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P・ブルッカー 著/有元 健、本橋哲也 訳


『文化理論用語集』
――カルチュラル・スタディーズ+(プラス)


A5判336頁

定価:本体3800円+税

発売日 03.01.20.

ISBN 4-7885-0831-1

●キーワードの運動別・主題別分類 例
◆映画、メディア、大衆文化
イメージ、オーディエンス、カルト、キッチュ、交渉、コード、コミュニケーション、ジェンダー、ジャンル、受容、上演、流れ、発信者/受信者、番組編成、文化産業、分節化/結合、縫合、ポップ、ポピュラー/大衆的、ポピュリズム/大衆迎合主義、マス/大衆/大量、まなざし、メッセージ、物語/ナラティブ、モンタージュ、門番

◆構造主義・ポスト構造主義・言説
アーカイヴ、アポリア、入れ子構造、エクリチュ−ル/書記、エピステーメ、快感/快楽、過剰、間テクスト性、記号、共時性、共働、テクスト性、享楽、系譜学、言説、現前の形而上学、権力、考古学、コード、痕跡、差異/差延、散種、主体、代補、対話法、他性、脱構築、通時的/共時的、分節化/節合、ブリコラージュ/器用仕事、閉止、ヘテログロシア、ヘテロトピア、縫合、メタ物語、物語/ナラティヴ、読みうる/書きうる、ラングとパロール

◆情報理論
インターネット、カオス、コミュニケーション、サイバースペース、サイバネティクス、ディジタル、ネットワーク、ハイパーテクスト、メッセージ

◆精神分析
圧縮と置換、エディプス・コンプレックス、延期された行為、おぞましきもの、過剰、鏡像段階、空想、誤認、主体、セクシュアリティ、想像界/象徴界/現実界、他者、転移、ファルス/男根、フェティシズム、縫合、まなざし、無意識、夢作業

◆フェミニズム
イデオロギー、エクリチュ-ル・フェミニン、快感/快楽、ガイネシス、ガイノクリティシズム、過剰、仮装、家父長性、享楽、クイア理論、コーラ、差異/差延、再生産、サイボーグ、ジェンダー、主体、身体、侵犯的、想像界/象徴界/現実界、性的差異、セクシュアリティ、セミオティック、パフォーマティヴィティ/行為遂行性、ファロセントリック/男根中心主義、フェティシズム、「フェミニズムにおける男性」、本質主義、まなざし、遊女(フラヌーズ)、ユートピア、欲望、両性具有

◆文化の社会学
アイデンティティ、異種混淆性/雑種性、イデオロギー、エスニシティ、エリート、階級、感情の構造、境界性、近代、組み込み、グローバリゼーション、公共圏、コミュニティ/共同体、再帰的近代化、サイト、サブカルチャー、市民権、市民社会、象徴的暴力、消費主義、身体、多文化主義、知識人、地域的/局地的、ツーリズム、ディアスボラ、ディスタンクシオン/差別化、都市、対抗文化、日常文化、場、場所、ハビトゥス、文化産業、文化主義、文化の政治学、編成、民族誌、遊民

◆文芸批評・美の理論
アヴァン・ギャルド、アウラ、異化、イコン、エリート、解釈学、解釈共同体、価値、キッチュ、キャンプ、ゴシック、ジャンル、正典、作者、自律性、脱親和化、テクスト性、美学、フォルマリズム、閉止、ポピュラー/大衆的、メタフィクション、モダニズム、物語/ナラティヴ、ユートピア、読み、リアリズム

◆ポストモダニズム・ポストコロニアリズム
異種混淆性/雑種、ヴァーチャル・リアリティ、エスニシティ、オリエンタリズム、近代、空間、グローバリゼーション、混合主義、シミュレーション、人種、スペクタクル、全体性、地域的/局所的、都市、流れ、ナショナリズム、ノスタルジア、ハイパーリアリティ、パスティッシュ、パロディ、ポストフォーディズム、モダニズム

◆マルクス主義
イェトツァイト、異化作用、意識、イデオロギー、イデオロギー批判、階級、啓蒙、行為媒体、国家のイデオロギー装置、再生産、支配的/残余的/現出的、召喚/呼びかけ、状況、消費主義、商品の物心化/フェティシズム、植民地主義、生産、全体性、相対的自律性、疎外、帝国主義、土台と上部構造、ナショナリズム、批判/クリティック、批判理論、ヒューマニズム、物象化、ヘゲモニー、弁証法、ポストマルクス主義、マス/大衆、唯物論、ユートピア、歴史主義

◆理論生成の迫力を伝える◆

「面白いのはいつでも相互の結びつきで、どちらが優先するかでは ない」M・フーコー

ひとりの著者が、文化の理論が生成する現場に誘い込むような迫力をも って書き下ろした用語集です。集成されたことばは、カルチュラル・ス タディーズを中心に、マルクス主義、精神分析、社会学、文学理論、フ ェミニズム等々の分野にひろがる基本概念300個以上。読者は、著者 が仕掛けた用語から用語へ、思想家から思想家への内的関連の糸を辿っ て頭のサーフィンを楽しみながら、新しい概念の解像力に導かれ、伝統 的概念の潜勢力に目を開かれるでしょう。「読ませる挑発、読む快楽」 に満ちた用語集です。

●著者の「はじめに」より
「用語集の語句の並びが必然的にアルファベット順(本訳書ではアイウ エオ順)になるにもかかわらず、多くの語句は、実際にはすべての語句 が、拡大する言説や理論的語彙の中で他の語句と結びつくということで す。したがって、一人の著者もしくは読者として、一つの概念から別の 概念へと進むことになります。例えば「ジェンダー」を出発点として、 「身体」や「セクシュアリティ」、「性的差異」、「フェミニズム」へ と進むかもしれませんし、また同じ出発点から「差延」や「脱構築」、 あるいは「主体」や「主体性」、「イデオロギー」、「マルクス主義」、 「階級」などに導かれることもあるでしょう。事前に予測された単一の 道筋はありません。むしろ多くの道筋とネットワークがあり得るのです。 こうしたつながりは、私にとってこの本を書く際の最も興奮する爽快な 側面でした」

原題:Cuitural Theory A Glossary Peter BrooKer 1999

項目例
アウラ
Aura
ウォルター・ベンヤミン(Benjyamin1970)の論考「複製技術時代の作品」において初めて使われた用語であり、一つの芸術作品の唯一性と、それが伝統や儀礼と結びつくことで付与される神秘的な価値を示す。ベンヤミンが論じたこの特性は、技術的再生産のプロセスによって危機に面した。しかし、彼はこれが全く否定的な結果しかもたないとは考えなかった。というのも、写真やとりわけ映画といった新たな大衆芸術は、根本的な改革をめざした集団的な新しい次元を導入したからである。この議論は彼の研究において、それら大衆芸術の象徴的性質ではなくアレゴリー的性質に結びつけられるだろう。
 ベンヤミンの同時代人でもあり、彼も関わっていた社会研究所の代表的人物であったテオドール・アドルノも同様に技術や芸術への関心をもっていた。しかし、アドルノは大量複製という商業的芸術の可能性については否定的であった。ベンヤミンの議論に直接返答するかたちで、彼は芸術の自律性を擁護し、またベンヤミンが芸術は特権的に秘術的もしくは霊的アウラというブルジョワ的属性をもつとしたことに対して批判を行った。アドルノによればこのような見方は、自律的芸術においては秘術的アウラとそれとは逆の「自由の印」とが内的かつ弁証的に並置されていることを無視するものなのである。(Adorno1992:52)
 オリジナルな芸術作品の美学的・文化的地位は、いまだに議論の対象である。最近では確かにオリジナルな芸術作品、とりわけ絵画などは、急激に商品価値を上げている(Bourdieu1984)。このように、ベンヤミンのいう世俗化という意味で、それらの「アウラ」は減ってきたのではなく増加してきたわけだが、同時に複製技術が拡大するプロセスはベンヤミンの論点を補強してきた。例えばフレドリック・ジェイムソンは、「唯一の自己というイデオロギー」と同様、オリジナルな芸術作品は過去のものだ、と述べている。(Jameson1992:168)。唯一性の喪失、そしてそれに伴う上流階級と大衆文化の区別の喪失、またポピュラー文化とその結果としての表面的な折衷主義との区別の喪失は、ポストモダニズムの一般的な特徴として認められるものである。

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