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出口剛司


エーリッヒ・フロム
――希望なき時代の希望


A5判336頁

定価:本体3800円+税

発売日02.10.27.

ISBN 4-7885-0824-9

◆『自由からの逃走』の真の評価は本書から

超ロングセラー『自由からの逃走』の思想史的射程は驚くほど広く、かつ深い−−その平明な文体、自由で柔軟な発想、節度あるヒューマニズムがかえって専門研究を遠ざけてきたフロムの初めての本格的研究書です。理性による人間の危機というフランクフルト学派の思想から出発して、独自の知的遍歴を重ねたフロム。マルクスとフロイトに学んで冷厳な批判精神を鍛えつつ、スピノザとの出会いをへて、理性的認識そのものがその認識力によって治療効果をもたらすという「臨床の知」としての社会学に到達したフロム。その軌跡を深い共感をもって描き出した気鋭の力作です。著者は立命館大学教授。

◆書評
2003年1月18日、図書新聞、清水多吉氏評
2003年2月、出版ニュース

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目次

はじめに
第T部 方法としてのディアスポラ
第1章 自然の光・理性の社会心理学
1モデルネと啓蒙の弁証法/2貫徹する自然の光/3後期モデルにおけるスピノザ主義/むすび
第2章 唯物論と「はざまの思考」のために
1思想史と社会史のはざまで/2テクストとコンテクスト/3時間と対立する空間/4テクストに表現される二つの力/むすび

第U部 排除の空間と亡命
第3章「啓蒙の弁証法」の社会史
1『啓蒙の弁証法』の社会史/2啓蒙の弁証法の思想史/3文化社会学の誕生/むすび
第4章 文化社会学への寄留
1民族誌としての啓蒙の弁証法/2文化社会学への寄留/3文化運動としてのハシティズム/4ハシティズムの方法化/むすび
第5章 文化的諸表象の重層化
1亡命・唯物論と二重の自己解放/2唯物論的思考の形成/3二重の唯物論的文化研究の完成/4唯物論的転回から倫理学へ/むすび

第V部 約束の地と倫理
第6章 匿名の幾何学的空間
1二重の外部と亡命の空間/2匿名の幾何学的空間/3様態の織りなす表現的空間/4再びフロムの言説空間へ/むすび
第7章 快楽と無力の権力支配
1権威の学際的研究/2内面的支配の社会学/3市民的階級の内的構成関係/むすび
第8章 近代社会の構成原理
1亡命と逃走/2近代的個人主義の系譜学/3自然的理性の約束/むすび

第W部 守られない約束・希望へのまなざし
第9章 精神分析と様態の倫理学
1近代的個人主義の危機/2大いなる拒絶か、未知なる一人称か/むすび
第10章 二つの自由とアナーキズム
1「二つの自由」論/2アナーキズムと政治的構想力

むすびに代えて
あとがき

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