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キャロライン・マーヴィン 著
吉見俊哉・水越伸・伊藤昌亮 訳

古いメディアが新しかった時
――電気社会の誕生


A5判480頁

定価:本体4500円+税

発売日 03.08.31

ISBN 4-7885-0868-0

◆書評
2003年12月14日、読売新聞、白石隆氏評

◆百年以上前のニューメディア騒動!?
マクルーハンがいうとおり、メディアは私たちの慣習や感受性を大きく変えていきます。そのことをリアルに体感させてくれるのが本書です。時代は、電信、電話、ラジオが次々に実用化され始めた「電気の時代」19世紀後半、当時の「ニューメディア」がどんな騒動を引き起こしたか、さまざまなエピソードを新聞・雑誌の記事から丹念に拾い集めて、メディアが私たちの行動や心性のあり方を根本から揺り動かしてゆくさまをアリアリと描き出します。学術書でありながら、「電子の時代」を生きる私たちが身につまされる、迫真的な面白さに満ちた読みものとなっています。

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◆目 次◆
序章
第一章 専門家を発明する‐社会的通貨としての技術リテラシー
電気技術のテクスト共同体/インサイダーとアウトサイダー/力ないものに烙印する/電気によるごまかしと権威/高等科学と高級文化

第二章 共同体と階級秩序‐家庭と地域における変化
コミュニケーション・ネットワークとしての家庭と家族/緊張感と信頼感

第三章 身体としての電気‐競合する権威と電気的時空
身体的な経験という権威/電気的に変貌する身体

第四章 眩惑される大衆‐メディア・スペクタクルの起源
拡張された対話/拡張されたスペクタクル/公的な明かりと私的な明かり

第五章 空間・時間・差異の制圧‐文化的均質化の実験
メディアの自己中心的宇宙/未来を実現する

おわりに
注・索引


◆本文一部紹介◆
 もしも、新しいコミュニケーション装置が、十九世紀末における諸々の社会的領土を方向づける 媒介的な役割を果たしていたとするならば、そのような社会的領土のために構築された地図のいくつかが見せかけの構築物であったことも、二十世紀にはさまざまな人びとが暴露しようとしてきたところである。とはいえ、十九世紀のエンジニアたちが二十世紀のフェミニストや人権運動の闘士となることに失敗したからといって、彼らを非難することは無意味である。その反面、十九世紀の電気の専門家たちや彼らの周りにいた公衆が、いかにして彼ら自身が望ましいと考えた社会的世界を十九世紀末のテクノロジーの上に投射していたのか、そしてまたどのような正当化の機制や怖れの感覚が、そのような投射を動機づけていたのかについて理解することは有益かもしれない。二十世紀のメディアに至る道を用意したもともとのコミュニケーション技術は、社会的な階層構造を、枠組みとして維持するために組みたてられていたことに留意することも重要である。そしてこの階層的枠組みが、現代における持続的な挑戦を呼び起こしたのである。他の何にもまして、このような挑戦にこそ、われわれの時代が十九世紀とは大きく変化してきたことを測る尺度が存在するのである。


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