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J・ニニオ 著 鈴木光太郎、向井智子 訳


錯覚の世界
――古典的錯覚からコンピュータグラフィックスまで


B5変形226頁

定価:本体3800円+税

発売日 04.02.25

ISBN 4-7885-0888-5


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◆錯覚しなければ生きていけない!?
 人生は錯覚の連続。いつでも自分が正しいと思うのも、渋滞で自分の車線が一番ノロノロしていると思うのも、隣の芝生が青く見えるのも。だから人は古代から、さまざまな錯覚現象に多大な興味を抱いてきました。そして、その知識は手品や芸術や映画に応用されてきました。本書は、よく知られた古典的な錯視や身近な日常生活の錯覚ばかりでなく、著者が発見したコンピュータを駆使した新しい錯視図形を、多数の図版で楽しみながら錯覚の謎を解いてゆきます。眼に楽しく読んで膝を打つ知的エンタテインメントです。

◆鈴木光太郎氏の著書・訳書
(いずれも小社刊)
動物は世界をどう見るか
ヒューマン・ユニヴァーサルズ
鏡という謎
遺伝子は私たちをどこまで支配しているか
視覚のトリック
動物のこころを探る
脳は絵をどのように理解するか

◆書評
2004年12月26日、信濃毎日新聞、池内了氏評

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◆目 次◆
1章 錯覚がいっぱい―日常のなかの錯覚
2章 錯覚は古代から―錯覚研究小史
3章 錯覚の陰に錯覚あり―連鎖する錯覚
4章 凸か凹か―錯覚を分類する
5章 白黒が生む色―感覚の限界
6章 隣りの芝生―対比と同化
7章 浮動する縞―分類と同化
8章 無から有へ―完結化と創造
9章 逆さの世界に慣れる―順応
10章 月を描く―知覚の恒常性
11章 登る下り坂―基準点
12章 視覚が王様―矛盾と仲裁
13章 神経か経験か―文化と個人差
14章 タネも仕掛けも―マジックと錯覚
15章 非現実の現実―映像技術と錯覚
16章 痛む幻肢―記憶の誤り、心の錯誤
17章 最近の発見―日本語版への付章

原題:LA SCIENCE DES ILLUSIONS


◆本文一部◆
著者はフランス風のしゃれたスタイルで、スパイシーな皮肉や冗談もところどころに交えながら、読者を錯覚の世界へといざなう。その点で、本書は、英米の錯覚の解説書とは一味も二味も違っている。なかには、わざと読者を挑発して、ほんとにそうかと疑わせるような書き方をしている箇所もある。著者が言うには、できれば、日本の読者にもその挑発に乗って、錯覚について考えを深めてほしいとのこと。もちろん、錯覚図形の詰まった絵本として、ページを繰るだけでも十分楽しめる(図や写真の多くは著者の手になるものだ)。錯覚の解説書として、個性あふれる1冊と言えるだろう。(「訳者まえがき」より)

知覚は急速に順応するものがあり、これが数多くの「残効」を生じさせる。残効では、強い刺激作用によって、直後にそれとは逆方向の感覚が生じる。たとえば、熱い湯の入った洗面器に左手を、冷たい水の入った洗面器に右手をいれ、そのあとぬるま湯の洗面器に両手を入れてみよう。このぬるま湯は、左手には冷たく、右手には熱く感じられるだろう。眼を閉じてやってみると、それぞれの手が別の洗面器に入っているように感じられるはずだ。(「逆さの世界に慣れる―順応」より)

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