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ライダー・デュー 著/中山 元 訳


ドゥルーズ哲学のエッセンス
――思考の逃走線を求めて


四六判324頁

定価:本体3200円+税

発売日 09.5.22

ISBN 978-4-7885-1157-6


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◆ほんとうに分かりたいあなたのためのドゥルーズ入門!◆

差異と反復、戦争機械、逃走線、リゾームなどの魅力的なキイ概念を駆使して一世を風靡したドゥルーズ。その思想はいまなお古びるどころか、ますます新しくなっています。本書は、哲学史的にスピノザ、ライプニッツ、ニーチェ、ベルクソンなどとの系譜学的関係から説き起こし、最盛期の『アンチ・エディプス』『千のプラトー』、そして晩年の映画論『シネマ』にいたるまで、鳥の目で空から眺めるように展望し、海の底に潜るように底流するものを掬い上げて、ドゥルーズがめざしたものを多面的に明らかにしようとします。定評ある訳者による訳文も平易で、いたるところに工夫がこらされています。

ドゥルーズ哲学のエッセンス 目次

ドゥルーズ哲学のエッセンス 訳者あとがき

◆書評

2009年7月31日、週刊読書人

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◆ドゥルーズ哲学のエッセンス 目次


 1 ジル・ドゥルーズの哲学
 2 プログラム
 3 歴史的な背景
 4 ポスト構造主義と「主体」の批判
第一章 内在と主観性
 1 内在と表象
 2 プラトン哲学と反プラトン哲学
 3 心、主体、客体、情動
 4 スピノザと内在の原則
 5 仮想性、差異、感覚
 6 差異の規定
 7 反復から〈問題〉へ
 8 語りうるものと考えうるもの
第二章 文化の記号学
 1 文学と『意味の論理学』
 2 プルーストと客観的な幻想
 3 記号、主体、権力
 4 カフカの記号論的な機械
 5 カフカと社会的な機械
第三章 近代的な主体の歴史
 1 記号論、隷属、主観性
 2 政治理論
 3 批判
 4 精神分析の社会的および論理的な批判
 5 心的なものからエディプスへ
 6 欲望の誤謬推理
 7 社会的な生産と資本
 8 主観性の政治学
第四章 社会的な存在論
 1 自由、知識人、歴史
 2 「社会的なもの」と「自然なもの」
 3 形式的な存在論と社会プロセス
 4 社会的な自己の系譜学
 5 内在の自由―生成
 6 知識と抽象機械
 7 権力、思想、行動
第五章 哲学と芸術
 1 哲学の性格
 2 哲学と芸術
 3 映画と表象の批判
 4 芸術、倫理、主観性
第六章 結論―哲学の目的
 原注
 訳注
 参考文献
 訳者あとがき
 索引


謝辞


 本書はオクスフォードのワダム・カレッジにおける居心地のよい知的な環境で書き始め られ、同じようにすぐれた作業条件を提供してくれたオクスフォードのマグダレン・カレ ッジで書き終えたものである。プラシャント・キダンビと、ロチャーナ・パジパイの両氏、 ならびポリティ社編集部の依頼で本書の本文を読み、有益なコメントを示された二名の方 に感謝したい。


装幀―虎尾 隆

◆ドゥルーズ哲学のエッセンス 訳者あとがき
本書はポリティ・プレス社が刊行している『主要な同時代の思想家』のシリーズの一冊として刊行されたドゥルーズ論Reidar Due, Deleuze, Polity Press, 2007の全訳である。著者のデューはイギリスのオクスフォード大学のマグダレン校でフランス語を担当している特別研究員であり、ヨーロッパ映画論も教えている。本書が初めての著作のようである。近刊として編著『ドゥルーズと読書』(レジェンダ社)の刊行が予告されている。
 ドゥルーズの思想は多面的で、多くの人々を魅惑する力があるが、その全体像を捉えるのは困難である。本書は『アンチ・エディプス』と『千のプラトー』の時代を中心としながらも、初期と後期のドゥルーズの思想にも目を配り、ドゥルーズの思想の展開を追うためにも、中期のドゥルーズの思想を考察するためにも役立つ書物となっている。
 とくにドゥルーズの表象批判、内在と問題の概念、新しい主観性の概念についての著者の分析はゆきとどいていて、わかりやすいものだと思う。なかでも第三章では、『アンチ・エディプス』におけるドゥルーズの欲望の思想をニーチェの道徳の系譜学とフロイトとラカンの精神分析の理論を手がかりにしながらたくみに考察していて、参考になる。
 本書の翻訳にあたっては、新曜社の渦岡謙一さんにいろいろとお世話になった。ドゥルーズ論を構想していた時期に、渦岡さんのお薦めで、奥行きのあるドゥルーズ論の翻訳の仕事をてがけることができたのは幸いなことだった。
 訳者