『陸軍将校たちの戦後史 』書評が毎日新聞に掲載されました - 2024.04.08
『パリの秘密』の社会史
ウージェーヌ・シューと新聞小説の時代
◆書評
2004年5月、出版ニュース
2004年6月1日、エコノミスト
2004年6月19日、図書新聞
プロローグ
ウージェーヌ・シューとは誰か?/なぜ『パリの秘密』なのか/邦訳について/本書の構成
第一章 新聞小説の時代
活字メディアの隆盛/出版業界の変革/7月王政期の新聞小説/第二帝政と大衆ジャーナリズムの誕生/世紀末からベル・エポック期へ
第二章 生の軌跡
ダンディな作家の肖像/サント=ブーヴの評価/一八四一年の転機/「私は社会主義者だ!」/『パリの秘密』から『さまよえるユダヤ人』へ/政治の季節/孤独な亡命生活/最後の愛、そして死
第三章 『パリの秘密』の情景
第一部/第二部/第三部/第四部/第五部/第六部/第七部/第八部/第九部/第十部/エピローグ
第四章 『パリの秘密』の社会史
第一節 パリの表象
パリの文学的形象/パリ神話の誕生/闇のパリ/上流社会の習俗―舞踏会と温室/カーニヴァルの民衆
第二節 犯罪・司法・監獄
「野蛮人」の相貌/フレジエとビュレ/司法制度への異議申立て/監獄制度をめぐる論争/死刑制度の拒否
第三節 社会小説としての『パリの秘密』
預言者の時代/犠牲者としての女性/社会が犯罪を生み出す/民衆と貧困
第四節 ユートピアの諸相
ユートピアに向けて/理想の工場/マルクスがシューを断罪する/ヒーローの相貌
終章 大衆小説の射程
新聞小説をめぐる論争/文学とイデオロギー
補遺 読者からシューへの手紙
あとがき
関連年表
注/参考文献/人名索引