戻る

ハンス・ユルゲン・シュルツ編/山下公子ほか訳


『彼ら抜きでいられるか』
―― 二十世紀ドイツ・ユダヤ精神史の肖像


四六判536頁

定価:本体4500円+税

発売日 04.08.31

ISBN 4-7885-0905-9

◆amazon.co.jpへ
cover

◆紀伊國屋書店Books Web へ

◆フロイト、マーラー、カフカ、ベンヤミン
人類全体の遺産となった二十世紀の学問・芸術・科学・政治上の発展は、そのほとんどがドイツ人系ユダヤ人によるものといっても過言ではありません。これに対してナチはユダヤ人迫害・虐殺という最大の悪意をもって応えました。本書は、ドイツ系ユダヤ人への追悼と賞賛をこめて、フロイト、マーラー、ルクセンブルク、カフカ、アインシュタイン、ベンヤミン、アレントなど代表的な二十人の生涯を描いた貴重な評伝集です。ドイツに住み、ドイツを愛し、ドイツとユダヤの共生を求めて受難を余儀なくされた偉大な先達の肖像は、いまも続くパレスチナの民族対立と紛争の根源を鋭く映し出しています。

◆書評
2004年10月10日、毎日新聞、村上陽一郎氏評
2004年11月、出版ニュース
2004年12月10日、週刊読書人、細見和之氏評

Loading

◆目 次◆
まえがき(H・J・シュルツ)
ジークムント・フロイト(J・クレメーリウス)
グスタフ・マーラー(H・マイヤー)
ヴァルター・ラーテナウ(E・シューリン)
エルゼ・ラスカー=シューラー(K・ハンブルガー)
ローザ・ルクセンブルク(W・ブラント)
グスタフ・ランダウアー(H・ブロス)
マックス・ラインハルト(M・ケネスティング)
アルノルド・シェーンベルク(R・シュテファン)
マルティン・ブーバー(A・ゲース)
リーゼ・マイトナー(A・ヘルマン)
アルベァト・アインシュタイン(R・ユンク)
フランツ・カフカ(W・イェンス)
エルンスト・ブロッホ(J・モルトマン)
ヴァルター・ベンヤミン(I・フェッチャー)
マックス・ホルクハイマー(A・シュミット)
アンナ・フロイト(U・H・ペータース)
エーリッヒ・フロム(H・J・シュルツ)
アンナ・ゼーカーズ(H=A・ヴァルター)
マネス・シュペルバー(S・レンツ)
ハナ・アーレント(R・エンドレス)
訳者あとがき
人名索引

原題:Es ist ein Weinen in der Welt


◆本文紹介◆
本書では、ドイツにおけるユダヤ人の歴史が順を追って語られることとはない。ここで取り上げる人たちは、まず何よりもドイツへの同化が生んだ娘、息子たちなのであって、シナゴーグへ通うユダヤ教信者ではない。この人たちの多くは、自分たちのぶつけられた敵意によって初めて、その出自を意識すようになったのである。この人たちは時として、ドイツ人であらんがために、自らのユダヤ人性を捨てたり、否認しようとしたりしたが、しかし、それでも、その存在のありようが変わったわけではない。いうまでもなく、本書に収める人物を選択することは困難であった。こんな少数でよいわけはないのだ。しかし、この少数の人たちが、残りの多数を代表していると考えていただきたい。
 本書に収めたこれらの人々の肖像は、追悼である。これは墓碑銘ではなく讃歌であり、つまり、感謝の表明なのだ。「あの人たち抜きでいられるというのか?」リルケは問うた。リルケのいうあの人たちは、われわれの前にいた人たち、つまり死者のことである。ドイツのユダヤ人のついてこの同じ問いを立ててみれば、「いられない」と答えざるをえない。われわれは、あの人たちと対話し、それによって、せめて、あの人たちが残してくれた萌芽のいくつかを救おうとすべきなのである。(「まえがき」より)

designed & constructed by bizknowledge