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ニール・J・サルキンド 著
畑中美穂 訳

心理学研究法のキホンQ&A 100
――いまさら聞けない疑問に答える


A5判並製168頁

定価:本体1800円+税

発売日 17.5.25

ISBN 978-4-7885-1524-6





◆意外になかった超初心者のための入門書
 「仮説って?」「統計的有意性ってどういうこと?」「目的に合った研究法はどれ?」。心理学研究のスタートラインに立つ多くの人が必ずと言っていいほど疑問に思ったりつまずいたりする、研究法の基本的で重要な考え方と用語を一問一答形式で解説した、コンパクトな入門書です。疑問は9つのセクションに整理されて1〜2頁に簡潔にまとめられているため、読みたい箇所が探しやすく、どこからでも読み始められます。レポートを書く、卒論に取り組む、学位取得をめざす人だけでなく、初心者にどうわかりやすく教えたらよいか悩んでいる教師にも必携です!

心理学研究法のキホンQ&A 100 目次

心理学研究法のキホンQ&A 100 はじめに

ためし読み

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心理学研究法のキホンQ&A 100 目次
はじめに
謝 辞

▼パート1 研究プロセスの理解と研究の開始
質問1研究はなぜ必要なのですか? また,その利点は何ですか?
質問2一般的に,どのような過程を経て研究トピックが決定されますか? また,経験豊富な研究者でなければ,興味深いトピックを選定することはできないのですか?
質問3「科学的方法」とは何ですか? また,それをどのように自分の研究に応用できますか?
質問4利用できる研究モデルにはさまざまな種類がありますが,それらの全体的な概要と相違点について教えてください。
質問5私の目的に最適な研究モデルは何ですか?
質問6基礎研究と応用研究との違いは何ですか?
質問7質的研究とは何ですか? いくつかの例を教えて下さい。
質問8仮説とは何ですか? また,それらは科学的方法にどのように組み込まれているのですか?
質問9良い研究仮説とはどのようなものですか?
質問10良い研究であることを確認する1つの基準として,その研究が公刊されている学術雑誌の評価を調べることがありますが,それ以外に,何か見るべき事柄がありますか?
質問11新聞や専門的な雑誌,そして指導教員からも,さまざまな研究について見聞きする機会が多々あります。私は何を信じればよいですか? また,研究結果が有用かどうかについて,どのように判断すればよいですか?
質問12インターネット上で情報を見つけるための最も良い方法にはどのようなものがありますか? また,最も良い場所はどこですか?
質問13ソーシャル・メディアは,研究者と消費者という両方の立場で利用するにあたり,どのように役立つのですか?

▼パート2 レビュー(先行研究の概観)とリサーチクエスチョンの設定
質問14文献のレビューとは何ですか? また,それはなぜ重要なのですか?
質問15文献レビューは,私が設定するリサーチクエスチョンや仮説に,どのような影響を与えますか?
質問16文献レビューがいつ完了したのか,どうすれば分かりますか? 切りがないのではありませんか?
質問173つの主要な情報源とは何ですか? また,それぞれは,文献レビューの作成においてどのような役割を果たしますか?
質問18文献レビューを執筆する際には,どのように進めるべきですか?
質問19利用可能な最も良い電子資料には,どのようなものがありますか? また,それらの使い方はどうすれば分かりますか?

▼パート3 研究倫理に関する基礎知識
質問20倫理にかなった研究を実施するための原則として,一般的かつ重要なことは何ですか?
質問21インフォームド・コンセントとは何ですか? また,どのようなものから構成されていますか?
質問22子どもや特別な母集団を対象とする際に,特に注意を払うべき倫理的問題にはどのようなものがありますか? また,親や法定後見人に知らせるべきことは,どのようなことですか?
質問23最も深刻な倫理的問題の実例として,どのようなものがありますか?
質問24研究倫理委員会(IRB)とは何ですか? また,それはどのように機能しますか?
質問25研究倫理委員会の審査申請書の中で,重要な要素は何ですか?

▼パート4 研究法─専門用語を知り,考え方を知る
質問26ここに取り上げられている研究法に関する質問と答えは,一体,どのように私に関係するのですか?
質問27研究したいアイディアが非常に多くあります。どれが最も良いかをどのように決定すればよいですか?
質問28研究活動を始める際に,1つの小さく限定されたトピックに焦点を当てるのがよいですか? それとも,望みを高くして幅広い一般的なものに目を向ける方がよいですか? また,図書館が研究活動を始めるためにすばらしい場所であることは知っていますが,実際にキャンパスの施設に足を運ばなければいけませんか? あるいは,オンラインで遠隔アクセスをするのでもよいですか?
質問29帰無仮説とは何ですか? また,なぜそれが重要なのですか?
質問30研究仮説とは何ですか? また,どんな種類がありますか?
質問31帰無仮説と研究仮説は,どのような点が類似しており,どのような点が異なるのですか?
質問32どのようにしたら良い研究仮説を作ることができますか?
質問33研究法の「至適基準」とは何ですか?
質問34どの方法がどのタイプの問いに適しているか,分かりやすく説明してもらえますか?
質問35変数の種類にはどのようなものがありますか? また,それらは何に用いられますか?
質問36独立変数とは何ですか? また,それは,研究の過程においてどのように用いられますか?
質問37従属変数とは何ですか? また,従属変数の選択や使用の際に,研究者が注意すべきことは,どのようなことですか?
質問38独立変数と従属変数との間の関係性は,どのようなものですか?
質問39実験ではどうして統制群や実験群という概念が,科学的方法だといえるのですか?

▼パート5 標本抽出の考え方と問題点
質問40標本と母集団の違いは何ですか? また,なぜ標本は重要なのですか?
質問41標本抽出は何のためにするのですか? また,その過程ではどのような失敗が起こり得ますか?
質問42標本誤差とは何ですか,また,それはなぜ重要なのですか?
質問43標本抽出の種類にはどのようなものがありますか?
質問44無作為抽出とは何ですか,また,なぜそれほど有用なのですか?
質問45層化無作為抽出法はどのように役立ちますか? また,いつ使うべきですか?
質問46研究の一部となる研究参加者の標本が,より大きな集団(研究結果が重要であろう人々)を正確に代表していることをどうすれば確信できますか?
質問47標本サイズの重要性について,いろいろ聞いたことがあります。それは一体どのような意味があるのですか?
質問48標本の大きさはどの程度であれば十分ですか?
質問49標本の大きさはどのくらい重要なのですか?

▼パート6 記述的方法を用いたデータの表し方
質問50記述統計とは何ですか? また,どのように使われますか?
質問51代表値とは何ですか,また,それらはどのように算出されますか?
質問52代表値として平均値,中央値,最頻値のいずれを使うべきか,どのように決めればよいですか?
質問53最も頻繁に利用される散布度は何ですか? また,それらはどのように算出されますか?
質問54データの分布を記述するために,平均値と標準偏差をどのように使うのですか?
質問55正規曲線とは何ですか,また,その特徴は何ですか?
質問56得点分布が正規分布(ベルカーブ)でない場合,推測の基礎となっている考えを適用可能ですか?
質問57分布が歪んでいる場合,どのようなことを意味するのですか?
質問58データを記述する視覚的な方法を探しています。どんな選択肢がありますか?
質問59標準得点とは何ですか,また,それはなぜ重要なのですか?
質問60より一般的な標準得点にはどのようなものがありますか? また,それらはどのように使われますか?

▼パート7 検査と測定に関する問題
質問61測定したい特定の結果がありますが,既存の測度があるかどうか,どこで調べたらいいのか分かりません。どのような従属変数を使うべきかについて,手がかりをどこで得られますか?
質問62測定の水準の違いとは何ですか? また,それらはどのように利用されますか?
質問63信頼性とは何ですか?
質問64信頼性の種類にはどのようなものがありますか? また,いつそれらは使われますか?
質問65信頼性係数はどのように解釈されますか?
質問66妥当性の種類にはどのようなものがありますか? また,それらはいつ使われますか?
質問67基準関連妥当性とは何ですか? また,同時的妥当性と予測的妥当性という2種類の基準関連妥当性はどのように異なりますか?
質問68集団基準準拠テストと目標基準準拠テストとの違いは何ですか?
質問69構成概念妥当性とは何ですか? また,なぜそれは,心理検査の妥当性を確認するために特に適しているのですか?
質問70さまざまな種類の妥当性は,どのように確認されますか?
質問71信頼性と妥当性は,どのように関連し合っているのですか?
質問72ある検査が信頼性と妥当性を有しているかどうか,どのように調べることができますか?
質問73検査の種類にはどのようなものがありますか? また,それらはどのように使用されますか?
質問74態度を測定する場合,リッカート尺度とサーストン尺度の違いは何ですか?
質問75項目分析とは何ですか? また,学力検査を評価する際に,それはどのように用いられますか?
質問76パーセンタイル,あるいはパーセンタイル順位とは何ですか?
質問77適応型テストとは何ですか?
質問78フェア・テスト・ムーブメントとは何ですか? また,その基本的な目標は何ですか?
質問79検査が多数収録されており,そこから選ぶことができるような資料はどこで見つけられますか? また,どのように選べばよいですか?

▼パート8 さまざまな研究法の理解
質問80実験計画とは何ですか? また,主な実験計画の種類は,それぞれどのように異なりますか?
質問81単一事例研究とは何ですか? また,この計画を用いる際の長所と短所は何ですか?
質問82相関研究がどのようなものかは知っていますが,いつ,そして,どのように用いられますか?
質問83相関は2変数間の関連を表す,ということを知っていますが,それをどのように解釈すればよいですか?
質問84準実験計画の例にはどのようなものがありますか? また,どのような時にそれを用いるのが適切ですか?
質問85内的妥当性とは何ですか? また,なぜそれは実験計画において重要なのですか?
質問86外的妥当性とは何ですか? また,なぜそれは実験計画において重要なのですか?
質問87内的妥当性と外的妥当性の間の矛盾とはどのようなものですか?

▼パート9 推測と有意性に関する問題
質問88統計的有意性とは何ですか? また,なぜ重要なのですか?
質問89研究プロセスの中で考慮すべき過誤(エラー)には,どのような種類がありますか?
質問90研究報告では,p = .042, df(22)といった記載をよく見ます。それらは何を意味しますか?
質問91SPSSのような統計プログラムでは,有意水準はどのように表示されますか?
質問92検定力とは何ですか,また,それはなぜ重要なのですか?
質問93一般的な統計的検定にはどのようなものがありますか? また,それらはいつ用いられますか?
質問94回帰分析とは何ですか? また,それはどのように用いられますか?
質問95パラメトリック検定とノンパラメトリック検定の違いは何ですか?
質問96学術論文の中で使用されている“統計的に有意”という用語を,頻繁に目にします。それは何ですか? また,それはなぜ重要なのですか?
質問97結果が統計的に有意かどうか,どのように分かりますか?
質問98効果量とは何ですか?
質問99統計的有意性と有意味性の違いは何ですか?
質問100なぜ .01と .05という値が,通常,統計的有意性の慣習的水準として用いられるのですか?


訳者あとがき
索 引

装幀=新曜社デザイン室


心理学研究法のキホンQ&A 100 はじめに

 ますますデータの重要性が増しているこの世の中において,専門家だけでなく学生も,研究のプロセス,すなわち,最初に問題を設定し,データの分析・解釈をして最終的にレポートにまとめる過程と,その間に行われる全ての事柄について,理解を深めることがこれまでになく重要となっている。
 本書『心理学研究法のキホンQ&A 100』は,研究を進める中で,研究法に関して誰もが疑問に思うであろう最も重要な質問を整理して取り上げ,回答を示すことを目的としている。
 本書を書いたのは,私自身,長年教育に携わる中で,多くの学生のみならず専門家も,どのようなトピックに焦点を定める必要があるのか,詳しい情報をどこで見つけたらよいのかについて,正しく案内してくれる簡潔な概説や本を必要としていることに気づいたからである。  本書は,研究法の重要なトピックについて復習を必要としている人や,この領域の完全な初学者で,何が重要な問題なのかについて参照できる資料が必要な人に向けて書かれた小さな本である。『心理学研究法のキホンQ&A 100』について,以前に学んだことを思い出す手がかりや,知識を深めるための情報源として考えていただきたい。本書は,学位取得に向けて総合的な試験の準備をしている大学院生や,手軽な参考書が必要な研究者,関連分野を学びながらも研究法の初級コースを履修していない大学生,それから,研究法のツールを最も効果的に使うにはどうしたらよいかに関心がある全ての人々のための本である。
 本書を使うコツをいくつか・・・

1. 質問は,以下のように9つに分けられている
  パート1 研究プロセスの理解と研究の開始
  パート2 レビュー(先行研究の概観)とリサーチクエスチョンの設定
  パート3 研究倫理に関する基礎知識
  パート4 研究法─専門用語を知り,考え方を知る
  パート5 標本抽出の考え方と問題点
  パート6 記述的方法を用いたデータの表し方
  パート7 検査と測定に関する問題
  パート8 さまざまな研究法の理解
  パート9 推測と有意性に関する問題

2. これらの質問と回答は,それぞれ独立に読むこともでき,各頁では率直な質問と比較的短い回答が記載されている。それぞれの質問に対して非常に長く回答することもできるが,本書の目下の目的は,読者が次の質問やトピックに進む前にある程度の知識を得られるよう,手短に,必要な情報を示すことである。

3. これらの質問と回答は,全てが互いに無関連というわけではなく,大半は補完し合っている。これにより,重要な内容について記述が強化されるとともに,参照したトピックだけでなく関連トピックの検討も確実にできるようになっている。

4. それぞれの質問の最後には,参照事項として,当該質問に関連する他の質問が3つ記載されている。これらは今読んでいる質問と答えを最もよく補完すると私が考える3項目である。もちろん,他にも多くの関連項目はある。