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ジョン・スターリング 著
苧阪直行・苧阪満里子 訳


大脳皮質と心
――認知神経心理学入門
【心理学エレメンタルズ】


四六判208頁

定価:本体1800円+税

発売日 05.4.25

ISBN 4-7885-0942-3

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◆高次な脳が担う、心の世界への招待◆

大脳のはたらきあっての心であることは、今では常識ですが、いざ大脳皮質は じめ脳がどのような構造になっていて、どのような機能を司どっているのかを 学ぼうとすると、なかなか初学者に適切な本がありません。たいへん簡単にし か書かれていなかったり、あるいは大部の専門書と格闘することになったりし ます。本書は、大脳皮質の構造や両半球のつながり、言語や視覚の処理から脳 を生きたまま見る新しい研究法まで、現代人に必要な知識をコンパクトに、分 かりやすく解説した、待望の本です。


◆本文紹介◆
自然界ではヒトの脳ほど複雑で素晴らしい、そしてミステリアスな存在はないだろう。脳の外面はざっと見た感じではデコボコしており、ひだに囲まれている。内側はというと、やや硬く形成された中身のつまった構造をもっている。中心部に向かって脳脊髄液にみたされた4つの大きな脳室がみられる。ヒトの人生の初めから終わりまで(深い眠りにおちている間も)脳は活動を維持し続ける。他の身体部分が消費する燃料(グルコース)はさほどでもないのに、脳は不釣合いに多い多量のグルコースを消費する。血流に含まれるグルコースを吸収するため、脳は心臓から送られてくる全血流の20パーセントを消費している。これは知覚したり運動したりするときに脳が必要とするためである。そのおかげで、私たちは考えたり、学んだり、恐れたり、夢を見たりできるのである。(「第1章 脳と心のはたらき」)

本書は、脳のはたらきをハードウェア中心ではなく、心のソフトウェアを中心に、しかも学術的なコメントをまじえながらコンパクトな内容にまとめている。そして、“骨相学的”な機能局在論に陥ることなく、脳の研究方法についても平易に述べながら、高次な脳が担う心の宇宙を楽しく平易に説いている。(「訳者あとがき」より)

【心理学エレメンタルズ】

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◆目 次◆
謝辞
第1章 脳と心のはたらき
はじめに/脳の研究小史/機能局在論争/分散コントロール/まとめ/読書案内
第2章 脳の構造
はじめに/ニューロン仮説/神経系を分類する/中枢神経系(CNS)/皮質/皮質葉/まとめ/読書案内
第3章 神経心理学の方法
はじめに/脳の構造と機能の測定方法/神経心理学的評価/まとめ/読書案内
第4章 ラテラリゼーション
はじめに/構造的な違い/分離脳症候/脳梁非形成/健常者での非対称/ラテラリゼーションとは何か/脳梁を介した半球情報伝達/脳の体制化と個人差/まとめ/読書案内
第5章 感覚と運動機能
はじめに/体性感覚システム/運動コントロール/まとめ/読書案内
第6章 言語と脳
はじめに/ブローカ失語症/ウェルニッケ失語症/言語のコネクショニスト・モデル/心理言語学的アプローチ/神経生理学的アプローチ/言語とラテラリティー/まとめ/読書案内
第7章 視覚のメカニズムと知覚
はじめに/感覚と知覚/感覚過程-眼から脳へ/知覚過程/物体認知-「何が」のストリームと失認/空間機能と「どこに」のストリーム/空間処理に固有の障害/空間知覚と「どこに」ストリームの評価/まとめ/読書案内
第8章 3つの研究報告
はじめに/研究1/研究2/研究3
訳者あとがき
用語解説/文献
事項索引/人名索引


原題:CORTICAL FUNCTIONS by John Stirling 2000