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土屋由美 著


『生によりそう「対話」』
――医療・介護現場のエスノグラフィーから


四六判226頁

定価:本体2200円+税

発売日 07.3.1

ISBN 978-4-7885-1035-7

【目 次】
序章 本書のなりたち
第1章 入 院
 石田さんの怒り(その1)
 石田さんの怒り(その2)
第2章 リハビリが始まってからの生活
 「散歩」
 「散歩」の空間・時間
 多様な「声」
第3章 退院後の生活
 「話すという行為」
 誰とどんな「声」で
第4章 「変わりつつあること」に寄り添う
 「他者性」--違和感と「応答」
 「声」とアイデンティティの軌跡
 「移動」する人
 「対話」
あとがき

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◆脳梗塞の後遺症をもつ父とその娘の、一つの記録◆

父が脳梗塞で倒れ、娘が付き添い介護をすることになりました。後遺症で上手く言葉をしゃべれず、身体も思うように動かなくなって、いらだつ父。そんな父にどう対処してよいかわからず、とまどう娘。そんな二人が、医療スタッフや補助スタッフ、他の患者たちとの出会いのなかで、特殊な「対話」のスタイルを発達させ、それが、障害を持って生きること、家族として接していくことに大きな変化をもたらしたのでした。この「対話」を中心に、医療・介護の現場でおきた出来事を読み応えのある筆致で記録したエスノグラフィー。生きることにおける「対話」の不思議な力を再認識させてくれる本です。ちなみに娘は、この経験を経て、心理臨床家となりました。現在、日本福祉大学研究員。

【本文紹介】
 私の父は、65歳の誕生日を間近に控えた1990年8月16日、自宅で激しい頭痛を訴えた後、まもなく意識障害におちいり、駆けつけた救急車で大学病院に運ばれた。検査の結果、小脳梗塞であると診断され、約三ヶ月間入院して集中的な治療を受けた。後遺症として身体の片麻痺はなかったが、主として歩行のバランスと発語に障害があらわれた。・・・私は父が退院後に障害を持った身体で新たに生活を始める過程において、とりわけ言語を獲得し直していく多くの場面を共にし、あるいは目撃した者として、人が「話す」という行為が、「自分を生きる」という営みととても深くつながっていること。さらには病気によってさまざまなものを失った状態から「自分をどう生きなおしていくか」を模索していく過程そのものであることを教えられた。(「序章」より)

◆書評
2007年5月20日、読売新聞、片岡直子氏評