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鈴木常元ほか 編

心理学
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A5判並製約240頁

定価:本体2400円+税

発売日 14.4.10

ISBN 978-4-7885-1381-5




◆教養のための基礎心理学◆

駒澤大学で教鞭をとる心理学教師が協力して、各学部学生への一般教養としての心理学の講義の経験を踏まえて新たに作成した心理学テキスト。学生の興味のあり方に配慮しつつ、基礎的な知識として踏まえるべき内容を精選し、心理学の歴史的背景、生理学的な基礎、情動、学習知覚、発達、社会、パーソナリティから、臨床まで、必要十分な知識を解説しました。2色刷でさわやかな仕上がりです。各種資格試験の参考書としても好適です。

心理学 目次

心理学 まえがき

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心理学 目次

まえがき
  
1章 心理学の定義と歴史
 1節 心理学とは
  1-1 心の学問
  1-2 「こころ」とは何か
  1-3 「こころ」の探究
  1-4 科学としての心理学
 2節 心理学の歴史
  2-1 心理学の誕生の背景
  2-2 心理学の独立と19世紀末期の心理学
  2-3 20世紀の心理学と新しい心理学

2章 神経系
 1節 中枢神経系
  1-1 大脳半球の機能
  1-2 大脳皮質の活動と意識
  1-3 大脳辺縁系
  1-4 間脳とその機能
  1-5 下位脳幹(中脳・橋・延髄)および小脳の機能
  1-6 人間における生と死と脳活動
 2節 末梢神経系
  2-1 末梢神経系の各部名称
  2-2 末梢神経の機能
  2-3 心理学における自律神経系活動の測定

3章 情動・動機づけ
 1節 情動の諸理論
  1-1 情動の種類
  1-2 情動を喚起する刺激の知覚と情動の表出
  1-3 心(情動)とからだの関係
 2節 動機づけ
  2-1 欲  求
  2-2 フラストレーション
  2-3 欲求のコントロール

4章 行動・学習
 1節 学習と行動
  1-1 学習とは
  1-2 行動の種類
 2節 反射的行動の学習
  2-1 パブロフの条件反射
  2-2 情動反応の条件づけ
  2-3 レスポンデント条件づけの消去
  2-4 レスポンデント条件づけの諸現象
  2-5 日常生活で見られるレスポンデント条件づけ
 3節 自発的な行動の学習
  3-1 効果の法則
  3-2 オペラント条件づけ ― 強化と弱化
  3-3 行動形成
  3-4 逃避,回避,弱化
  3-5 行動の維持と消去
  3-6 般化と弁別
 4節 さまざまな学習のかたち
  4-1 見本合わせ課題
  4-2 観察学習
  4-3 潜在学習
  4-4 運動学習

5章 知覚・認知
 1節 感覚と知覚
  1-1 感  覚
  1-2 視覚情報の流れ
  1-3 色の知覚
  1-4 形の知覚
  1-5 運動の知覚
  1-6 奥行きの知覚
 2節 オブジェクトの認知
  2-1 パターンの認知
  2-2 物体の認知
  2-3 顔の認知
 3節 注  意
  3-1 能動的注意と受動的注意
  3-2 注意の空間的特性
  3-3 注意の時間的特性
  3-4 注意を向けられなかった対象
 4節 記  憶
  4-1 記憶の過程
  4-2 短期記憶・ワーキングメモリ
  4-3 長期記憶
  4-4 日常の記憶
  4-5 忘  却
 5節 思  考
  5-1 思考の種類
  5-2 推  論
  5-3 概  念
  5-4 問題解決
  5-5 知  識
 6節 言  語
  6-1 言語の理論
  6-2 言語と文化
  6-3 言語の障害

6章 発  達
 1節 胎児期・乳児期の発達
  1-1 胎児期
  1-2 新生児期
  1-3 乳児期
 2節 幼児期・児童期の発達
  2-1 幼児期・児童期の年齢区分とその特徴
  2-2 幼児期
  2-3 児童期
 3節 青年期の発達
  3-1 外見上の変化
  3-2 男性・女性のありかたに対する考え方の芽生え
  3-3 物事に対する考え方やとらえ方への深まり
  3-4 青年を取り巻く人間関係の変化
  3-5 自己のとらえ方の変化(アイデンティティの確立)
 4節 中年期・老年期の発達
  4-1 中年期
  4-2 老年期

7章 対人関係・社会
 1節 社会的認知
  1-1 印象形成
  1-2 社会的推論
  1-3 態  度
 2節 自  己
  2-1 自己認知
  2-2 自己評価
  2-3 自己呈示
 3節 人間関係
  3-1 対人行動
  3-2 恋愛関係と友人関係
  3-3 ストレスと対処
 4節 集  団
  4-1 集団の心理
  4-2 社会的影響
  4-3 リーダーシップ

8章 パーソナリティ・知能
 1節 パーソナリティ
  1-1 パーソナリティとは何か
  1-2 パーソナリティ理論
 2節 パーソナリティ理解の方法
  2-1 「パーソナリティ理解」とは
  2-2 心理学的視点からのパーソナリティ理解
  2-3 心理アセスメント
  2-4 性格検査
  2-5 心理アセスメント結果のまとめ方
 3節 知能の意義と測定
  3-1 知能の意義
  3-2 知能の研究
  3-3 知能検査

9章 臨床・実践
 1節 心理臨床実践とは
  1-1 心理臨床実践のための心理学とは
  1-2 心理臨床家とはどのような人か ― その資格について
  1-3 心理臨床家はどんな現場で何をしているのか
  1-4 心理臨床実践のこれから
 2節 個人への介入技法
  2-1 カウンセリングとは
  2-2 カウンセリングでの関係
  2-3 カウンセリングの方法
 3節 家族・集団への介入技法
  3-1 家族療法
  3-2 グループ・アプローチ

 【コラム】
 1 禅の公案「達磨安心」
 2 仏教心理学
 3 犯罪者の脳
 4 自律訓練法
 5 迷信行動とオペラント条件づけ
 6 錯視・錯覚
 7 青年期の職業選択とアイデンティティの確立
 8 自己意識的感情
 9 見立てとテスト・バッテリー
 10 問題行動
 11 エンカウンター・グループ

索引

装幀=吉名 昌(はんぺんデザイン)


心理学 まえがき

 本書『心理学』は,高校を卒業し,大学に入学したばかりの大学1・2年生を,主な対象として編まれた教科書である。心理学をこれまで勉強したことのない初学者にも,しっかりとした心理学の知識を身につけてほしいという願いを込めて刊行した次第である。

 心理学への関心が高まって久しいが,ここ20・30年の間にも心理学を取り巻く環境は大きく様変わりしてきた。特に,臨床心理学への関心の高まりは,想像を超えるものがあった。また,その間,大学教育にも大きな変化があった。それは,高等教育のみならず初等教育,中等教育をも含む大きな変容であった。教育界全体のカリキュラムの変更に加え,大学におけるファカルティ・ディベロップメントの取り組みなどから,「わかりやすい授業」がこれまで以上に求められるようになった。

 このような状況の中で,「学生の興味関心の強い臨床心理学の内容を含んでいること」「わかりやすい内容になっていること」,これらの条件は昨今の心理学教科書にはあたりまえのように求められていると思う。その一方で,大学で教壇に立つ者の多くから「基礎的な分野もおろそかにしたくない」「内容のレベルは下げたくない」という思いを聞くこともある。

 本書は上記の点で同じような考えを持った大学教育に携わるスタッフが集い,作成された。目次を見ていただければおわかりの通り,取り上げたトピックは非常にオーソドックスなもので,心理学の歴史に始まり,知覚・生理などの基礎分野から社会・臨床などの応用分野まで心理学の分野を一通り網羅している。近年の教科書にしては,学生にとっては取っつきづらい分野も含まれているという印象を持たれるかもしれない。この点を補うために,執筆にあたっては,どの分野にも興味や関心を持ってもらい,平易に理解してもらえるよう図や表などの視覚的補助を多めにした。また受講生のさらなる興味が引き出せるよういくつかのトピックを設け,発展的学習を望む受講生のためには参考図書欄を用意した。本書が,教壇に立たれる方,受講生の方々にとって少しで役に立てば幸いである。

 最後ではあるが,新曜社の塩浦ム社長には,企画の段階からお世話になった。全体の構成や表現の細部に関しても数多くのご指摘をいただき,おかげで,全体のバランスもよくなり,わかりやすいものに仕上がったように思う。記して深く感謝の意を表したい。

編集代表 鈴木常元