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海保博之 監修
中込四郎・石崎一記・外山美樹 著

『ワードマップ ポジティブマインド』
──スポーツと健康、積極的な生き方の心理学


四六判230頁

定価:本体2000円+税

発売日 10.04.05

ISBN 978-4-7885-1195-8

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◆こころを元気にするサイエンス入門◆

これまでの心理学は、とかく人間の欠けているところ、できない部分に注目し てそれを克服することに着目しがちでしたが、これからは人間のポジティブな 側面にもっと注目し、人間の本来もつ強さを引き出すことによって個人や社会 を支えるような学問を目指すべきだ、とする考え方が生まれています。本書は、 スポーツ心理学、健康心理学に、新たに確立してきたポジティブ心理学をあわ せて、積極的な人生追求のためのこころのサイエンスの最前線を紹介する入門 書です。監修は『ワードマップ ヒューマン・エラー』『ワードマップ 安全 ・安心の心理学』でおなじみの、東京成徳大学教授・海保博之先生。


ワードマップ ポジティブマインド 目次

ワードマップ ポジティブマインド 序

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目次
●もくじ

はじめに 

 第1部 スポーツ心理学                 中込四郎

1‐1 スポーツ心理学 スポーツと心理学が出会う
1‐2 タレント発掘 早期トレーニングの功と罪
1‐3 青年期とスポーツ スポーツで「自己」を体験する
1‐4 アスリートのパーソナリティ スポーツによってパーソナリティをつくる
1‐5 こころの強化 スポーツメンタルトレーニングの今
1‐6 ピークパフォーマンス 実力発揮につながる心理的世界を知る
1‐7 積極的思考 弱気から強気に変える
1‐8 イメージトレーニング イメージをうまく活用する
1‐9 スポーツ・モニタリング・トレーニング こころと体の動きを知る
1‐10 ソーシャルサポート まわりの人的資源を活用する
1‐11 スランプ いくらやっても上達しない
1‐12 アスリートの燃え尽き 努力する割には報われない
1‐13 心因性動作失調 こころが動きを縛る
1‐14 スポーツセラピー スポーツでこころを癒やす
1‐15 運動の継続 運動の継続を妨げるもの

 第2部 健康心理学                   石崎一記

2‐1 健  康  心身ともにその人らしくいること
2‐2 健康心理学 健康をこころと体の結びつきの面から科学する
2‐3 健康の査定 健康ってはかれるの?
2‐4 生涯発達  一生変化し続けるもの 
2‐5 QOL 人生の質、生活の質 
2‐6 生きがい 生きる意味が感じられること 
2‐7 ストレス ストレスって本当に悪いもの? 
2‐8 ストレス・コーピング ストレスとの上手な付き合い方 
2‐9 感  情 人を心底から動かすもの 
2‐10 グループと自然の癒やし効果 人や自然と関わることで健康づくり 

 第3部 ポジティブ心理学                外山美樹

3‐1 ポジティブ心理学とは 人間のもつ「強さ」から考える 
3‐2 学習性無力感 説明スタイルの違いから謎を解く 
3‐3 楽観主義 自分の将来を楽観的に考える 
3‐4 悲観主義ネガティブ思考のポジティブなパワー 
3‐5 フロー経験 夢中になる 
3‐6 目  標 自分の未来を導く 
3‐7 自尊感情 揺れ動く自己 
3‐8 認知的複雑性 物事を多面的に見る能力 
3‐9 ネガティブ感情とポジティブ感情 感情の凹凸 
3‐10 笑  い 人は幸福だから笑うのではない 
3‐11 気晴らし 気晴らしにもコツがいる 
3‐12 自己開示 こころをオープンにすると健康になる? 
3‐13 アサーション 自己表現によってよりよい人間関係を築く 
3‐14 ハーディネス ストレスに強い性格とは 
3‐15 認知療法 考え方の癖を見ぬく 
 

人名索引
事項索引
文  献
 
 
装幀=加藤光太郎



はじめに

●はじめに  豊かな社会は、私たちを飢えからは解放してくれたが、心身の病気はむしろ増加させてしまったようである。豊かさもほどほどがよいのだが、その調整は社会としても個人としても、なかなか難しい。そこに心理学というこころのサイエンスを持ち込んでみると、何がしかの寄与ができるのではないか。

 私事であるが、私の勤務校、東京成徳大学では、平成20年度より応用心理学部を発足させた。それまで人文学部で肩身の狭い思いをしていたが、これで晴れて心理学の一部門の学部として飛躍できることになった。学科としては、「福祉心理学科」、「臨床心理学科」、そして平成21年度より、新たに、「健康・スポーツ心理学科」が加わることになった。

 その背景には、このような時代的な要請がある。「福祉心理学科」がすべての人々の幸福を、そして「臨床心理学科」が心身の不調回復の支援を行なう技法の教育研究を志向しているのに対して、「健康・スポーツ心理学科」は、心身の健康の維持と増進の支援を行なう技法の教育研究を志向することになる。

 つまり、応用心理学部全体として、心身に関するポジティブとネガティブの両面を、包括的に教育研究していこうというわけである。

 この大それた試みが成功するかどうか。あと10年、学部、学科の発展を温かく見守ってほしい。

 しかしまずは、基礎となる知識を整理し、今どんなことが研究され、何が明らかになってきているのかを知る必要がある。ということで、本書を企画してみた。

 本書では、スポーツと健康とを、ポジティブマインド作りを意識しながら見つめ直してみるとどうなるかを考えてみたい。

 スポーツ心理学、健康心理学、ポジティブ心理学の3領域から、基本的なワード、重要なワードを取り出して、最前線で研究している執筆者に協力していただき、解説した。

 本書の執筆分担は、次のようになっている。

 第1部 スポーツ心理学 中込四郎(筑波大学)
 第2部 健康心理学 石崎一記(東京成徳大学)
 第3部 ポジティブ心理学 外山美樹(筑波大学)
 全体の監修 海保博之(東京成徳大学)
 
 本書が、人生と積極的に向き合う一助になれば幸いである。

2010年3月10日 海保博之