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ハロルド・ブルーム 著 小谷野 敦・アルヴィ宮本なほ子 訳


『影響の不安』
――詩の理論のために


四六判400頁

定価:本体4000円+税

発売日 04.09.30

ISBN 4-7885-0920-2

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◆日本人が持つ、西洋に対する「影響の不安」とは?◆
「影響の不安」(遅れてきたものが先行者にいだく不安)というユニークな概 念によって、西洋文学史を鮮やかに読み直したブルームの古典的名著です。西 洋では、シェイクスピアの時代には、先行する作品を自由に換骨奪胎しても特 に「不安」を感じることがなかったのに、ロマン派以降そうはいかなくなって きたそうですが、その間の事情をミルトン以降のロマン派の詩を題材に綿密に 分析したものです。このような立派な仕事がいまの日本人に関心を持たれるの か? この危惧に対して小谷野敦氏は、日本近代文学そのものが西洋文学に対 する巨大な「影響の不安」であるからだ、と喝破しています。ていねいな訳註 を付して、平易な日本語に訳された世界に類のない『影響の不安』研究です。

◆本文紹介◆
私が関心を持っているのは、強い詩人、重要な人物だけである。彼らは,先行するや強い詩人たちと、死ぬまで執拗に格闘し続ける。それほど才能のない詩人たちは、偉大な先立ちを理想化する.その一方,有能な想像力を持つ者達は,地力で先行者を押しのけて、自分の居場所を確保する。しかし、割り込むにはそれなりの代価を払わなくてはならない。つまり、自分で勝手に一区画を占有したために、先行者たちに影響を負っているという非常な不安感がもたらされるのだ。なぜなら強い詩人=創造者は、自分が自分を創造することに失敗したなどということを直視したくないからだ。オスカー・ワイルドは、自分がこの影響に不安を乗り越える強さを持っていないために、詩人として失敗したことを知っていたが、同時に、影響というものの暗鬱な真実をも知っていた。(「序論」より)


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◆目 次◆
前口上(小谷野敦)
プロローグ これらの霊体が、その存在を知らぬままに父なる神の内に宿っているのは驚くべきことだ
序章 独創性に関する思索、および概要
第1章 クリナーメン、あるいは詩的誤読
第2章 テセスラ、あるいは完結と反定立
第3章 ケノーシス、あるいは反復と非連続性
幕間 反定立的批評宣言
第4章 デモナイゼーション、あるいは反崇高性
第5章 アケーシス、あるいは浄化と唯我論
第6章 アポフラーデス、あるいは死者の帰還
エピローグ 道についての省察
汚染の苦悩−第二版への序
解説 遅れることの詩学(アルヴィ宮本なほ子)
訳注/人名・作品索引


原題:THE ANXIETY OF INFLUENCE Second Edition ATheory of Poetry , Harold Bloom

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