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菅野幸恵・塚田みちる・岡本依子 著

『エピソードで学ぶ赤ちゃんの発達と子育て』
――いのちのリレーの心理学


A5判212頁

定価:本体1900円+税

発売日 10.12.01

ISBN 978-4-7885-1215-3

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◆赤ちゃんを知り、子育てを支援するテキスト!◆

発売以来、エピソードに思わず引き込まれてしまうと大好評の『エピソードで 学ぶ乳幼児発達心理学』の、待望の続編です。本書も、赤ちゃんの発達をめぐ る生き生きとしたエピソードを軸に、胎児から2歳くらいまでの発達心理学が わかりやすく、丁寧に解説されています。さらにそれだけでなく、赤ちゃんの 育ちと育てを、いのちのリレーという視点からとらえ、親となることの心理学 や、子育て支援の心理学についてもしっかりと書かれています。少子化時代、 赤ちゃんに触れたこともないままいきなりママになったりする時代です。本書 を通して、赤ちゃんの心理や発達について学ぶだけでなく、親となることにつ いてもイメージをもち、必要な知識が得られる、画期的な乳児心理学のテキス トの誕生です。

エピソードで学ぶ赤ちゃんの発達と子育て 目次

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◆エピソードで学ぶ赤ちゃんの発達と子育て――目次

目次

発達表
はじめ
本書の構成と使い方
第1章 ようこそ新しい世界へ ― 移行
1. 胎児のからだ,運動
 エピソード1 ボク,生きてるよ!
2. 胎児の感覚
 エピソード2 お〜い,赤ちゃん!
3. 新生児のからだと運動
 エピソード3 髪の毛引っ張ったのだぁれ?
4.新生児の知覚
 エピソード4 はじめての麦茶,特訓中!
 エピソード5 「ニーっ」,あれ? 笑った?
5. からだの成長
 エピソード6 ブルドーザーみたい!

第2章 つながりあう ― 関係
1. 愛 着
 エピソード7 お母さんがいなくても
2.間主観性
 エピソード8 いっしょに「あ〜ん」
3.乳児同士の関係づくり
 エピソード9 仲良くなりたい!
4.身体接触
 エピソード10 こちょこちょ,こちょ〜っ!
 
第3章 自分に気づく ― 自己
1. 個性(気質)
 エピソード11 みんなちがって
2.情動的交流と自己
 エピソード12 もっとはいはいしてほしいなぁ
3.自己認知
 エピソード13 ボクの名前は
 エピソード14 鏡よ鏡,鏡さん?
4. 自己調整
 エピソード15 どっちがいい?
 エピソード16 触っちゃダメよ
 エピソード17 このボール,あげたくないけど
 
第4章 世界を知る ― 認知
1.顔の認知
 エピソード18 よだれが出るほど大好きなお母さんの顔
2.感覚運動期
 エピソード19 からだで知る世界
 エピソード20 スイカは電球? 電球はスイカ?
3.模 倣
 エピソード21 ママみたいにやってみたい
4. 共同注意
 エピソード22 並んで座る
 エピソード23 ニカッと笑って,ばっしゃーん!

第5章 話して伝える ― ことば
1. 音声(構音,喃語)
 エピソード24 赤ちゃんの声変わり?
2.ことばの準備
 エピソード25 おしゃべりの第一歩
3. 語彙の獲得
 エピソード26 早くおしゃべりしないかな!

第6章 世代から世代へ ― いのちのリレー
1.育てられるものから育てるものへ
 エピソード27 春のおとずれ!
 エピソード28 十五の君へ
2.親になること
 エピソード29 こんなにかわいいと思わなかった
 エピソード30 ママだって抱っこしてもらいたいときあるよ
3.育児不安(子ども虐待)
 エピソード31 夜中の授乳にため息
 エピソード32 はじめての牧場で
4.さまざまな家族のかたち
 エピソード33 血はつながっていなくても

第7章 子育て支援から地域子育てへ ― 子育てのネットワーク
1.子育てと時代の変化
 エピソード34 男の子はままごとしない!?
2.子育て支援
 エピソード35 足が冷たいじゃない!
3.事例にみる子育て支援のネットワーク
 エピソード36 ようこそ! 子育ての輪の中へ

引用文献


 
 着床/生殖医療
 乳幼児突然死症候群(SIDS
 感覚・知覚・認知
 パーセンタイル
 中央値と平均値
 カンガルーケアと事故
 子どものビデオ(もしくは写真)の撮り方
 マザリーズと育児語
 第二次性徴
 マタニティー・ブルーズ
 マルトリートメント/虐待が子どもに与える影響
 普通養子縁組と特別養子縁組
 テリング
 里親の主な種類と要件
 ファミリーホーム
 ワーク・ライフ・バランス
 合計特殊出生率
 ファミリー・サポート/保育ママ
 ちょっと気になる子ども
 保健センターと保健所



                       装幀―難波園子


エピソードで学ぶ赤ちゃんの発達と子育て――はじめに

 本書は,『エピソードで学ぶ乳幼児の発達心理学』のきょうだい本です。

 私たち3人は,あるタウン誌に書き続けた子どもや子育ての日常についてのコラムをもとに,『エピソードで学ぶ乳幼児の発達心理学』を書きました。子どもの姿や行動を具体的に描いた上で,発達心理学の知見に触れていただこうという思いから,子どもにまつわるさまざまなエピソードと発達心理学の解説を交互に配した構成にしました。子どもたちの生き生きとした姿がふんだんに盛り込まれたこの本は,著者であるわたしたちにとって大いに満足できるものでしたし,誇らしくも感じられるものでした。わたしたちにとってさらに喜びとなったことは,この本に対する反響が想像した以上のものだったことです。思わぬ方から,「あの本とてもよかったから,テキストに使わせてもらっているよ」とお声かけいただいたり,発達心理学界ではかなり著名で私たちのあこがれの的でもある先生からは,「こんな本書きたかった!」という,これ以上ないほどの言葉をいただきました。

 私たちは現在保育者養成に携わっていて,この本を授業のテキストとして使っていますが,学生たちにも好評です。ある学生は,「エピソードがおもしろいからあっという間に読んじゃった」と,楽しそうに報告してくれました。教員の立場からすると解説もしっかり読んでとツッコミたいところですが,その学生がすでに子どもたちの魅惑的な世界に引き込まれていたとしたら,それだけでも御の字です。

 周囲からの思わぬ反響に私たちがウキウキしているところに,新曜社の塩浦さんから,今度は赤ちゃんバージョンを作りませんか?といううれしいお話をいただきました。『エピソードで学ぶ乳幼児の発達心理学』では妊娠期から就学前の子どもたちの育ちを扱いましたが,どうしても幼児期についての記述が多くなっていました。そこで本書では,妊娠中から生後1歳半くらいまでの子どもたちの育ちを中心として,章を構成しました。1年半という一見短い期間のなかで,赤ちゃんたちは目覚しい発達を遂げています。その1年半のなかに,人間の行動の不可思議さが凝縮されているといっても言い過ぎではありません。

 本書のエピソードはすべてあたらしく収載したものですが,解説に関しては,子どもの育ちにおいてとくに重要なものについては前書で取り上げた内容も含まれています。

 また本書では(これも塩浦さんのアイデアですが),子どもの育ちだけではなく,養育者の育ちについても取り上げました。最近は,子どもたちに何かあるととかく家庭(とくに養育者のかかわり)に原因や責任を求めがちです。子どもの育ちを保障するためには,養育者の置かれている現状も把握する必要があると感じています。

 本書ではエピソードの記述では飽き足らず,子どもたちの行動をよりイメージしやすいように写真を多く掲載しました。掲載した写真の一部は,伊波和恵さん,小野真喜さん,志澤美保さん,文野洋さん,眞栄城和美さんから提供していただいたものです。貴重な写真をいただきありがとうございました。さらに,静止画では表現できない赤ちゃんの行動を理解していただくために,新曜社にウェブサイトを用意していただき、動画を提供することにしました。あわせてごらんいただければと思います(http://www.shin-yo-sha.co.jp/episode_akachan.htm)。

 本書を,発達心理学をはじめて学ぶ方,子どものことに興味がある方,子育て中の方,これから親になろうとする方に読んでいただければ幸いです。

 ただ,お話をいただいてから本書の刊行にいたるまでは,かなり時間がかかってしまいました。3人とも職場での仕事が忙しくなっており,それを言い訳になかなか作業が進まない私たちをあたたかく(ときには厳しく)見守ってくださった塩浦さんには本当に感謝しています。タウン誌『ほうむたうん』編集室のみなさまにもお世話になりました。うっかりコラムを送るのを忘れてしまっていても,しなやかに対応していただきありがとうございます。

 そしてなにより,エピソードのもとになった体験を与えてくれたすべての子どもたちに感謝します。生まれてきてくれてありがとう。

菅野 幸恵
塚田みちる
岡本 依子


本書の構成と使い方

 本書は,7つの章からなっています。各章は,さらに細かいテーマに分けて,節をたてました。それぞれの節は,次のような,視点の異なるいくつかの部分から構成されています。

【エピソード】

 各節の冒頭に,1つないしは2つのエピソードをおいています。ほとんどが,実際に筆者たちが体験した出来事です。特にプライバシーに配慮する必要のあるエピソードについては,子どもの名を仮名にしました。エピソードを読んで,まずは子どもたちの生々とした姿をイメージしてください。また,解説を読んだ後でもういちどエピソードを再び読んでいただくと,より理解が深まるかもしれません。 【解説】

 各節では,その節のトピックに関する発達心理学の知見をできるだけわかりやすく述べています。大学や短期大学のテキストとして使っていただける場合には,解説部分を授業内で説明していただいたり,あるいは復習用の教材として使っていただくという方法もあります。

【参照】

 解説のなかで,他の節の解説との関連が深い箇所はで参照していただきたい箇所を示しました(欄外にページも示しています)。子どもたちの行動は複雑で,ひとつの行為にいくつもの要素が絡み合っています。子どもの行動を立体的にとらえていただくための参考になればと思います。

 特に知識として知っておいてもらいたい専門用語について,解説しています。はじめて発達心理学を学ぶ方には,これから出会う専門書を読むために必要な知識です。

 解説を理解する上で助けとなるような,ちいさなエピソードを盛り込んでいます。具体的な子どもの姿を想像しながら,解説をお読みいただければと思います。

【ウェブ】

 ウェブ

エピソードで学ぶ赤ちゃんの発達と子育て 動画 にアクセスしていただくと,本書でウェブ参照と書かれている子どもたちの行動の動画を観ることができます。