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李 津娥(イー・ジーナ) 著

政治広告の研究
――アピール戦略と受容過程


    

A5判216頁

定価:本体2600円+税

発売日 11.03.03

ISBN 978-4-7885-1223-8

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◆政党広告の発信力、説得力はどこで決まるか?◆

イメージ戦略と争点のアピールが選挙結果を大きく左右する政治の世界。しかし、メディアによる報道に比べ、政治家・政党が直接発信する「政治広告」に関する研究はこれまであまり行われてきませんでした。選挙ポスター、政見放送、新聞広告、テレビCM、ホームページ、ネットCMといった媒体は、どのように使われ、どんな効果をもたらしてきたのか。膨大な資料を基にした内容分析とともに、有権者に与える影響を、質問紙調査や実験、インタビューなどで詳細に検証した本書は、広告の説得力・信頼性、また今後あるべき広告のかたちへの貴重な示唆に満ちています。著者は東京女子大学現代教養学部教授。


政治広告の研究 目次

政治広告の研究 まえがき

ためし読み ◆書評

2011年、日経広告研究所報 257号、嶋村和恵氏評

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目次
目 次


まえがき

序 章 政治広告とは何か
1.報道的政治情報と広告的政治情報
2.本書の目的と構成

1章 政治広告の成立と展開
1.政治広告史の時期区分
2.戦前の政治広告
3.戦後の政治広告
●この章のまとめ

2章 政党広告の内容的特徴
1.政治広告における争点とイメージ
2.政治広告のアピール技法
3.政治広告における攻撃性
4.新聞政党広告の分析
5.政党CMの分析
●この章のまとめ

3章 選挙別政党広告戦略
1.2007年参議院議員選挙広告
2.2009年衆議院議員選挙広告
3.2010年参議院議員選挙広告
●この章のまとめ

4章 候補者広告の内容的特徴
1.政治広告とジェンダー・フレーム
2.新聞候補者広告の分析
●この章のまとめ

5章 政治情報と政治意識
1.政治情報への接触と評価 
2.政治意識に対する政治情報の影響 
●この章のまとめ 

6章 政治情報への接触と評価(1):首都圏対象質問紙調査
1.研究方法
2.政治広告への接触と評価 
3.政党および候補者選択要因と情報源 
●この章のまとめ 

7章 政治情報への接触と評価(2):全国対象Web調査
1.研究方法 
2.政治広告に対する評価
3.政党および候補者選択要因 
4.政党および候補者選択時の情報源
5.政治情報の第三者効果
●この章のまとめ 

8章 政治広告の効果
1.政党CMに対する反応の構造 
2.政党CMの効果 
●この章のまとめ

9章 政治広告評価の構造と類型に関する質的分析
1.政治広告評価の構造 
2.インタビューにみる有権者の政治意識と政治広告評価 
●この章のまとめ

おわりに:民主主義と広告的政治情報

注 
引用文献 
付録 
人名索引 
事項索引


装丁 臼井新太郎



●まえがき

 

まえがき
 本書は,これまで日本であまり研究されてこなかった政治広告を対象とした政治コミュニケーションの研究である。それと同時に,政治場面における説得コミュニケーションの研究,政治広告が持つ公共性・社会性の研究でもある。

 広告とメディア研究を専門領域とする筆者は,広告の時代性や社会性に関する関心から,政治場面における広告的情報の特徴とその社会的影響に関心を持ち,政治広告の研究に着手した。その過程で,これまでの研究が必ずしも充分でないと感じたことが本書を執筆したきっかけとなった。

 これまで日本では,政治や選挙の情報源として,メディアの政治報道が注目され,その内容的特徴や効果についても多くの関心が寄せられてきた。一方,政治広告に対しては,政治情報源としての評価が低く,研究の対象となることも多くなかった。しかし,政治に関する「情報」と「経験」をメディアから得ることの多い現代社会においては,メディアによって「媒介」され,「構成」される情報と,政治家や政党側によって直接発信される情報の両面から,政治情報の特徴と影響を検討していく必要がある。そこで,政治広告の特徴とその受容に関する研究を通して政治広告のあり方を検討することを試みた。・・・・・・

 2011年2月 李 津娥