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山口裕之 著

ワードマップ 認知哲学
――――心と脳のエピステモロジー


四六判288頁

定価:本体2800円+税

発売日 09.9.4

ISBN 978-4-7885-1174-3

◆「心とは何か」に迫る科学の問題を読みとく◆

近年の脳研究の発展にはめざましいものがありますが、どのようにして脳から心 が立ちあらわれてくるのか、我々は自由意思をもつのかという、心の根本問題へ の答えはいまだに得られていません。「脳は高度な情報処理機関」というこれま での考え方は、はたして有効なのでしょうか? 本書は、一般性や反復などの概 念にもとづく「科学」という営み全体を捉えなおすことから始めて、この問いに 迫ります。「意識の科学」の提出する驚くべき成果を読みほどき、脳科学の哲学 的基礎を考えるしなやかな認知哲学の入門書です。著者は、徳島大学総合科学部 准教授。

ワードマップ 認知哲学 目次

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◆ワードマップ 認知哲学――目次
  目 次
《はじめに》「意識の科学」はなぜ困難なのか   そもそも「科学」とはなんだろうか? 
心身問題   「意識の科学」をめぐる古典的難問 
科学の対象としての意識   科学は「一般性」を捉える 
アナロジー   よく知っているものにたとえることで理解する 

T   心をコンピュータにたとえる 計算機は心を持つか? 
コンピュータはなぜ「計算している」といえるのか   計算機の思想と基本的な仕組み 
中国語の部屋   コンピュータは「意味づけ」をしない 
計算の複雑さと意識   「中国語の部屋」へのいくつかの反論とその検討 
●ソライティーズ・パラドックス   連続的に変化するものに記号を当てはめる 
記号を相手取る行動   言語は単なる推論の手段ではない 
総合判断   日常的な思考は単なる計算ではない 
ニューラルネット   神経系をモデルにした計算機 
ロボット   コンピュータに身体を与える 
チューリングテスト   意識を持っているように見えるものは本当に意識を持っている? 
フレーム問題   人間は状況を枚挙しない 
動物   自分自身のために存在している機械 
●進化の視点と個体の視点    

U   心の仕組みと脳の仕組み 脳は計算機か? 
観念連合説   近代経験論哲学の(負の?)遺産 
●感覚sensationと知覚perceptionという言葉について   観念連合説の多義性 
認知心理学   心はプログラム 
知覚は計算か   『生態学的視覚論』と『視覚の計算理論』 
●ギブソンのいう「直接」とはどういう意味か    
骨相学と失語症   「脳の機能局在説」前史 
ニューロイメージング   作業中の脳を観察する 
生得性再考   機能局在説とコネクショニズム 
神経細胞の電気的反応   電気生理学と脳への電気刺激実験 
結びつけ問題   知覚の統一性と意識の統一性 
ばらばらの意識   デネットの「多元的草稿モデル」 
おばあちゃん細胞説   世界は神経細胞の組み合わせでできている? 
クオリア問題   個別性はいかにして認識できるか 
チャーマーズの「ゾンビ論法」   現代版心身二元論 
心の理論   どのようなものが意識を持っているように見えるのか 

V   決定論と自由意志 自由意志は幻想か? 
皇帝の新しい心   自由意志は量子力学と関係があるか 
動機を与える感情   「自由意志」は不自由なものとして到来し、必然的に決定される 
●感情と倫理   思い通りにならない感情と付き合う 
●「感情」にかかわる言葉について   日本語の「感情」は英語で何と言う? 
感情の哲学   デカルトとロックの感情論 
感情研究の近年の展開   「感情の科学」さまざま 
我々は〇・五秒遅れて生きている   自由意志は錯覚か? 
●触覚の時間と視覚の時間    
●どんな場合に人は意志的に決断しなくてはならないか   意志は対人関係のために 
心と脳の因果関係   心はどのようにして身体に影響を及ぼすのか 
「意識の科学」の発生論   科学の有効性と限界を知る 
    
おわりに  エピステモロジーの立場 
参考文献    事項索引    人名索引