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青木義英・神田孝治・吉田道代 編

ホスピタリティ入門
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A5判並製200頁

定価:本体1900円+税

発売日 13.4.6

978-4-7885-1336-5

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◆強制された〈おもてなし〉を超えて◆

サービス産業の比重が増し続ける日本。近年、競争は激化し、画一的なサービスを超えて、個々の「お客様」に応じたおもてなしをするホスピタリティの発揮が新たな企業価値として重視されています。飲食、宿泊、観光旅行業に始まり、いまでは医療や福祉まであらゆる現場でおもてなしの心が求められるホスピタリティ社会。その社会の実態を理解して多角的に考えるため、企業の現場からはホスピタリティ発揮の実践や工夫を紹介し、研究の立場からはホスピタリティ追求に潜む問題点を指摘する二部構成のユニークな入門書ができました。現場から経営、研究者まであらゆる立場の人に発見がある一冊です。


ホスピタリティ入門 目次

ホスピタリティ入門 はじめに

ためし読み
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ホスピタリティ入門─目次

 はじめに  (i)
 序 章 神田孝治

第一部 社会とホスピタリティ
【宗教とホスピタリティ】
章 サンティアゴ巡礼におけるホスピタリティ 竹中宏子 
章 四国遍路とホスピタリティ 森 正人

【権力とホスピタリティ】
章 難民とホスピタリティ 北川眞也
章 観光とホスピタリティ 神田孝治

【女性とホスピタリティ】
章 敗戦後の日本における外国人兵士の「歓待」 吉田容子
章 東南アジア系移民女性とホスピタリティ 阿部亮吾

【マイノリティとホスピタリティ】
章 同性愛者とホスピタリティ 吉田道代
章 オタクツーリズムにおけるホスピタリティ 岡本 健

【日本社会とホスピタリティ】
章 ホスピタリティ社会とその問題 堀野正人
10章 都市農村交流の「鏡効果」とホスピタリティ 藤田武弘

【被災地とホスピタリティ】
11章 東日本大震災の被災地とツーリズム 大森信治郎
12章 ボランティアとホスピタリティ 加藤久美

第二部 企業とホスピタリティ
【マーケティング・セールスとホスピタリティ】
13章 企業営業活動におけるホスピタリティ 森川長俊
14章 ウェディング産業とホスピタリティ 梶 明彦

【コミュニケーションとホスピタリティ】
15章 接客教育とホスピタリティ 安部桂子
16章 グローバルコミュニケーションとホスピタリティ 長井鞠子

【マネージメントとホスピタリティ】
17章 企業管理とホスピタリティ 青木義英
18章 人材育成とリーダーシップ 青木義英

【ホスピタリティ産業の現場(1) 旅行運輸】
19章 旅行会社のホスピタリティ 田中 靖
20章 客室乗務員のホスピタリティ 永田順子

【ホスピタリティ産業の現場(2) 宿泊飲食】
21章 ホテルでのホスピタリティ 西田淑子
22章 レストランのホスピタリティ 眞中秀幸

【ホスピタリティ産業の現場(3) 医療介護】
23章 病院のホスピタリティ 菊野隆明
24章 介護のホスピタリティ 中島健一
あとがき
執筆者紹介
装幀―難波園子





ホスピタリティ入門―はじめに

 現代社会において,サービス産業の比重が大きくなっています。日本では2003年に観光立国を目指すことが宣言されましたが,これも製造業からサービス産業に転換していく社会の様相を如実に表しているものだといえます。こうしたなかで,ホスピタリティ(歓待)が近年キーワードとして浮上しています。そもそもホスピタリティとは,異邦人を受け入れもてなすことを指す言葉でしたが,現代の資本主義社会においてはしばしば顧客に対する心を込めたサービスを意味しています。こうしたホスピタリティが要求されるのは,サービス産業だけではありません。組織内のコミュニケーションのために企業が従業員に,さらには観光客をもてなすために行政が地域住民に,ホスピタリティを求めるようになってきています。現代はまさに「ホスピタリティ化する社会」なのです。

 私たちは,いまやこうした社会の現実をより深く捉えかえし,またそれについて多角的に考えるべき状況にいると言えるでしょう。とりわけ,これからホスピタリティ化社会により深く関わることになる学生の皆さんにはより切実な課題です。本書はこうした問題関心から編まれた入門書であり「社会とホスピタリティ」と「企業とホスピタリティ」という二部構成になっています。前者においてホスピタリティをめぐる社会的状況とそれをどう考えるのかについて,後者において企業におけるホスピタリティの現実について紹介します。それぞれ12章の豊富な事象を扱ったことによりホスピタリティの多様なあり方やそれについての様々な考え方が実例をもとに把握できるようになっています。なお,ホスピタリティという概念については序章で,各章の位置づけについては各部の扉部分で簡単に解説してあるので,それらを参考に読み進めてください。また,各章の最後には,「考えてみよう!」と「さらに興味がある人に」という項目があります。自分で考え,自身で学習を進めることによって,内容をより深く理解ができるように設けたものです。是非取り組んでみてください。

 このようなテーマと内容の本書が,皆さんにホスピタリティについての関心を喚起し,現代社会について,さらに自分自身の生き方について考えるための手助けになれば,編者にとってこれ以上の喜びはありません。

    編者を代表して

神田孝治