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C・A・バウアーズ 著/杉本 卓・和田惠美子 訳


『コンピュータを疑え』
――文化・教育・生態系が壊されるとき


四六判272頁円

定価:本体2800円+税

発売日 03.12.10

ISBN 4-7885-0880-X

◆コンピュータは文化の多様性と生態系を破壊する!?◆

コンピュータはいまや社会の中核技術です。その「問題点」は主として「悪い」情報や使われ方にあり、それ自体は中立の技術だと称揚されています。
しかし、コンピュータには、個人主義と絶えざる変化を求めるライフスタイルを推し進め、ひいては生態系の危機をもたらすと著者は主張します。それはなぜか。本書はその根拠を事実に即して詳しく述べ、今こそ、教育がコンピュータのもつこのような本質的問題に対抗すべきであることを説いています。コンピュータの影響と教育に関心を持つすべての人々にとって見逃せない、斬新かつ刺激的な一冊です。訳者杉本卓氏は千葉工業大学助教授。


◆本文一部◆
本書で論じているように、西洋のコンピュータ推進派は、文化的に多様な知識、共同体との関わり方、世代を超えて結びついているライフスタイル(それらはデジタル化することができないものです)を理解していません。また大学教育はその幅の狭さのために、コンピュータが本質的に西洋の思考形態の重要な特徴を強化するということを、西洋のコンピュータ推進論者に認識させることができないのです。コンピュータ推進派の中には、コンピュータを人間進化の過程における根本的な変化を代表するものとして見ている人もいます。コンピュータが理性的で精神的な存在として、人間にとって代わるというのです。また、コンピュータが情報に富んだ全地球的な一つの文化を作り出すだろうと信じている人もいます。さらに、学校の教師にとって代わり、実際に顔を向き合わせて結ぶ関係の必要性にとって変わる等々の、特定の利用のしかたに関連してコンピュータを考える人もいます。こういう未来予想のシナリオはどれも、文化の多様性と生物種の多様性との結びつきを理解していませんし、他の道をとってきた文化ほど進んだ象徴機能を、テクノロジー志向の文化は持っていないかもしれないということを理解していません。自文化と他文化を深く理解することは、彼らの教育には含まれていません。こういう教育が欠けているため、コンピュータ利用のすべてが進歩であると解釈したり、重要な文化的伝統をコンピュータがいかに蝕んでいるかに気づかないのです。(「序」より)

◆訳者杉本卓氏の訳書

サンダース著『本が死ぬところ暴力が生まれる』新曜社ISBN:4-7828-0652-1、98.10

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◆目 次◆
第1部 文化と生態系にもたらされるもの
1グローバル化するサイバースペース―未来物語と現実
2サイバースペースの文化と日常生活
3知恵をデータで置き換える―その生態学的意味
4進化論的議論とグローバルなコンピュータ文化

第2部 教育の影響
5コンピュータにもとづく教育の見こみ違い
6なぜコンピュータが教師に取って代わってはならないか
7テクノロジーを考え直す―教育に何ができるか
訳者あとがき
文献/事項索引/人名索引

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