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森 明子 編


『ヨーロッパ人類学』
――近代世界再編の現場から


A5判270頁

定価:本体3200円+税

発売日 04.03.01

ISBN 4-7885-0885-0

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◆ヨーロッパ的知の脱構築◆

知のポストコロニアル状況、いわゆる言語論的転回以降、文化人類学の「他者/未開」=非西欧を研究する学問、という前提が崩れ、対象としての「ヨーロッパ」がクローズアップされてきました。本書は気鋭の人類学者が結集し、変貌する現代ヨーロッパ(公共空間、ジェンダー、都市―農村、移民、少数言語、宗教と近代化、植民地文化)を、ヨーロッパ内部および周縁地域のフィールドワークと歴史資料から精細に描き出しています。EU統合というダイナミックな近代世界再編成の現場から、ヨーロッパ的知=西欧中心主義の組替えと人類学的知の再構築を迫る意欲的論集です。編者は国立民族学博物館助教授。

◆編者の本
『土地をよみかえる家族』→
http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/4-7885-0663-7.htm


◆本文紹介◆
1970年代以降の人類学は、世界システムへの関心を高めていった。それがポストコロニアルの世界状況を投影したものであることはいうまでもない。当然の帰結として、人類学は研究対象の見直しを迫られることになった。なぜなら、「エキゾチックな、非西欧の(野蛮な)他者」とされていた人類学の研究対象は、調査者が属しているのと同じ世界システムの内部に再配置されるようになったからである。人類学は、「他者」の学問から普遍的な人間の科学を標榜する学問分野へ、転換をはからざるをえなくなった。ヨーロッパ人類学は、このような人類学の発展的な転機に認知されたのであり、それは普遍的な人間の科学を標榜する現代人類学の一分野を構成するものとして位置づけられる。  このような現代人類学としてのヨーロッパ人類学の問いかけは、ヨーロッパを人類学の研究対象としていかにとらえるかという問いに収瞼していく。(「序」)より

◆書評
2004年5月14日、週刊読書人、出口雅敏氏評

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◆目 次◆
序 ヨーロッパ人類学の可能性…森 明子
コラム ドイツ民俗学から「ヨーロッパ民族学」へ
第一部 公共性と社会空間
1 ユートピアのヨーロッパ―フランス・ジェラ地方における公共空間の構造化と社会的ヨーロッパ…三浦 敦
2 イタリアの名誉と男と性…宇田川妙子
3 開かれゆく参加空間―フランス・ルルド巡礼の世界…寺戸淳子
4 家族の再編と現代都市―ベルリンのトルコ移民第二世代をめぐって…森 明子
5 村を再考する―ギリシャ・カロニ村のフィールドワーク…内山明子

第二部 周縁・越境・統合
6 移民の歴史をいかに語るか―南イタリアの事例から…北村暁夫
コラム ヨーロッパと移民
7 ヨーロッパのムスリム―ドイツ在住のトルコ人の事例から…石川真作
8 聖職者と信者の宗教的実践の差異と相互関係…新免光比呂
9 ことばをつくる―ロシア・カレリアの文語運動…庄司博史
10 ヨーロッパの知的のなかのフィンランド―フィン‐ウゴル主義をめぐって…岩竹美加子
11 植民地に移植された文化―スペインから新世界へ…黒田悦子
コラム 展示図録が明らかにするスペイン王カルロスT世の姿
編者あとがき
人名索引/事項索引

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