|
六車由実 著
『神、人を喰う』
| ||
|
03.03.31 4-7885-0842-7
◆目次 |
四六上 280頁 定価2625円(税込) |
◆「食べられる」こと、「人を喰う」ことのリアルへ◆ 庄屋の屋根に白羽の矢が立って、娘を神(怪物)の生け贄に差し出さないとい けなくなる――そういう人身御供の話を縁起とする祭りが、今も全国にたくさ んあります。著者は、このような祭りの詳細な調査をとおして、人身御供とは 「神の食べ物」として生ま身の人間を捧げることであり、それは祭りの後の直 会において神を食べること、共同体の人間がお互いを食べることにつながると 言います。そこから、現代においてもこのような「野蛮で残酷な」話が語られ るのは何故かと問い、肉食的な暴力性を排除してきた農耕社会・文明社会の根 源にまで及びます。期待の新鋭のスケールの大きな論考です。著者は東北芸術 工科大学研究員。◆本文一部紹介◆ 人身御供譚とは、人を神の食べ物として犠牲にする物語である。そこには、美しい娘や幼子が無残にも神に貪り食われる様子がリアルに描かれている。いったい、人々はなぜそのような恐ろしい物語を伝承してきたのか。そして、なぜ祭の度ごとにそうした物語の悲劇的な場面が想起され。再現されなければならなかったのか。本書はそうした血なまぐさい「人身御供の語り」がその由来譚として伝承される祭(これを「人身御供祭祀」と呼ぶことにする)の分析を通して、祭に要請される「暴力」とその意味を中心に考えてみたい。(「はじめ」により) |