコタロウに聞け! 社会学者スーパースター列伝⑤
リプセット  栗田宣義
ビデオで調査をする方法③
ビデオで調査をして当事者研究的社会学調査を行おう  樫田美雄
ファッション&パッション③  ファッション系統とその性格  栗田宣義
同人書評
ネコタロウに聞け! 異書・外伝篇③  AIの叛乱ならぬ氾濫  栗田宣義

読者の声 (気が早い)アーカイブ化への期待  井口高志
〈生きる力〉を支える社会学  松浦智恵美

編集後記

  装幀=新曜社デザイン室


新社会学研究 2018年 第3号 編集後記

 第3号も無事刊行できました。「ファン文化の社会学」、公募特集「いま、地域を考える」で優れた興味深い論考を掲載しています。まずはご協力いただいた執筆者の方々、ありがとうございました。

 「3号雑誌」という言葉があります。「3号まで出したが、それ以上続かなかった雑誌」のことです。多様な理念を実現しようと、これまで多くの雑誌が刊行されてきましたが、諸般の事情により中断せざるを得なくなったものも少なくありません。「3号雑誌」にはしたくない。そうした思いを胸に、2号しか出ていない段階でしたが、私たちは昨年冬、今年初夏に関西と関東で合評会を開きました。雑誌を読まれている人々がどのような印象を持ち、いかなる批判を抱き、またどのような期待をお持ちだろうか。率直な意見を聞きたいし、それを手がかりとしてさらに充実した『新社会学研究』を出していきたい。もちろん本誌をすこしでも多くの人々に知ってもらいたいし、宣伝になればなおさらです。私たちは、このような思いで不安と期待を抱きながら、合評会に臨みました。会では、コメントを快諾していただいた先生方から厳しい批評や批判、そのうえでの雑誌への期待、要望などをいただき会の参加者は決して多くなかったのですが、私たちにとって、この雑誌の今後を考えるうえで、生産的な時間を過ごすことができ、ありがたいかぎりでした。関西合評会のコメントやそれをもとにした論考が本号に掲載されています。関東合評会については次号に掲載予定です。

 本誌は、同人たちの巻頭リレーエッセーや連載など「自分たちが好きに社会学を遊びたい」という思いに満ちた部分はありますが、基本は、企画特集にせよ、公募特集にせよ、この雑誌に興味を持たれ「おもしろい」と感じた多くの社会学研究者の論考執筆や公募エントリーという「外からの協力」「外からの支援」で成り立っています。いま5号までの特集企画や公募は決まり、鋭意、4号、5号も編集中です。その後、各号の公募に与えていたゆるやかなテーマをはずし完全公募にするのか、特集企画を担当できる「特集企画同人」をどのように募ることができるのか、もちろん、私たち以外で新たな同人をどのようにリクルートできるのか、等々。私たちは、さらに本誌に「生命力」を吹き込む努力を続け、『新社会学研究』の歴史を作っていきたいと思っています。

小川博司 樫田美雄 栗田宣義 好井裕明 三浦耕吉郎