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ローレンス・J・フリードマン 著
やまだようこ・西平直 監訳/鈴木眞理子・三宅真季子 訳

エリクソンの人生 上 下
――アイデンティティの探求者


発売日 03.06.25

上 ISBN 4-7885-0857-5

上巻A5判336頁円

上定価:本体4200円+税

発売日 03.06.25

下 ISBN 4-7885-0858-3

下巻A5判410頁

下定価:本体4500円+税

◆偉大なる精神の軌跡◆
 101年前の6月、父なし子としてデンマークに生まれたエリクソン。この出生の秘密は、生涯彼の頭から離れることがありませんでした。オーストリアで、フロイトの娘アンナに師事して精神分析家の資格を得た彼は、ナチスの席巻するウィーンを離れ、アメリカに渡ります。言葉も文化もまるで違う異国で、彼はアイデンティティ概念の確立者として成功を収め、今やアイデンティティという言葉は、日本語でも日常語と言えるまでになっています。本書は、エリクソンの人生と思想をこれまで知られていなかった部分にまで掘り下げて追いながら、20世紀をほぼまるごと生きたこの偉大な精神が私たちに何を残してくれたのか、私たちはそれをどう継承してゆけるのかを改めて考えさせてくれる本です。監訳者やまだようこ氏は京大教授、西平直氏は東大助教授。

◆本文一部
エリクソンの幼年期を探るのは容易ではない。幼いころのエリクは、後年の彼のような人物、つまり賢明な導き手、よき助言者を必死で求めていたように思われる。私生児として生まれ、母の再婚相手の養子となった彼は、実の父親が誰かを知らなかった。そしてエリクソンの言い方にならえば、実母と養父の愛情から出た欺きによって問題は悪化したのである。彼らは長年嘘をつき通した。「養子であったことは、エリクソンの実存の大テーマでした。いつも、そのことを話題にしたものです」と、子ども時代の親友ペーター・ブロスはいう。(第1章より)

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cover

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◆書評
2003年、週刊読書人、鈴木晶氏評
2003年9月2日、朝日新聞、長田弘氏評

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目 次

上 巻
はじめに
第1章 新しい始まりに向けて―子ども時代と青春の日々
出生の秘密/義理の息子のアイデンティティ/ギムナジウムを修了し遍歴の日々へ/「エリクの手記」/新しい始まり
第2章 ウィーン時代―天職としての精神分析(1927-33年)
ヒーツィング学校/精神分析家を目指して/アンナ・フロイトとの分析/ジョアン・サーソンとエリク・ホンブルガー/独自の精神分析を目指して/ウィーンを後にする
第3章 「アメリカ人の制作」―ホンブルガーからエリクソンへ(1933-39年)
短いデンマークでの暮らし/アメリカへの移住/仕事の責任の拡大/イェール/相性のよい学際研究―文化とパーソナリティ運動/ニューヘブンでの家族のこと/エリク・エリクソンになる
第4章 交差文化のモザイク―『子ども期と社会』
バークレー/アイデンティティと歴史的変化/ドイツのすさんだ若者/アメリカ人のアイデンティティ/スー族とユーロク族/若きゴーリキー
第5章 循環する生―『子ども期と社会』そのU
精神分析の理論と臨床における活動/ニール・エリクソン/ニールとライフサイクル・モデルの誕生/ライフサイクル/『子ども期と社会』の完成/エリクソンの読者
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下 巻
第6章 声、そして真正なること―1950年代
忠誠誓約書の危機/ストックブリッジ/臨床の仕事/青年ルター/ルターの変容、そして『青年ルター』の完成/平行する道すじ/母カーラとのわだかまり
7章 教授、そして公共的知識人として―1960年代
ハーバード大学との交渉/教授として/学生運動/ケンブリッジの外で/インド/コーテュイ/書く、書き直す、出版する/奇妙な季節/研究と執筆の圧力/三つの世代/結論
第8章 世界的預言者―エリクソンの「真理」
二冊の本と一つの結婚/ガンディーに宛てて手紙を書く/世界的預言者/『ガンディーの真理』の評判/ケンブリッジからオークランドへ、1970-71/ゴドキン講演/ジェファーソン講演
第9章 老年の公私の問題
批判/バーマンの批判/第一線を退く/映画『野イチゴ』/「ガリラヤ人の言葉と『わたし』の感覚」
第10章 「非存在の影」
ライフサイクル/東部へ、そして徐々に終息へ/最後のとき

あとがき

原題:IDENTITY'S ARCHTECT-A Biography of Erik H.Erikson 1999


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