越境する書物

変容する読書環境のなかで

著者 和田 敦彦
ジャンル 文学・エッセイ > 本の世界
出版年月日 2011/08/05
ISBN 9784788512504
判型・ページ数 A5・364ページ
定価 4,730円(本体4,300円+税)
在庫 在庫あり
著者ではなく運んだ人という視点から,またどこで読むかという視点から,書物と読者の関係を問い直す「リテラシー史」。海を越えて移動する書物の流れとそれに携わった人々の関係を,電子時代の変容も視野に入れて辿り,新しい「知の流通史」を展望。

◆書評
2011年10月9日、高知新聞、大島真理氏評
2011年10月9日、毎日新聞
2012年1月14日、図書新聞、後藤嘉宏氏評
越境する書物―変容する読書環境のなかで――目次

序章 書物と場所の歴史学
1 なぜ書物がそこにあるのか
2 リテラシーの歴史とは
3 本書の構成

第・部 越境する書物

第一章 書物の場所と移動の歴史 書物の日米関係から
1 越境する書物の背景
2 読者は作られる―米海軍日本語学校
3 戦時期の日本語教育と教科書
4 戦争と書物接収―ワシントン文書センター
5 書物返還の政治学
6 米議会図書館における接収図書
7 日本占領下での図書収集
8 書物と場所の政治学

第二章 書物の戦争・書物の戦後 流れとしての占領期接収文献
1 書物の戦場
2 ふたつの検閲
3 占領期各大学の資料収集
4 輻輳する接収ルート
5 プランゲ・コレクションの入手
6 膨大な文献を前に
7 接収文献のその後―占領期刊行物
8 接収資料のその後―戦前検閲図書
9 接収資料のその後―陸海軍関係資料など
10 流れとしての接収文献

第三章 今そこにある書物 書籍デジタル化をめぐる新たな闘争
1 これは書物ではない
2 明治期刊行図書のマイクロ化
3 複製という商品
4 誰が写していたのか
5 書物の変容
6 データベース・リテラシー
7 古典籍総合データベース
8 本にたどりつく仕組み
9 グーグルブックス図書館プロジェクト
10 知の占有と公共性
11 何をデジタル化するべきか
12 学術の生命線とフィジカル・アンカー

第・部 書物と読者をつなぐもの

第四章 一九三三年、米国日本語図書館を巡る 高木八尺の調査から
1 読書を知るために
2 太平洋問題調査会と高木八尺
3 日本学をめぐる状況と太平洋問題調査会
4 全米調査の実際
5 非政治という政治
第五章 人と書物のネットワーク 角田柳作と書物の交流史
1 見えない仲介者
2 角田柳作との出会い
3 ニューヨークに至るまで
4 書物を介したネットワーク
5 文化宣揚と文化交流の間で
6 誘惑する仲介者

第六章 越境する文化を支えるもの 国際交流基金と国際文化会館
1 書物の交流を支えるもの
2 芥川龍之介「舞踏会」の変容
3 国際文化振興会とその記録
4 南方政策とインドシナ
5 植民地の「舞踏会」
6 国際文化交流機関の戦後
7 民間という名の政治
8 海外の日本語図書館に対して
9 文化交流と文化宣揚

第七章 日本の書物と情報の輸出入 チャールズ・E・タトル出版の半世紀
1 書籍商の血統
2 タトルと日本
3 行き交う書物と翻訳権
4 日本を販売する
5 『銀の鈴』広島の奇跡
6 日本からアジアへ

第八章 北米の日本語蔵書史とその史料 書物の受難
1 蔵書史の個と全体
2 オハイオ州立大学の日本語蔵書史
3 オハイオ・ネットワーク
4 ブリティッシュ・コロンビア大学の日本語蔵書
5 日系移民資料が残る必然と偶然
6 アジア研究の受難とカナダの日本語図書館

終章 リテラシー史から見えるもの
1 彼方の読書
2 読書の資料と研究の倫理
3 リテラシー史と文学研究・教育
あとがき
訳語・略号一覧
情報提供・調査協力者一覧

事項索引
人名索引
装幀―難波園子

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