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渡辺恒夫、高石恭子 編


『〈私〉という謎』
――自我体験の心理学


四六判240頁

定価:本体2500円+税

発売日 04.05.10

ISBN 4-7885-0898-2

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◆自分はなぜ、自分なのだろう?!
自分とは何か
――こういう問いに苦しんだのは、昔は哲学者や瞑想の行者くらいだったかもしれません。しかし今、心理学の先生たちは、学生の多くから、「なぜ、自分は自分に生まれたのだろう」「どうして私は、今ここにいるのだろう」「他の人も、ほんとうに自分のような意識をもっているんだろうか」といった疑問や悩みを打ち明けられて驚かされます。その答えを、心理学に期待しているのです。さて心理学はどう答えられるでしょうか。自らもそういう問いをもって研究を志した心理学者たちが、様々な角度からこの疑問に向き合い、本書が生まれました。
 編者渡辺は東邦大学教授、高石は甲南大学文学部教授

◆書評
2004年5月30日、読売新聞、三浦俊彦氏評
2004年10月10日、クロワッサン

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◆目 次◆
プロローグ…渡辺恒夫

第T部 〈私〉という謎の果てしなき旅へ
1自我体験とは…西村州衛男
2子どもが〈私〉と出会うとき…高石恭子

第U部 深まりゆき多岐化する〈私〉の謎
3どうして私は私のなのか…小松栄一+渡辺恒夫
4ぼくたちが住んでいたもう一つの世界…金沢 創

第V部 紙上シンポジウム―〈私〉の謎の心理学
5〈自我の発見〉の再発見…渡辺恒夫
6中学生の自我体験を探る…天谷祐子
7自我体験…小松栄一
8紙上シンポジウムへの補足とコメント…高石恭子+高井弘弥
9発達心理学から見た自我体験…高井弘弥

あとがき
註と文献


◆本文紹介◆
本書に収められた諸章を展望しつつ、先取りして言うならば、自我体験の研究が明らかにしつつあるのは、社会的なアイデンティティや自己概念といった外皮を、剥ぎに剥いで残る自己そのもの、私そのもの、といった次元だろう。
 けれども、当然ながら、諸経験に対象化して認識された「私そのもの」は、すでに「私そのもの」ではない。それだから、私そのものの次元とは、「なぜ私は…なのか」「私は本当に…なのか」「私とはいったいな何か」「これは本当の私ではない」といった、違和や懐疑や疑問や否定形を表現形式とする、問いかけの体験としてのみ、自らを顕し示すのである。
…中略…してみると、心理学が経験に基づく科学である問い事情からして、〈私そのもの〉という次元への私たちに探求は、この次元にまつわる体験現象とその心理学的な意義に限られてしまうのだろうか。筆者はそのようには考えない。問題の深さが方法論を開拓するのではなく、科学としての方法論が問題を制限するなどというのは、本末転倒であろう。むしろ、〈私そのもの〉という次元の探求を通じて、哲学や宗教学、さらには今、注目を集めつつある「意識研究」などとの学際的な場が開拓されれば、心の学問としての心理学にも、より豊かな展望がひらけるだろう。(「プロローグ」より)


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