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ハンス・ユルゲン・シュルツ編/山下公子ほか訳
『彼ら抜きでいられるか』
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04.08.31 4-7885-0905-9
◆目 次◆ |
四六判 536頁 定価4725円(税込) |
◆フロイト、マーラー、カフカ、ベンヤミン◆ 人類全体の遺産となった二十世紀の学問・芸術・科学・政治上の発展は、その ほとんどがドイツ人系ユダヤ人によるものといっても過言ではありません。こ れに対してナチはユダヤ人迫害・虐殺という最大の悪意をもって応えました。 本書は、ドイツ系ユダヤ人への追悼と賞賛をこめて、フロイト、マーラー、ル クセンブルク、カフカ、アインシュタイン、ベンヤミン、アレントなど代表的 な二十人の生涯を描いた貴重な評伝集です。ドイツに住み、ドイツを愛し、ド イツとユダヤの共生を求めて受難を余儀なくされた偉大な先達の肖像は、いま も続くパレスチナの民族対立と紛争の根源を鋭く映し出しています。◆本文紹介◆ 本書では、ドイツにおけるユダヤ人の歴史が順を追って語られることとはない。ここで取り上げる人たちは、まず何よりもドイツへの同化が生んだ娘、息子たちなのであって、シナゴーグへ通うユダヤ教信者ではない。この人たちの多くは、自分たちのぶつけられた敵意によって初めて、その出自を意識すようになったのである。この人たちは時として、ドイツ人であらんがために、自らのユダヤ人性を捨てたり、否認しようとしたりしたが、しかし、それでも、その存在のありようが変わったわけではない。いうまでもなく、本書に収める人物を選択することは困難であった。こんな少数でよいわけはないのだ。しかし、この少数の人たちが、残りの多数を代表していると考えていただきたい。 本書に収めたこれらの人々の肖像は、追悼である。これは墓碑銘ではなく讃歌であり、つまり、感謝の表明なのだ。「あの人たち抜きでいられるというのか?」リルケは問うた。リルケのいうあの人たちは、われわれの前にいた人たち、つまり死者のことである。ドイツのユダヤ人のついてこの同じ問いを立ててみれば、「いられない」と答えざるをえない。われわれは、あの人たちと対話し、それによって、せめて、あの人たちが残してくれた萌芽のいくつかを救おうとすべきなのである。(「まえがき」より) |