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ゲザ・ローハイム 著、アラン・ダンデス 編
鈴木 晶、佐藤知津子 訳


龍の中の燃える火
――フォークロア・メルヒェン・精神分析


四六判340頁

定価:本体3400円+税

発売日 05.2.22

ISBN 4-7885-0935-0

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◆メルヒェン研究の古典的名著、待望の翻訳◆
ハンガリー語、英語、ドイツ語などの語学力と、精神分析、民族学、民話学な どの博識を駆使して、世界中の神話・民話を蒐集し、その起源・影響関係など について大胆な仮説を出したローハイムの昔話研究の古典的名著。この分野で 定評のあるベッテルハイムの『昔話の魔力』は、ローハイムの名前を出さずに その成果を借用しているそうです。また、いま話題の宮崎駿の映画『ハウルの 動く城』の原作のもとになった民話も扱われています。これらの論文が、ダン デスのていねいな解説・編集によって、現代的な意味を与えられて甦ります。 〈メルヒェン叢書〉


◆本文紹介◆
ゲザ・ローハイムは一八九一年九月十二日、ハンガリーのブタペストに生まれた。彼は、人類学と民俗学への精神分析的アプローチの発展に貢献した、フロイト以後最大の功労者である。一九五三年六月七日、ニューヨーク市で死去するまでに、十指にあまる著作と一五〇編以上の論文を世に送り出したが、その大半はオーソドックスなフロイト理論をきわめて広範な題材やテーマに適用したものである。・・・中略・・・私はゲザ・ローハイムこそ、真の意味で最初の最初の精神分析的民俗学者だったと言いたい。彼は民俗学者としてその研究人生をスタートさせた。ハンガリー語で書かれた初期の著作は「すべて」民俗学に関するものだった。精神分析とであったのちも、ローハイムは民俗学に関心を抱きつづけた民俗学の研究に関する彼のあくなき傾倒ぶりをあげるのは、たやすい。一九二二年に著した書評論文で、ローハイムは六七に及ぶ書籍と論文(そのなかには、彼自身ものが九編含まれている)を取り上げたが、その大半が民俗学のものだった。オーストラリアやメラネシア、アメリカの先住民に対するフィールドワークを行うあいだにも、かれは民俗学的なデータの収集と分析をけっしてやめることはなかった。一九三八年に米国に移住したあと、ローハイムはアメリカ民俗学会の理事を一九四四年から四六年と、一九四六年から四八年の二期勤めた。理事の仕事は名誉職に近いものだったが、少なくとも、ローハイムをこの時代の主要な民俗学者として認めるものではあった。彼は晩年ふたたび民俗学に戻った。一九五三年に出版された『夢の門』は、世界中のデータを駆使したローハイムの神話研究の集大成ともいえるもので、まぎれもない彼の代表作であり、サンドール・フィレンツィの思い出に捧げられている。・・・彼は民間伝承に関する論文を著すことで、その実り多い研究人生の第一歩を踏み出し、民間伝承における無意識の意味を発見しようと一心不乱に努めつづけ、その一生を終えたのである。(「はじめに」より)


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◆目 次◆
はじめに(アラン・ダンデス)
第1章 精神分析と民話
第2章 またぐことの意味
第3章 魔法と窃盗
第4章 神話と民話
第5章 聖アガタと火曜日の女
第6章 消えた光の話
第7章 命の糸
第8章 呪われた水車小屋の熊
第9章 北米神話における文化英雄とトリックスター
第10章 トム・ティット・トット
第11章 龍の中の燃える火
第12章 アーネムランドの神話
第13章 おとぎ話と夢
第14章 狼と七匹の子やぎ
第15章 ヘンゼルとグレーテル
第16章 鳥のことば
第17章 ホレおばさん−夢と民話
訳者あとがき
原注/人名索引


原題:Fire in the Dragon