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海野弘 著

ワードマップ 二十世紀美術1900-2010


四六判288頁

定価:本体2400円+税

発売日 12.07.10

ISBN 978-4-7885-1297-9






◆現代美術・最前線へのガイドブック◆

コブラ、アンフォルメル、フルクサス、アルテ・ポーヴェラ、ネオ・ジオ……、 何の用語かおわかりでしょうか。そう、現代美術のキイワードなのですね。 「戦争とテクノロジーの世紀」といわれる二十世紀は、美術においても多くの 用語と流れを生み出しました。たんに絵が好きというだけでは、まったく理解 できないことが起きているのです。現代(二十世紀)美術はいまどこにいて、 何をやろうとしているのでしょう。そして、どこに行こうとしているのでしょ う。このような混沌状況を、ロングセラー『ワードマップ 現代美術』の著者・ 海野弘が、十九世紀末のアールヌーヴォー以降、二十一世紀の初めという最前 線まで、十年ごとに区切って、社会状況と結びつけながらていねいに解説し、 案内してくれます。ホットで便利な「現代美術」ガイドブックです。


ワードマップ 二十世紀美術1900-2010 目次

ワードマップ 二十世紀美術1900-2010 あとがき

ためし読み

◆書評

2012年9月16日、東京新聞

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ワードマップ 二十世紀美術1900-2010─目次
目次─二十世紀美術1900-2010

二十世紀美術の流れ 

現代美術の地平 
Ⅰ 一九〇〇年代―ベル・エポックの終末23
展望 
アール・ヌーヴォー 
ウィーン分離派 
後期印象派 
象徴主義 
フォーヴィスム 
キュビスム 
『芸術世界』 
ジ・エイト 
ブリュッケ 
Ⅱ 一九一〇年代―大変動
展望 
青騎士 
未来派 
コラージュ 
ロシア・アヴァンギャルド 
レディメイド 
表現主義 
ヴォーティシズム 
シュプレマティスム 
ダダ 
Ⅲ 一九二〇年代―モダン・タイムズ
展望 
構成主義 
ネオ・プラスティシズム 
シュルレアリスム 
バウハウス 
マルセル・デュシャン 
ノイエザハリヒカイト 
アール・デコ 
エコール・ド・パリ 
プレシジョニズム 
Ⅳ 一九三〇年代―不安と不穏の時代
展望 
社会主義リアリズム 
アメリカン・シーン 
メキシコ壁画運動 
頽廃芸術 
ヘンリー・ムーア 
ゲルニカ 一九三七年 
ダリとパラノイア 
ネオ・ロマン主義 
ニューヨーク博 一九三九年 
Ⅴ 一九四〇年代―戦時と戦後
展望 
「今世紀の芸術」ギャラリー 
ニューヨーク近代美術館 
国際的シュルレアリスム 
抽象表現主義 
ジャクスン・ポロック 
亡命と美術 
アール・ブリュット(生の芸術) 
コブラ 
ルフィーノ・タマヨ 
Ⅵ 一九五〇年代―戦後の繁栄と危機
展望 
アンフォルメル 
インデペンデント・グループ 
ネオ・ダダ 
ハード・エッジ 
カラー・フィールド 
ハプニング 
アッサンブラージュ 
ベイ・エリア・フィギュラティヴ 
シチュエーショニズム 
Ⅶ 一九六〇年代―難解な時代
展望 
フルクサス 
ポップ・アート 
オプ・アート 
ミニマリズム 
ポスト・モダニズム 
コンセプチャル・アート 
アルテ・ポーヴェラ 
ランド・アート 
アンディ・ウォーホル 
Ⅷ 一九七〇年代―アヴァンギャルド以後
展望 
ニュー・リアリズム 
フォト・リアリズム 
シュポール/シュルファス 
アーティスツ・ブックス 
ヴィデオ・アート 
フェミニスト・アート 
エコロジー 
プルーラリズム 
カルチュラル・コロニアリズム 
Ⅸ 一九八〇年代―アート・バブル
展望 
新表現主義 
グラフィティ・アート 
イースト・ヴィレッジ 
パターン・アンド・デコレーション 
ネオ・ジオ 
シミュレーショニズム 
トランスアヴァンギャルディア 
コラボレーション・アート 
エイズ 
Ⅹ 一九九〇年代―イメージからコンセプチャルへ
展望 
多文化主義 
身体 
メディア・アート 
ヴァーチャル・リアリティ 
ヒーリング・アート 
インタラクティヴ・アート 
ヤング・ブリティッシュ・アーティスツ 
ネオ・マルクス主義 
美術館と美術万博 
XI 二〇〇〇年代―日常から歴史へ
展望 
グローバリゼーション 
ドクメンタ11 
テート二〇〇〇 
アジア・アフリカ 
ドクメンタ12 
デジタル・イメージ 
ニューヨークの時代は終ったか? 
アートから都市へ 
エピローグ セカンド・デケイドへ 二〇一〇~
あとがき 270   索引(人名・事項) 


装幀―加藤光太郎
本文中のイラストは著者




ワードマップ 二十世紀美術1900-2010 あとがき


二十一世紀は二つ目のデケイド(十年)に入ったが、まだ先は見えない。しかも二十世紀の記憶は早くも失われはじめている。とりあえず、二十世紀のアートの年代記をまとめ、新しい時代に伝えたいと思った。

すでにこの〈ワードマップ〉シリーズで海野弘・小倉正史『現代美術─アール・ヌーヴォーからポストモダンまで』(一九八八年)がある。うれしいことに版を重ねてきたが、すでに半世紀が過ぎ、その後のアートについて増補したいと編集部から求められていた。

そのつもりで考えてみたが、二十一世紀に入っており、せっかくなら、すべて新しく書き直すことにした。構成としては、デケイド(十年)で区切り、一九〇〇年から二〇一〇年までを十一の章とし、各章を、展望を含む十のキーワードで語っていくことにした。

この方法は、いくつかの主流を中心に語るこれまでの美術史ではなく、時代の全体をとらえて、時代のうねりを感じ取ってもらいたいと思ったからである。

デケイドで区切ってみると、主流以外の思いがけない動きが見えてきた。特に二十世紀後半になると、これまでの〈アート〉ではとらえられない現象が増えてきて、単純な系統図からはみ出してしまう。デケイドならそれらを丸ごと括っていくのに便利であった。

二十世紀のアートを丸ごととらえたいというのはとんでもない試みで、一人では無謀であったが、ともかく自分の生きてきた世紀を、もう一度たどり直していくのは楽しい仕事であった。

二十世紀後半、一九六〇年代以降のアートは、同時代としてなんとなく知っているような気がしていたが、改めて見直すと、いかに少ししか見ていなかったかを痛感させられた。

しかしそれでも、記憶がもどってきて、自分の青春が甦ってくるような楽しい仕事でもあった。この本は、アートがどこから来たか、どのようなものであるか、どこへ行くのかについての本であるが、同時に、そのアートの中(そのはじっこではあるが)で生きてきた自分をふりかえる本ともなった。

私は二十世紀のアートに多くの刺激を受け、その中で生きてきた。その魅力を二十一世紀の人たちに贈りたい。そのような思いをこめて、この本を書いた。

そのような思いが、二十世紀を知らない世代の読者に伝わればうれしい。いや、それはきっと伝わると信じている。

『現代美術』につづいて、この本を一緒につくってくれた編集部の渦岡謙一さんの変わらぬ友情に感謝する。

二〇一二年七月 海野 弘