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小熊英二 著

1968 下 ――目次
――叛乱の終焉とその遺産


A5判1008頁

定価:本体6800円+税

発売日 09.8.7

ISBN 978-4-7885-1164-4

1968〈上〉 目次

1968〈下〉 目次



◆著者の本

1968 上

単一民族神話の起源

<日本人>の境界

インド日記

〈民主〉と〈愛国〉

戦争が遺したもの

対話の回路


cover



◆「あれ」は何を遺したか、今という時代は?◆

本書は「1968年」に象徴される「あの時代」、全共闘運動から連合赤軍にいたる若者たちの叛乱を全体的に扱った、初めての「研究書」です。本書は、「あの時代」を直接知らない著者が、当時のビラから雑誌記事・コメントなどまで逐一あたって、あの叛乱がなぜ起こり、何であったのか、そして何をもたらしたのか、を時代の政治・経済的状況から文化的背景までを検証して明らかにします。その説得力には、正直驚かされます。また読み物としても、『〈民主〉と〈愛国〉』で証明済みですが、その二倍の頁数の本書においても、まったく飽きさせることなく一気に読ませてくれます。

下巻では、新宿事件、爆弾事件、ベ平連、ウーマン・リブ、そして連合赤軍を取り上げ、「あの時代」の後半期に起きたパラダイム転換が、後世に何を遺したのか、その真の影響を明らかにします。そこではじめて、ある意味で局所的な事象にすぎなかった「あの叛乱」を取り上げた今日的な意味が浮かび上がります。


お詫び
この度、上野昂志さまより、『1968』下巻の本文中で、上野宏志とあるべきところが自分の名前になっているというご連絡をいただきました。次回の重版では訂正させていただきますが、既にお買い上げいただきました読者の方々に、謹んでお詫びして、ご報告申し上げます。

『1968』下巻
117頁13行 上野昂志→上野宏志
   20行 上野昂志→上野宏志
829頁12行 上野昂志→上野宏志
1010頁索引 上野昂志 下117, 795-798, 829, 931→上野宏志 下117, 795-798, 829

以上、上野昂志さま、上野宏志さま、そして読者の方々に重大なご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。(新曜社編集部)
(09.09.10)



◆書評

2009年8月2日、読売新聞、井上寿一氏評

2009年8月2日、毎日新聞、田中優子氏評

2009年8月25日、朝日新聞、藤生京子氏評

2009年9月5日、図書新聞、友常勉氏評

2009年9月6日、日本経済新聞、橋爪大三郎氏評

2009年9月13日、サンデー毎日

2009年9月20日、京都新聞、佐川光靖氏評

2009年10月4日、朝日新聞、天児慧氏評

2009年10月15日、週刊文春、北田暁大氏評

2009年10月23日、週読書人、雨宮処凛氏評

2009年11月9日、AERA、佐藤優氏評

2009年11月28日、朝日新聞

2009年12月13日、毎日新聞、田中優子氏評

2010年1月10日、信濃毎日新聞、斉藤美奈子氏評

2010年4月7日、文学界、小熊英二x高橋源一郎対談

2010年4月30日、東京新聞、沼野充義氏評

2010年8月8日、朝日新聞

2012年6月3日、日本経済新聞、桜井哲夫氏評

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◆1968〈下〉叛乱の終焉とその遺産――目次

第12章 高校闘争
高校生運動の出現/高校生活動家の実例/蓄積されていた不満と叛乱の芽/「卒業式叛乱」の頻発/六九年秋以前の高校闘争/最大の叛乱となった青山高校闘争/高校闘争の連続発火/高校闘争の顛末

第13章 六八年から六九年へ――新宿事件・各地全共闘・街頭闘争の連敗
三派全学連の分裂とセクト間抗争の激化/六八年の「国際反戦デー」/「新宿騒乱」事件/世論の離反を招いた新宿事件/ブームとなった全共闘運動/自己目的化したバリケード封鎖/各地の「全共闘運動」の理想と現実/六九年の全共闘運動の結末/「全国全共闘」の結成/完敗に終わった「沖縄デー」/打ちつづく街頭闘争の敗退/「ゲバ棒とヘルメット」の時代の終わり

第IV部

第14章 一九七〇年のパラダイム転換
「戦後民主主義」という言葉/マルクス主義者とブントの「民主主義」批判/マルクス主義者の「近代主義」「市民主義」批判/六〇年安保後の『民主主義の神話』/ベ平連周辺の「戦後民主主義」再検討/新左翼と全共闘の「戦後民主主義」批判/破壊された「わだつみ像」/アジアとマイノリティへの注目/「ナンセンス・ドジカル」から入管法闘争へ/「民族的“原罪”」としての差別と戦争責任/華青闘の新左翼批判と七〇年のパラダイム転換/転換の背景と問題点/武装闘争論の台頭/内ゲバの激化

第15章 ベ平連
ベ平連の結成/穏健とみられていた初期ベ平連/ベ平連の転換点/若者の流入と各地ベ平連の結成/ベ平連を躍進させた脱走兵援助/脱走兵援助の舞台裏/佐世保での活動と佐世保ベ平連の誕生/「新しい型のコミュニケーションを作り出す運動」/「六月行動」での市民団体共闘/年長者と若者の対立とセクトの介入/ベ平連の「急進化」/年長者と若者との緊張と協調/花を抱えたデモ/全共闘運動との関係/脱走兵援助の実情とスパイ/新宿西口フォーク・ゲリラ/衝突現場に突き進んだ花束デモ/不定型の運動/六九年六月一五日の成功/ベ平連の拡大と「黒幕探し」/「ハンパク」での糾弾騒動/「オールド・ベ平連」批判/高揚から停滞へ/一つの季節の終わり/分散化していくベ平連/『冷え物』論争/「一粒の麦もし死なずば」

第16章 連合赤軍
赤軍派の誕生/内ゲバ初の死者と赤軍派結成/壮大な計画とその失敗/ハイジャック成功と解体していく赤軍派/重信房子の出国と森恒夫の赤軍派トップ就任/ヒューマニストだった坂口弘と永田洋子/革命左派の結成/革命左派の群像と武装闘争/永田の最高指導者就任/強盗を行なった赤軍派/革命左派の交番襲撃/赤軍派との接触と革命左派の処刑未遂/追いつめられる革命左派/山に集められた革命左派/煽りあう赤軍派と革命左派/二人の処刑実行/「連合赤軍」結成と事件の背景/永田による遠山批判/リンチの始まりとその理由/失なわれた最後の機会/大槻と金子のリンチ死/森と永田の結婚と逮捕/「ミニ・ディズニーランド」での銃撃戦/警察の報道操作と「覗き見趣味」の報道/過剰反応を示した若者たち/連合赤軍事件の虚像と実像

第17章 リブと「私」
女性活動家たちの境遇と不満/「性解放」と「性的搾取」/リブの誕生前夜/リブ・グループの主張/「言葉がみつからない」苦悩/田中美津とその経歴/田中のリブ活動の開始/武装闘争論への傾斜/田中の転換/「革命の大義」からの脱却/「自分の分身」としての連合赤軍解釈/連合赤軍解釈から消費社会の肯定へ

結論
「あの時代」の叛乱とは何だったのか/民主教育の下地とアイデンティティ・クライシス/なぜ「政治」だったのか/「政治運動」としての評価/「自我の世代」の自己確認運動/「彼ら」が批判されるべき点/国際比較/高度成長期の運動/高度成長に適合した運動形態/大衆消費社会への「二段階転向」/「一九七〇年パラダイム」の限界/それぞれの「一九六八年」  彼らの「失敗」から学ぶもの



あとがき
関連年表
索引