坂口安吾の未来

危機の時代と文学

著者 宮澤 隆義
ジャンル 文学・エッセイ
出版年月日 2015/02/20
ISBN 9784788514201
判型・ページ数 4-6・288ページ
定価 3,520円(本体3,200円+税)
在庫 在庫あり
戦後,学生運動,冷戦終結,そして今日……。危機の時代に繰り返し甦り,読み直されてきた安吾の文学。常に危機的な状況で,自らの「生きる術」を書き付けてきた彼は,自明なものが消え失せ,不透明な未来を抱える現代の私たちに何を伝えるのか?

◆書評
2015年3月25日、日本経済新聞、陣野俊史氏評
坂口安吾の未来――目次
序章 危機の時代と文学
 一 「堕落」について
 二 逆説と矛盾
 三 変化と個体化

第一章 ファルスの詩学──坂口安吾と「観念」の問題
 一 何が「観念」と呼ばれるのか?
 二 意味と行為
 三 「純粋な言葉」と「実在」
 四 ファルスという経験
 五 変容への意志

第二章 ファルスは証言する──「風博士」論
 一 事件の構造
 二 ファルスは証言する
 三 「可能の世界」が示すもの
 四 「目撃者」の使命
 五 接続される言葉

第三章 坂口安吾と「新らしい人間」論
 一 一九三〇年代の坂口安吾
 二 坂口安吾とソビエト──「新らしき性格・感情」
 三 「環境」という問題圏
 四 「理知」と「動物」──『吹雪物語』
 五 転回──「ラムネ氏のこと」

第四章 「バラック」と共同性──「日本文化私観」論
 一 「バラック」という原理
 二 「模倣」と「発見」と
 三 「独自性」と共同性

第五章 情報戦と「真珠」
 一 日付と情報
 二 長距離飛行の果てに
 三 「本末?倒」な歩み
 四 真珠の粉

第六章 空襲と民主主義──「白痴」論
 一 「露路」と「掟」
 二 空襲下における生
 三 「火」と「太陽の光」
 四 民主主義と主体化

第七章 「思考の地盤」を掘ること──「土の中からの話」
 一 坂口安吾と「土地」
 二 中世と農地改革
 三 「土地」の不気味さ
 四 「思考の地盤」としての「土地」

第八章 暴力と言葉──「ジロリの女」をめぐって
 一 「ジロリ」の眼差し
 二 「金銭」について
 三 「家」と「秘密」
 四 暴力と言葉

第九章 法と構想力──「桜の森の満開の下」論
 一 法の宙吊りのなかで
 二 「市」と「魔術」
 三 「無限」のネットワーク
 四 切断と「桜」
 五 小説と「蛇足」

第十章 「トリック」の存在論──「不連続殺人事件」とその周辺
 一 民主主義と統治
 二 「推理」という行為
 三 「トリック」の存在論

終章 来たるべき文学
 一 個体化と主体化
 二 実存主義/主体性論争
 三 新たなはじまりへ向けて


後書き
初出一覧
索引

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