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喜多村百合 著
『インドの発展とジェンダー』
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04.03.31 4-7885-0893-1
◆目 次◆ |
A5判 220頁 定価2835円(税込) |
◆インドの女性エンパワーメントの姿◆ インドでは、階級制度による制約が未だに強く、下層階級は貧困にあえいでいま す。さらに、家庭内では多くの女性が夫に代わって家計を支えているにもかかわ らず、宗教上の制約から女性が差別を受けています。本書は、このような厳しい 条件のなかで開発対象を女性に絞って活発に活動しているインドの代表的な開発 NGO・自営女性協会をとりあげ、その活動の実際に即して、これまで二重の差 別に苦しんできた女性が自分の労働を可視化し、みずからのアイデンティティを 再構築して主体として立ち上がり、自身をエンパワーしていく姿を描き出します。 著者は、筑紫女学園大学助教授(人類学)。◆本文紹介◆ インドの都市を歩くと、紅茶売りや露店の野菜売りなど、さまざまな小商いで生計をたてるおびただしい数の人びとを目にする。また路地に一歩足を踏み入れると、住まいをそのまま「生業の場」として長時間働く、多くの家内職人がいる。農村では、畑で農作業をしたり、家屋敷地内の菜園や畜舎で忙しく立ち働く人びとがいる。このように黙々と働く人びとの間に、少なからずサリー姿の女性たちが見出される。そして彼女たちは、その労働で家族を養う、家計支持者である場合が少なくない。 こういった女性たちを含めた、いわゆるインフォーマル・セクターに働く労働者は、経済統計では把握されにくいために、開発政策の対象からこぼれ落ちてきた。とくに、女性労働者たちは、「家庭の主婦」とみなされ、たとえ生産労働をしていても政策策定の場からは「見えにくい労働」であった。また働くじょせいたちも、暮らしを成り立たせる生産労働と家事を区別せず、自分自身を「労働者」と規定することはなかった。したがって、その労働を含めた暮らしは、開発政策や労働保護政策とは無縁の、生存ぎりぎりのところでほそぼそと行われてきた。 このように「見えにくい労働」を担ってきた女性たちが作る組織が、今、インドの開発現場で力をつけて注目されている。また、見えにくいがために不十分であった開発政策に提言の声をあげている。そして、その声は国際レベルにおける、労働者保護政策にまで届こうとしている。この本は、そのように力をつけ、声をあげてきたインドの多くの女性組織の一つである自営女性協会「SEWA」の開発民族誌である。(「はじめに」より) |