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前川啓治 著


『グローカリゼーションの人類学』
――国際文化・開発・移民


四六判208頁

定価:本体2300円+税

    

発売日 04.01.08

ISBN 4-7885-0879-6


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◆グローバリゼーションをローカル化する
? 圧倒的な力で世界を覆いつつあるグローバル化に対してわれわれは手をこまねいているしかないのでしょうか。本書は、地域社会がいかにグローバルな文化を変容させて(ローカル化)、自分たちの文化を創り上げているかを、マクドナルド、開発、移民などを題材に、グローカリゼーション、翻訳的適応などの魅力的な概念装置で読み解いた本です。地球規模のグローバル化によって、かつて人類学の対象であった「未開」社会は滅びたといわれます。しかし、現代社会を対象としたアクチュアルな学問としての人類学には豊かな問題領域と可能性が生まれてい

◆本文一部◆
より強力な文化が到来しても、その文化は現地の文化に読み換えられる。その結果ローカライズされた文化が、また別の文化と接触することによって、さらなるローカリゼーションの過程を生じる。あるいは、逆に元の文化に影響を与え返すこともある。ファーストフード・チェーンはなにも、アメリカのハンバーガー・チェーンだけではない。今後、すしやうどん、緑茶が日本発のファーストフードとしてチェーン化し、グローバライズされるのは時間の問題であろう。そして、それもまた各国、各社会でローカライズされたスタイルに変形されながら受容されてゆくのである。世界規模のこうした「文化の接合の弁証法」の複層的で相互的なやりとりこそが、グローバリゼーションの時代の文化と社会の変化のありようを規程する。決してグローバリゼーションすなわちアメリカナイゼーションにはならないのである。(「第一章 グローカル化するマクドナルド」より)


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◆目 次◆
T 国際文化論と人類学
第一章 グローカル化するマクドナルド
1グローバリゼーション/2マクドナルドの合理性/3洋食の歴史/4日本の近代化/5東アジアのマクドナルド/6文化の接合
第二章 文化と文明の連続性
1「文科的」視点の政治経済学/2適応としての「国際化」論/3文化の否定性から文明の衝突論へ/4文明の衝突論を超えて

U 文化と開発
第三章 システムの変容
1贈与と商品/2「翻訳的適応」としての社会変化/3生産と交換に関する理論/4トレス海峡社会−生産/5トレス海峡社会−消費/6システムの変容
第四章 文化の構築
1開国の意味/2原理的客体化論と操作的客体化論/3文化の断絶と文化の連続/4内発的変化と外発的変化/5世界システム論/ポスト・モダニズム・操作的客体化論、と文化/6植民、接合、プラクティス/7開発/8社会科学としての人類学

V 移民と多文化主義
第五章 国境を超える共同体
1移民の捉え方/2チューク諸島/3グアム・サイパンへの移民/4グアム・サイパンにおけるチューク人/5母社会と移民共同体/6文科的連続性と不連続性/7国境を超える共同体
第六章 多文化主義と移民
1多文化主義とは?/難民としての移民/3多文化主義とメディア/4シドニーのベトナム共同体/5多文化オーストラリアにおけるベトナム人アイデンティティ/6世代間の軋轢と文化の再生/7ベトナム人のジェンダー関係の変化とアイデンティティの政治/8移民と多文化主義

注/あとがき/参考文献

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