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石川幹人・渡辺恒夫 編著


入門・マインドサイエンスの思想
――心の科学をめぐる現代哲学の論争


A5判304頁

定価:本体2800円+税

発売日 04.11.15

ISBN 4-7885-0926-1

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◆心の科学は成立するか?◆
科学としての心理学がヨーロッパで産声をあげてから一三〇年、いまでは心 理学の授業は大学の人気科目の一つです。でもいざ受講してみると、「あれ、 実験やむずかしい理論の話ばかりで心とちっとも関係ないぞ」と感じた人も少 なくありません。それは、心理学が物理学をモデルに厳密な方法で研究しよう としたあまり、私たちの日常の心の働きを置き去りにしてしまったからなので す。では、心は、科学として扱うことができないのか。本書は、今も続くマイ ンドサイエンス=心の科学をめぐる哲学者や心理学者たちの熱き論争のドラマ をやさしく解題した、もう一つの心理学入門です。編者石川は明治大学教授。 渡辺は東邦大学教授。


◆本文紹介◆
概念分析を通して諸科学を監視する哲学者を「概念警察官」のようなものと捉えるなら、科学に対し、概念の新たな統合によって積極的な提案もする哲学者を、「概念エンジニア」として捉えることもできるのではないだろうか。工学は言うまでもなく創造的な側面をもっている。哲学は、まずは概念分析により問題そのものを批判的に検討し、新たな観点を提示することで問題をより解決の与えやすいものへと捉えなおすことを可能にする。…中略…このような哲学の捉え方は、特に心の哲学において重要な意味を持つ。なぜなら認知科学や人工知能といった心の科学においては、科学の「理論」を構築する通常の側面よりも、むしろ工学的側面が重要視され、まさにそれゆえに分野を超えた学際的な協力が可能となっているからである。このような、いわば「心の工学」として捉えられる大きな運動の中で、哲学は、伝統的な概念分析による、警察官的な役割の他にも、概念エンジニアとして様々な創造的提案を通し、独自の貢献を成しえる(そして実際そうしてきた)のではないだろうか。(「第3章 心の哲学」より)

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◆目 次◆
序論 マインドサイエンスの戦場を望んで−対談:心の科学になぜ哲学が必要になってきたのか
第1章 マインドサイエンスの歴史と未来
第2章 心理学のための科学哲学
第3章 心の哲学
第4章 科学社会学と科学心理学
あとがき 文献/事項索引/人名索引
コラム
心理学とは何を学ぶもの?/量子力学の観測問題/心身問題/フレーム問題と知能ロボット/真理表/ウィトゲンシュタイン/「世界内存在」と「世人」/ソーカル事件/現代哲学の二大潮流/チューリング・マシン/クオリア/生態学的心理学/形而上学/物理主義の定義/唯心論物理学/誤信念課題/可能世界/心理学からみた科学者の規範/心理学と論理実証主義のアンビバレントな関係/科学心理学の研究テーマ/批判心理学

●執筆者
五十嵐靖博(山野美容芸術短期大学保健学科講師)
石川幹人(明治大学情報コミュニケーション学部教授)
高砂美樹(東京国際大学人間社会学部教授)
水本正晴(日本学術振興会特別研究員(都立大)、明治大学文学部兼任講師)
渡辺恒夫(東邦大学理学部教授)

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