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D・オーウェン 著/宮原浩二郎、名部圭一 訳


『成熟と近代』
――ニーチェ・ウェーバー・フーコーの系譜学


四六判440頁

定価:本体3900円+税

発売日 02.12.10.

ISBN 4-7885-0821-4

◆目次

批判の問題/本書の構成

第一章 カントと成熟の問題
カントと啓蒙としての成熟/自律・理性・歴史/結論

第二章 批判の変容―ニーチェと系譜学
認識から系譜学へ/立法から価値評価へ/説明原理としての権力への意志/価値評価原理としての権力への意志

第三章 近代性の系譜学へ―ニーチェ・禁欲主義・ニヒリズム
本能から主体性へ/主体性へ―習俗と文化/主人と奴隷―〈ルサンチマン〉/〈ルサンチマン〉から〈良心の疚しさへ〉−ユダヤの経験/〈ルサンチマン〉から〈良心の疚しさへ〉−ギリシアの経験/ユダヤ―ギリシア・ギリシア―ユダヤ―キリスト教と心理のへの意志/キリスト教・「育成」・自己・−反省/ニヒリズムの出現と近代人の能力

第四章 〈超人〉の政治―ニーチェ・成熟・近代
文化・共同体・ニヒリズム/〈良心の疚しさへ〉の克服―人が在るところのものに成ること/〈ルサンチマン〉の克服1−距離のパトスとしての永遠回帰/〈ルサンチマン〉の克服2−永遠回帰の時間/自律と永遠回帰/永遠回帰の政治/〈超人〉の両義性―「ナポレオン」と「ゲーテ」/結論―ニーチェの権威
第五章 文化科学としての系譜学―ウェーバー・方法論・批判
歴史・文化・価値―リッケルト批判/「価値自由」・知的誠実性・理念型/説明と文化科学/批判としての文化科学

第六章 近代性の系譜学―ウェーバー・禁欲主義・脱呪術化
原始宗教から普遍宗教へ―古代ユダヤ教/プロテスタント倫理1−カリスマ・召命=天職・生の諸領域/プロテスタント倫理2−科学と世俗化/プロテスタント倫理3−政治と官僚制化/近代の運命

第七章 「人格の政治」−ウェーバー・成熟・近代
近代の両義性/「人格」という理念―ウェーバーの文化思想/「召命=天職」という理念―ウェーバーの職業倫理/抵抗の政治/両義的倫理―職業としての学問と政治/結論―ウェーバーの権威

第八章 歴史的存在論としての系譜学―フーコー・方法論・批判
啓蒙・人間主義・近代性/考古学的離反としてのアイロニックな英雄化/系譜学的関与としてのアイロニックな英雄化/二重のまなざし―問題機制と実践/説明と歴史的存在論/批判としての歴史的存在論

第九章 近代性の系譜学―フーコー・人間主義・生―政治
人間主義の考古学/処罰的理性について―個人の客体化/制的理性について―個人の主体化/政治的理性について―存在と生―政治

第十章 批判の政治―フーコー・成熟・近代
人間主義の「ダブル・バインド」/反人間主義の倫理/政治としての倫理/知識人と批判活動/垂範的批判としての系譜学

結論
思考と時間/近代性の系譜学/成熟と批判

用語解説集

◆思想界待望の翻訳!◆

ニーチェ、ウェーバー、フーコーという三人の思想界の巨人を一つの理論化 の伝統に属すものととらえ、系譜学として大胆に示した、初めての著作です。 本書はすでに山之内靖氏の『マックス・ヴェーバー入門』(岩波新書)など で、高く評価されています。カント以来の近代思想におけるキーワードを 「啓蒙」から「成熟」へ置き換え、ニーチェ、ウェーバー、フーコーの思想 的軌跡を解明し、その批判的方法論、人間の自律を指向する系譜学とは何か を明らかにしていきます。理論的に精緻かつ哲学的に思慮深い洞察の書であ るだけでなく、巻末に用語解説、参考文献を付し幅広い読者層へ配慮してい ます。著者はイギリスの気鋭の社会学者。



◆本文一部◆
ニーチェ、ウェーバー、フーコーの親和性を指摘することは、いまやありふれたものになった。しかし、そうした論評の繰り返しにもかかわらず、この親和性に固有の性格や意義については、まだ綿密な体系的検討がなされていない。本書は、ニーチェ、ウェーバー、フーコーが近代思想における批判的思考の独特の軌道をなすものとして読まれ得ると論じ、さらにまた、この思考軌道の特徴を〈成熟〉(maturity)と〈近代〉(modernity)というテーマに拠りつつ明らかにすることによって、この欠落を埋めようと試みる。(序より)


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