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P・リクール 著 久米 博 訳


フロイトを読む 新装版

解釈学試論


A5判648頁

定価:本体7200円+税

発売日 05.5.16

ISBN 4-7885-0948-2


◆目 次◆
まえがき
第一章 言語、象徴、解釈について
第二章 解釈の葛藤
第三章 解釈学的方法と反省哲学
序論 フロイトをいかに読むか
第一部 エネルギー論と解釈学
第一章 解釈学なきエネルギー論
第二章 『夢の分析』のおけるエネルギー論と解釈学
第三章 『メタ心理学論集』における衝動と表象
第二部 文化の解釈
第一章 夢の類比
第二章 夢幻的なものから崇高なものへ
第三章 幻想
第三部 エロス、タナトス、アナンケー
第一章 快楽原則と現実原則
第二章 死の衝動--思弁と解釈
第三章 問い
第一章 認識論--心理学と現象学の間
第二章 反省--主体の始原論
第三章 始原論と目的論の弁証法
第四章 解釈学--象徴へのアプローチ
訳者あとがき
人名索引/事項索引

フロイトの精神分析は哲学として,とくに解釈学の体系として,どのような構造と特色をもっているか? 巨匠リクールがフロイト全著作の周到精密な読解を示し, 自らの解釈学的立場との壮絶な知的対決を通してこの問いを十全に解明した,画期的大著。新装版にて復刊。


◆本文紹介◆
すなわち、私はフロイトを、人間の中におけるもっとも非人間的なものの探索、というだけに限定できるとは考えなかった。むしろ私の企図は、それとは逆の確信から生れたのである。つまり精神分析は当然、文化の一解釈となるのであり、したがって人間現象についての他のいかなる全体的批判とも精神分析は論争関係に入るからである。その点では、私は前述の三人と同意見である。とはいえ私の関心のあり方は、その三人とは区別される、私の問題はフロイト的言表の構成の問題である。それはまず認識論的問題である。すなわち、精神分析において解釈するとはどういうことか、また人間の記号の解釈はどのようにして、欲望の根源に到達し得ると自負する経済論的説明と連接するのか、という問題である。次にそれは反省哲学の問題である。すなわちこの解釈から、どのゆおな新しい自己了解が出てくるか、またこのように自己了解される自己とはどんなものか、という問題である。最後にそれは弁証法的問題である。フロイト的文化解釈は、他の一切の解釈を排除してしまうのか、もし排除しないとするなら、知性を狂信にも、さりとて折衷主義にも陥らせずに、フロイト的解釈はどのような施行規則にのっとって、他の解釈と折り合うことができるのか、という問題である。以上の三つの問題は、拙著『悪の象徴論』のさいごで未解決のままになっていた問題を再びとりあげるための、長いまわり道である。すなわち、「象徴の解釈学と具体的な反省哲学との間の連関」という問題である。
 この計画を実行するには、可能な限り厳密な「フロイトの読解」と、私の主張する「哲学的解釈」とを切り離す必要があった。それゆえ、本書の読者は第二篇を、それだけで自立した、別の著作として扱うこともできよう。そのために私はそこでは、ひたすらフロイトのテキストにのみ関わるよう努めた。そこで私は引用したフロイトの本文をほとんど全部翻訳した。哲学的解釈のほうは、「フロイトの読解」をはさむ形で、第一篇「問題篇」を構成している解決の諸論考とに分かれている。(「まえがき」より)

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