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マーティン・マックィラン 著/土田知則 訳


『ポール・ド・マンの思想』
――


四六判272頁

定価:本体3200円+税

発売日 02.08.05.

ISBN 4-7885-0816-8

何故ド・マンなのか
ド・マンの生涯/ド・マンとディスコンストラクション/本書について
キー概念
1 文学言語と誤読 『盲目と洞察』
 「文学と言語−注釈」/レトリック/読みの新たな定義づけ/「盲目のレトリック−ジャック・デリダのルソー読解」/誤読とディスコンストラクション
2 レトリック、読み、ディスコンストラクション 『読むこと』のアレゴリー  哲学と文学/アレゴリーと物語/テクストと文法/『読むこと』のアレゴリーのキー・モーメント/告白/言い訳
3 不可能なものの経験としてのディスコンストラクション 『理論への抵抗』  『理論への抵抗』/言語への抵抗/文学理論の洞察/抵抗としての理論/「理論への抵抗」と意味の連鎖/「翻訳者の使命」/翻訳者の失敗
4 汚損、摩損、自叙伝 『ロマン主義のレトリック』
「汚損されたシェリー」/汚損・脱形象化/「摩損としての自叙伝」/自叙伝と虚構/自叙伝と活喩法
5 政治学、哲学、そして比喩的なもの 『美のイデオロギー』
ポール・ド・マンの政治学/文学の物質性/テクストでないものは何もない/美のイデオロギー/読みという物質的な出来事
6 責任および作者であること ド・マンの戦時ジャーナリズム
ポール・ド・マン、アンリ・ド・マン、そして戦時ベルギー/ド・マンのジャーナリズム/ポール・ド・マンの全著作物を読む
ド・マン以後
ド・マンを散種する/機械としてのテクスト/読むことの倫理
付録 現代文学におけるユダヤ人


◆ド・マンの著作
『ロマン主義のレトリック』法政大学出版局、山形 和美訳、岩坪 友子訳、
1998.3、\4,700、
ISBN 4-588-00604-5

『理論への抵抗』国文社、大河内 昌訳、富山 太佳夫訳、
1992.5、本体価格 \2,500、
ISBN 4-7720-0361-4

原題:PAUL DE MAN Martin McQuillan 2001

◆現代思想の最後の大物、ド・マンへの最適の入門書!◆

「文学とは、読むことの問題であり、さらに正確にいうなら誤読の問題である」 「読むことは倫理的、政治的な活動である」。〈イェール学派〉の総帥であり、 〈読むこと〉の問題にコペルニクス的転回を起こしたド・マンの思想は、その 弟子たちに比べて、まだあまり日本に紹介されていません。本書は、脱構築、 誤読、アレゴリー、レトリック、翻訳、倫理などのキー概念を手掛かりに、彼 の「超難解な」思想をわかりやすく紹介しています。若き日にナチス協力の文 章を書いたというスキャンダルについても冷静な分析をしており、ド・マンの 世界への最適の道案内といえます。



◆本文一部◆
〔ド・マンの生涯〕
ド・マンは一九一九年十二月六日、アントワープ(ベルギー)に生まれた。すでに述べたように彼はベルギーで学生時代を送った。ついで二七歳のときアメリカ合衆国に移住し、一九四八年にニューヨークにたどり着く。店員、自由寄稿の批評家、フランス語講師などをしがらしばらく過ごしたあと、彼はベルギー時代に戦争によって中断されてしまった教育を成就しようと決心する。「マラルメ、イエイツ、そしてポスト・ロマン主義の苦境」と題する論文により、一九六〇年、ハーヴァード大学より、ph・Dを取得する。この当時のド・マンはヨーロッパ哲学の規範的な文献(特にマルティン・ハイデガーの仕事)に興味を示しているが、彼に批評スタイルは洞察的な精読と当時支配的な文学史への関心を交差させるものであったように思われる。ド・マンは後に、死後出版となった『美のイデオロギー』において、こうした批評方法の有する倫理的、政治的な含意を批判検討することに多くの時間を割くことになるであろう。博士論文の審査答弁を首尾よく終えたあと、彼はハーヴァード大学からコーネル大学に移り、そこに一九六八年まで留まる。一九六〇年代も終わりを迎える頃、彼はチューリッヒ大学の派遣講師を兼任し、一九六八年から七〇年まではボルチモアにあるジョンズ・ホプキンズ大学人文学部教授であった。一九七〇年以降、ド・マンは彼の名前と最も頻繁に結びつけられるイェール大学に移り、そこを終生の地とすることになる。一九七九年、比較文学およびフランス文学担当のスターリング講座教授に就任し、亡くなるまでそのポストに留まった。

◆書評
2002年10月中旬号 「出版ニュース」

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