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ローベルト・クルツ 著/渡辺一男 訳

資本主義黒書〈上〉
――市場経済との訣別


A5判632頁

定価:本体6600円+税

発売日 07.05.10

ISBN 978-4-7885-1052-4

資本主義黒書 下巻




◆「格差社会」の根源をさぐる話題作◆

いまや資本主義が世界を覆いつくす勢いですが、資本主義はわれわれをどこへ連れて行こうとしているのでしょうか。ウォーラーステインなどによると、十四・十五世紀の中世の人々は、ゆったりとした時間のなかで、いまでは想像できないような豊かな(食)生活をしていたといいます。市場経済はほんとうにわれわれを幸せにしてくれるシステムなのかを真剣に問いなおす必要があるのではないでしょうか。このような問題意識からクルツは、マニュファクチュアや商品経済が導入されてからの資本主義の歴史を根底的にたどり直します。民主主義や自由主義も資本主義と組んでいかに人々を貧しくしてきたかが、説得的に説かれ、目が覚めるような気がします。まさに「資本主義のアルケオロジー」の試みと言えましょう。下巻は六月刊行の予定です。

【本文紹介】
誤解を避けるためにいっておけば、私は資本主義的近代化の歴史が人間の能力をこれまでのあらゆる尺度を越えて向上させたことを否定するつもりはまったくない。技術的な能力のみならず、多くの点で抽象能力や反省能力もまた向上したことは疑うべくもない。しかしここで問題にするのは少し別のこと、つまり、大多数の人間の生活水準、余暇、健康などの問題である。資本主義は、資本主義によってもたらされた能力を、いやおうなく資本主義の法則下に置かれた万人の生活改善のために用いることはけっしてできなかった。このダメージは今日にいたるまで小さくなるまでもなく、逆に全世界住民の観点からすればますます大きくなっている。それゆえ、このダメージは単なる偶然の外的連関ではなく、市場経済がその能力を万人の福祉のために活用できないのは市場経済そのものの本性だと言わねばならない。(「第一章 近代化と大衆貧困」より)

◆書評

2007年8月12日、読売新聞、佐藤卓巳氏評

2007年9月2日、朝日新聞、高橋伸彰氏評

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【目 次】
プロローグ
第一章 近代化と大衆貧困
第二章 全体競争の黒いユートピア
第三章 第一次産業革命の歴史
第四章 国民帝国体制
第五章 世界の生物化
第六章 第二次産業革命の歴史
引用文献
索引

【下 巻】
第七章 全体主義的な世界市場=民主主義=体制
第八章 第三次産業革命の歴史
エピローグ

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