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鶴見俊輔・上野千鶴子・小熊英二 著
『戦争が遺したもの』
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04.03.10 4-7885-0887-7
◆目次 単一民族神話の起源 <日本人>の境界 インド日記 〈民主〉と〈愛国〉 対話の回路 |
46判 404頁 定価2940円(税込) |
◆鶴見俊輔氏がすべてを語る!◆ 『〈民主〉と〈愛国〉』で読書界の話題をさらった小熊氏が、今回はあの上野千鶴子氏をさそって、戦後思想界の大御所・鶴見俊輔氏に、戦争体験を軸に戦中から戦後にかけての経験をお聞きします。戦時中の捕虜虐殺、慰安婦問題、戦後の『思想の科学』時代、「転向」研究、安保闘争、ベ平連と脱走兵援助など、これまで聞き手が遠慮してきたようなこともすべてお聞きしています。また、鶴見氏も「今回はすべて話します」と言って、洗いざらい話されています。 はじめて聞くようなことが多く出てきて、鶴見俊輔ファンにとってはたまらない一冊となるでしょう。上野千鶴子ファン、小熊英二ファンにとっても、鶴見氏の赤裸々な「告白」をとおして戦後思想史の隠されていた部分が次々に明かされるスリルと、丁々発止の対談の魅力を味わうことができるでしょう。 ◆小熊英二「まえがき」より◆ 考えてみれば、かれこれ六〇年も「戦後」が続くというのは、奇妙なことだ。しかし「戦後」を相対化するためには「戦争が遺したもの」と向きあい、「戦後」を理解するべく努めるほかないであろう。いまだに「戦後世代」でしかありえない私たちは、いまだに「戦後」でしかありえない時代を生きてゆくなかで、そうした努力を迫られざるをえない。・・・・・・このような企画が実行できたことは、幸運なことだった。本書の読者が、鶴見俊輔という一人の知識人の足跡について、また戦争と戦後の歴史について、知り、考え、そして座談の場の知的高揚を共有していただければ幸いである。 ◆上野千鶴子「あとがき」より◆ 鶴見さんの信頼の深さをまえに、わたしはバトンを手渡された気分である。わたしも小熊さんも戦争を知らない。日本では人口の三分のニまでが、戦後生まれで占められるようになった。戦争体験は、もはや経験者が語り継ぐものではなくなり、それをまったく知らないものたちが再構成して引き受けるほかないものになった。だが、二十一世紀の今日、戦争は少しも過去のものになっていない。あの惨憺たる経験から、わたしたちが学んだことはまだまだ足りない、かのように。 歴史は、それから学ぼうとする者にしか姿をあらわさない。歴史という道しるべのない道を、わたしたちの前に立って歩んできた鶴見さんという知性から、学ぶことは多い。わたしたちはいささか性急に、そしてあまりに無遠慮に、かれがこれまで多く語ってこなかったことを引き出したことを引き出したかもしれない。それというのも、鶴見さんがわたしたちに示した寛大さと信頼のしるしであり、それを受け取ったものには責任が生まれる。願わくばその責任を、読者のあなたにも分かちあってもらいたい。そう願って本書を読者のもとに送りたい。 |